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リカルド・ロペスなら井上尚弥とどう戦うか?ライバルに恵まれた大橋秀行会長の現役時代

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井上尚弥と大橋秀行会長,Ⓒゲッティイメージズ

9月24日に大橋秀行氏とリカルド・ロペス氏のトークショー

9月25日に東京・後楽園ホールで開催されるボクシング興行『Lemino BOXING PHOENIX BATTLE 122』で、大橋ジムの大橋秀行会長(59)と元世界2階級王者リカルド・ロペス氏(58)の功績を称えるセレモニーが開催される。前日24日には東京ドームシティで2人のトークショーも行われる。

リカルド・ロペスと言えば、大橋会長がWBCミニマム級王者だった1990年10月の2度目の防衛戦の相手として来日。王者から3度のダウンを奪って5回TKOでベルトを強奪し、その後21度の防衛成功、ライトフライ級王座も奪って2階級制覇し、51勝(37KO)1分けの戦績を残して無敗のまま引退したメキシコのスターボクサーだ。

大橋会長の右カウンターが1発ヒットしたものの、ほぼ一方的な展開で敗れ、後楽園ホールが凍り付いたように静まり返ったセンセーショナルなKO劇から34年。年輪を重ねた2人が何を語り合うのか興味深い。

大橋会長は自身のSNSで「負けたのは悔しい。あの負けがあるから今がある。いい出来事だった事に、過去は変えられる」と投稿。ミニマム級リミットの47.6キロだった両者が会見で睨み合う34年前の写真とともにアップしている。

「冬の時代」の救世主だった大橋会長

当時は日本のジムに所属するボクサーが世界挑戦21連続失敗を記録していた「ボクシング冬の時代」。大橋会長は劇的なノックアウト勝利で不名誉な記録をストップし、世界王者となった日本ボクシング界の救世主だった。

2度のKO負けで世界レベルを思い知らされた張正九(韓国)、必殺のボディアッパーでノックアウトした崔漸煥(韓国)、初防衛戦で判定勝ちし、日本でも人気のあったナパ・キャットワンチャイ(タイ)、WBA王座を奪った崔熙墉(韓国)、そして対戦が期待されながら実現しなかった井岡弘樹…。

最軽量級とは思えない迫力満点のライバルたちが、当時のミニマム級には多数存在した。大橋会長は現役時代に19勝(12KO)5敗の戦績を残したが、どの試合も手に汗握る好ファイトだった。

強すぎるゆえライバルがいない井上尚弥

ボクシングが1対1の格闘技である以上、試合内容はどうしても相手に左右される。大橋ジムに所属する世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31)は強すぎるがゆえ、ライバルがいない。

スーパーフライ級王者だったオマール・ナルバエス(アルゼンチン)、WBSS準決勝で戦ったエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)、2度の死闘を演じたノニト・ドネア(フィリピン)、スーパーバンタム級王者だったスティーブン・フルトン(アメリカ)、「悪童」ルイス・ネリ(メキシコ)…。

世界的な強豪でも井上のライバルにはならなかった。最近はポール・バトラー(イギリス)やマーロン・タパレス(フィリピン)、テレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド)のように腰の引けた相手も少なくない。モンスターの強さが世界中に知れ渡った今、リスクを冒してまで冷徹に倒しに来るスナイパーのようなボクサーはいないのかもしれない。

もし、あの大橋秀行をノックアウトしたロペス氏が現役で同じスーパーバンタム級なら、井上尚弥とどんな風に戦うだろうか。パワーでは井上に分があるが、スピードは互角だろう。モンスターのパンチも簡単には当たらない。12ラウンドを戦い抜いてポイントアウトされる可能性もある。両者の対戦を想像しただけでワクワクする。

もはや井上のライバルは時空を超えないと存在しないのか。34年前の後楽園ホールのような、一瞬たりとも目が離せず、手に汗握り、息を呑む、そんなファイトをもう一度見たい。

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記事:SPAIA編集部

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