【くわしすぎる園芸店員が教える】観葉植物は「理想の姿形になるのか」を意識して選ぶ
「モンステラは賢くていい子!」「フィカスは手のかからないイケメン!」といったユニークな視点で植物の育て方や個性をわかりやすく伝えるのは、インスタグラムで大人気の園芸店員、くりとさん。書籍『知りたかったがつまってる! 世界一たのしい観葉植物教室』(KADOKAWA)は「なぜ、このお手入れが必要なの?」「この植物には、どんな性格があるの?」といった、これまで誰も教えてくれなかったような植物たちの奥深い世界を、初心者の方でもスッと頭に入るように解説しています。この本を読めば、観葉植物がもっと身近に、そして愛おしい存在になるはずです。日々の暮らしに緑を取り入れ、植物たちと心豊かな時間を過ごしてみませんか?
※本記事はくりとによる書籍『知りたかったがつまってる! 世界一たのしい観葉植物教室』から一部抜粋・編集しました。
選ぶときに意識したい大事なポイント。「この植物は理想の姿形になるのか」
観葉植物を育てていて「あれ、なんか思ったように成長してくれない」って感じる方は意外に多いようです。
パキラの芯止め
芯止めとは、写真のように太い幹の先端が切られている状態のこと。
このパキラ(写真①)を見てください。太い幹の先端が切り取られています。これは「芯止め」といわれる手入れ方法のひとつで、植物がそれ以上伸びないようにするために行われています。植物を「小さい苗から育てて人の背丈くらい大きくしたい」って方は、こういう芯止めされている植物は避けましょう。とはいえ芯止めには、脇から芽が出やすくなる、コンパクトにたのしみやすい、というメリットもあります。キッチンカウンターやデスクなどに置くには、ピッタリな子に仕上がるんです。
実生パキラ
こんなふうに、芯止めされていない、真っ直ぐ伸びるパキラも出回っています。通称は「実生(みしょう)パキラ」。種から育った子です!
次に知っておきたい特徴が、「模様」と「徒長(*)」です。観葉植物のなかには、葉に白や黄色の模様が見られる種類があります。模様のある植物を「斑入り」というのですが、暗いところで育てていると、この白い部分が緑っぽくなってしまうんです。また、光から遠い場所に置かれた植物は、明るい方に向かって茎や葉を伸ばしながら成長します。気づいたときには枝がひょろひょろ伸びてた...なんてこともあるんです。
*徒長...光量不足などが原因で植物の茎がひょろひょろ伸びること。
ポトスの緑の葉と白い模様のある葉
途中から葉の色が白っぽくなっていますよね。暗いところに置いているときに出た葉は緑で、明るい窓際に置いた後に出てきた葉は、こんなふうに白くなるんです。
シュガーパインの徒長
窓から遠いため、ビヨーンと茎を伸ばしてしまいましたが、これはこれでかわいらしい姿です。
植物は、どこに置くのか、どういう姿になってほしいか、を考えて選びましょう。暗いところに置くなら、模様のない子や、ある程度伸びても気にならない子を選ぶといいかもしれません。
植物はどちらかといえば陰が嫌い
植物は光が好きだから明るい方へ向かう...というより、暗いところが嫌だから頑張って明るい方に伸びようとしています。植物はその優れた光センサーで、自分が何かの陰にいると気づくことができるんです。