LET ME KNOW が選ぶ10曲【インタビュー】BOØWY「MEMORY」は古いと思ったことがない
LET ME KNOWの10曲 ④
MEMORY / BOØWY
快進撃が続くLET ME KNOW
5月に配信された「偽愛とハイボール」でブレイク。続いて7月に配信された「100円キッス」も大好評。9月には東名阪ツアー、『SUMMER SONIC 2024』のステージが話題に。10月には『MEGA☆ROCKS2024』『LIVE AZUMA 2024』と立て続けにフェス出演も決定。LET ME KNOWの快進撃はこれからも続いていくだろう。
連載インタビュー “LET ME KNOWの10曲” 、第4回はギターとバンドのアレンジを担うKen_Mに再び登場してもらった。今回挙げてもらった曲はBOØWYの「MEMORY」だ。
BOØWYに関しては古いと思ったことがない
―― BOØWYとの出会いはいつでしたか?
Ken_M:父親が好きで、子どもの頃車の中でよくベスト盤を流していたので、そこから好きになりました。
―― その頃に「MEMORY」も知ったというわけですね。この曲は1987年にリリースされたラストアルバム『PSYCHOPATH』に収録されています。
Ken_M:そういう時期だったからこその、すごく完成度の高い曲だと思います。
―― BOØWYは自分たちのルーツを大事にしながらも、アルバムごとに完成度が高くなっていきますよね。
Ken_M:ニューウェイヴ全盛の頃にデビューしたバンドですから、その辺りの影響が大きいと思います。それぞれのアルバムの中に好きな曲があります。
―― BOØWYも洋楽の影響をバリバリ受けていて、グラムロックとか、ホール&オーツっぽいところも感じられ、様々な音楽の影響がありますが、メロディは日本人の琴線に触れる部分があると思います。そこはLET ME KNOWと共通していますよね。普遍的な部分も含めて。
Ken_M:そうですね。BOØWYに関しては古いと思ったことがないですね。ずっと聴けるという感じです。80年代、90年代に活躍したアーティストを今聴くと時代を感じる場面も多いのですが、BOØWYの音を聴いてそう思ったことは一度もないです。
新しさと今の時代に通じる絶妙な懐かしさをミックスすることが大事
―― 時代を超えて古くならないというのは、バンドを続けていくにあたってすごく重要なことだと思います。
Ken_M:そこは意識しています。今の時代に音楽をやることについて、もちろん80年代の音楽が好きだから、それを音に活かしたいというのは大前提としてあります。だけど、その時代の音を再現するだけでは意味がないと思っています。新しさと今の時代に通じる絶妙な懐かしさをミックスすることが大事ですよね。古くならないということですね。これが僕らの考える “ノスタルジックモダン” です。
―― 古いものを知らないと新しいものは作れないですからね。こないだのルイードのワンマンを観て開演前のBGMでキュアーの「ボーイズ・ドント・クライ」やザ・スミスの「ディス・チャーミング・マン」などをかけていましたよね。ああいう時代のBGMが流れているフロアに若い子が集まっている現象はすごいなと感動しました。
Ken_M:開演前のBGMで自我を見せたという感じです。届け!と思って。
―― ファンにもその辺りを掘り下げて欲しいですよね。
Ken_M:僕らのライブをきっかけに聴いてもらえると嬉しいですね。
―― ファンは若い世代が多いですよね。
Ken_M:確かに多いですが、YouTubeのコメントを見ると、50代です、60代です、ライブ行きましたという方も中にはいらっしゃって、世代を問わず来ていただいている手応えはあります。
これまでの反省を全部LET ME KNOWに活かしました
ーー 話は変わりますが、Ken_Mさんはすべての曲においてバンドアレンジを担当されていますよね。
Ken_M:そうですね。基本的に歌詞と曲はボーカルのMattyが作っていて、アレンジは僕がやっています。だから全部の音に悩んでいますね。この音でいいのかな?と。僕は考えすぎてしまうタイプなので、夜とか、思い詰めたりしますね(笑)
―― 配信されている曲にしても、ライブにしてもかなり手応えがあるように感じますが…。
Ken_M:前にやっていたバンドが自分の思うような方向にいかなかったので…。この時、メジャーデビューを経験していますが、デビューしたタイミングでコロナ禍になってしまって…。タイミングも悪かったと思いますが、音楽的にも今と比べてまだまだでした。自分の理想に届かなかったなという思いがあったので、色々未熟だったなと、今振り返って思いますね。
―― その経験を今のLET ME KNOWに活かしているということですね。
Ken_M:もう反省しかなかったので、これまでの反省を全部LET ME KNOWに活かしました。一番の反省点はメンバー間の音楽性の統一ですね。そこが一番大きいかと。コミュニケーションがしっかり取れていなかったですね。その時聴いている、それぞれのマイブームで音楽性がどんどんブレていく感じでした。そうなってきたら、1曲聴いて好きになってくれた人が、次に出した曲を聴いて全然違う路線だったら、バンドにハマってくれませんよね。
―― なるほど。確かに今のLET ME KNOWは3人の個性がうまく混ざり合って統一感が取れていると思います。Ken_MさんとLyoさんのコンビネーションは他のバンドでは見られない長所だと思います。
Ken_M:高校生の時は一緒にメタルのバンドをやっていて、その後1回バラバラになって別のバンドをやって、前のバンドで再び一緒にやるようになりました。それが解散してLET ME KNOWを始めようと。だけど、コンビネーションがどうとかで一緒にやっているのではなく、どちらも音楽を一生続けたいという覚悟があって、一緒にやっているという感じです。ただ、お互いが気になる音楽をお勧めし合っているので、音楽的趣向がかぶることは多いですね。
ギタリストとして、“美しいな” と思えるフレーズにはこだわっていきたい
―― Ken_Mさんがギタリストとして目指しているミュージシャンはいますか?
Ken_M:L’Arc〜en〜CielのKenさんだったり、ザ・スミスのジョニー・マーだったり、この2人が弾くギターを聴いていて、僕もギタリストとして、“美しいな” と思えるフレーズにはこだわっていきたいですね。あと、今までLET ME KNOWで出している曲や、今後リリースしていく曲もそうですが、印象的なテーマというか、ギターリフを1曲に1つは必ず入れようというのは意識しています。
―― いい曲というのは、まずリフを思い出しますよね。
Ken_M:もちろんリフがそうでなくてもいい曲はたくさんありますが “このイントロが来たらテンションが上がる” みたいな部分を大事にしていきたいです。
―― それがロックですよね。そういう部分はアレンジャーとしても大事だと思います。
Ken_M:日本のギタリストだと、長くフレーズを展開していく人が多いと思うのですが、いかに短く、印象的にできるかというのは常に意識しています。
―― それ、すごくわかります。短いフレーズだけど美しくて、一瞬で泣けてしまうというのが名曲ですよね。
Ken_M:それが、ギタリストとして一番こだわりたい部分ですね。曲を聴いた人の頭の中に鮮明に残るフレーズを作っていきたいです。
僕らの音楽性にMattyの声とビジュアルを掛け合わせたら絶対に新しくなる
―― ザ・スミスにしてもキュアーにしても、BOØWYもそうですが、歴史に名を刻んだバンドは、ギタリストの凄さというのは絶対に不可欠ですね。そういうギタリストの立ち位置からMattyさん、Lyoさんはどのように映りますか?
Ken_M:ボーカルのMattyはバンド経験がこれまでなかったので、そういうところからも形にはまらない面白さがあります。それに彼はバンドをやっている人種にはいないタイプです。明るくて自由な感じをそのまま体現しています。今回挙げたBOØWYだったり、L’Arc〜en〜Cielだったりもそうですが、ボーカルが格好いいですよね。そこはMattyにも共通しています。
―― この前、LET ME KNOWのライブを観て思ったのが、昔のロックのマッチョイズム的な部分、古い価値観が全然なかったということです。今までのロックの歴史にはないアプローチをしていると。
Ken_M:僕らの音楽性にMattyの声とビジュアルを掛け合わせたら絶対に新しくなるだろうなという確信はありました。LET ME KNOWでは前のバンドで出来なかったポストパンク、ニューウェイヴに影響された音楽をやりたいというのがありました。僕の好きな音楽って、内向的な人が好む傾向があります。そこにMattyのような明るく、大衆受けする声を掛け合わせたら、どのバンドとも被らないと思っています。
―― Mattyさんのボーカルって、確かに明るいですが、ザ・スミスやキュアーのような “痛み” も感じます。
Ken_M:そういうエモーションは感じます。すごくいい出会いだったと思います。
―― 出会いはSNSでしたよね。
Ken_M:そうですね。前のバンドを解散した時に、Lyoと “いいボーカリストいないかな?” と2人で話していて、SNSでも募集をしていました。LyoがInstagramでMattyを見つけて “この人いいんじゃない?” と。それでダイレクトメッセージで連絡を取り合うように。 “はじめまして、こんにちは” から始まりました(笑)。Mattyは、自分の作った曲をアレンジできる人を探していて、そこで僕が1曲仕上げて送って。そこから仲良くなりました。
―― 信頼関係が芽生えたということですね。
Ken_M:そこからZoomで初めて対面しました。彼は大阪に住んでいて、弾き語りの路上ライブをよくやっていたので、東京でもやる機会ができて、そこで会いました。それでラーメンを食べながら “一緒にやろう” と。
Lyoは安心感のあるドラマーに成長しています
―― 今風の出会いですね。Lyoさんはバンドメンバーとしてどうですか?
Ken_M:ずっと見ていますが、安心感のあるドラマーに成長していますね。
―― ドラムの安定感は良いバンドの必須条件ですよね。
Ken_M:そうですね。そこは大事です。
ーー サポートベースも含め、このメンバーでのライブもかなり安定してきたと思います。
Ken_M:初ライブから、機材トラブルが多かったのですが、原宿ルイードでの初ワンマンから順調で手応えを感じるようになりました。フェスなど、大きなステージも増えてきましたので経験を重ねて頑張っていこうと思います。
Information
NEW LIVE「LET ME KNOW LIVE TOUR 2024 -Nostalgic Modern- II」 開催決定!
▶︎ 2024年12月10日(火) 【愛知】名古屋DIAMOND HALL
▶︎ 2024年12月19日(木) 【東京】EX THEATER ROPPONGI
▶︎ 2024年12月26日(木) 【大阪】梅田CLUB QUATTRO
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