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【進化を続ける日本のアイス】猛暑続きでアイスが存在感を増している。国内販売や輸出の実績は過去最高を更新中だ。海外でも人気の日本のアイス。その進化は止まらない!

アットエス

静岡トピックスを勉強する時間「3時のドリル」。今回のテーマは「進化を続ける日本のアイス」。先生役は静岡新聞の川内十郎論説委員です。(SBSラジオ・ゴゴボラケのコーナー「3時のドリル」 2025年8月26日放送)
(山田)静岡新聞の一面コラム「大自在」でアイスについて書いたそうですね。

(川内)8月8日付で、アイスに関する子どものころの思い出や、「日本のアイスの今」について書かせてもらいました。今日はアイス大好きな私が、「アイス愛」全開でお話したいと思います。

(山田)楽しみです。

(川内)冒頭の小学校のころ氷と塩、鍋と茶筒で作ったアイスの話は、学研の「科学」など科学雑誌に作り方が載っていたと記憶します。茶筒の中に牛乳と卵、砂糖を入れて。

同じように氷と塩を使ったアイスの作り方が8月10日付の静岡新聞に載っていました。茶筒と鍋ではなく、大小のチャック付きポリ袋で作る話でしたが。氷と塩を合わせると溶ける時の「吸熱反応」でマイナス20度位になるそうです。ジャリッとした感じですが本当においしかった。

(山田)僕も作ったことがあります。ミルクセーキのような味だったな。理科の勉強になりますね。

(川内)次に触れたゴム風船を思わせる容器に入ったアイスは、最初はなかなか出て来ないんですが、握っているうちに段々溶けてきて、最後は飛び出してくる。

「たまごアイス」や「アイスボンボン」などいろんな名前の商品がありますが、高知県では「おっぱいアイス」として知られています。かなりインパクトがある攻めたネーミングですが、優しい、温かみがある名前ですね。ピョンと出っ張った部分を切って吸うのですが、ぼくら田舎の子どもはみんな口でかみ切っていました。皆さんもアイスにまつわるさまざまな思い出があるのではないでしょうか。

(山田)そのアイス、知っていますよ。駄菓子屋さんで売っていました。早速リスナーさんから声が届いています。「セブンティーンアイスが人生最高のアイスだと思う」とのこと。

(川内)自販機で売っているアイスですね。

存在感を増す日本のアイス

(川内)猛暑続きでアイスの存在感は増していて、気温上昇傾向も追い風になって昨年度のアイスの国内販売額は6451億円で過去最高でした。日本のアイスは海外でも人気で、輸出の量や額も過去最高を更新し続けています。

アジアが引っ張っていて、特に台湾向けが多いです。台湾はアイスなど冷たいスイーツの文化あり、日本への旅行者の多さも日本のアイスへの親しみ深さにつながっているようです。

(山田)6451億円か。台湾のスイーツは有名ですね。

(川内)海外では、抹茶や小豆、餅で包むなどなど特に「和のテイスト」が受けて、需要が伸びているとのことです。日本に旅行で訪れた外国人観光客が日本のアイスに感激し、帰国してからも食べたいというのも後押ししています。

(山田)逆もあるでしょうね。台湾や韓国ではやっているスイーツが、日本向けにアレンジされて入ってくるとか。

(川内)総務省のアイスへの年間支出に関する家計調査(2人以上の世帯が対象、都道府県庁所在地と政令市)では、2024年度、静岡市は14400円で、山形市に次ぎ2位でした。浜松市は2018年度、11493円で全国トップ。静岡県民はアイス好きと言えるのではないでしょうか。

(山田)そうなんだ。

日本のアイス事始め

(川内)では、日本のアイスの歴史を、日本アイスクリーム協会がまとめた「日本アイスクリーム史」などから振り返ってみます。日本人が初めてアイスに出会ったのは幕末の万延元年(1860年)、アメリカに渡った使節団が歓迎会で食べた時だと言われています。

随行者の日記にも残っていて「珍しきものあり。口中に入るるにたちまち溶けて、誠に美味なり。之をアイスクリンといふ」と。咸臨丸に乗って同行した勝海舟や伊藤博文も食べたかもしれません。

(山田)可能性はありそうですね。

(川内)日本で最初のアイスクリームが「あいすくりん」の名で製造、販売されたのは明治2年(1869年)、横浜で渡米経験がある町田房蔵によってとされています。

やはり、氷と塩による冷凍で、器に小量盛ったのが現在の貨幣価値で8千円ほどと非常に高価。庶民には手が届かず、売れなくて大損したと。しかし翌年、横浜の大きな神社の祭典で店を出したところ、暑さに祭り気分も手伝って大人気だったそうです。

(山田)そんなに高かったのか。

(川内)アイスクリームは乳製品であり、酪農や加工、冷凍技術の進歩が欠かせません。大正9年(1920年)、東京の深川で冨士食料品工業が、米国のフリーザーを使って工業化の第一歩を踏み出しました。

翌年、三島市の極東練乳三島工場でも製造が始まりました。この極東練乳三島工場は、三島の花島兵右衛門が始めた花島練乳所がルーツで、日本のアイスクリームの創生期を語る上で欠かせない存在として静岡県民はぜひ覚えておいてほしいです。

練乳は牛乳を加熱して濃縮したもので、アイスクリームなどの原料となり、消費しきれない牛乳を活用するためにも欠かせない技術でした。極東練乳のアイスクリームは東京の三越などでも販売され、近くの沼津駅で経木に包んで販売されたものは、日本初の駅売りアイスになりました。

(山田)静岡県はアイスの歴史で大きな役割を果たしているんだな。

(川内)三島の練乳製造にもつながる伊豆の酪農は、下田にいた初代米国総領事のハリスが牛乳を飲むことを習慣にしていたことが契機という話があります。

(山田)「ハリスさんの牛乳あんパン」という人気商品がありますよ。

(川内)極東練乳三島工場のアイスを東京に運ぶため、気温が低い夜中、沼津から汐留まで専用の急行貨車が運行されたそうです。

(山田)昼間だと溶けちゃいますからね。

戦後は「アイスキャンディー」から

(川内)戦時中は乳製品の多くが軍隊向けになり、アイスクリームは「ぜいたく品」として生産が大きく減りました。まさにアイスの「暗黒時代」です。戦後のアイスは、人工甘味料などを凍らせて割り箸を刺しただけの「アイスキャンディー」から始まりました。

自転車で売り歩いたり、焼き芋屋さんの「夏枯れ」対策としてもアイスは広がりました。私も子どものころ、駄菓子屋さんで焼き芋とアイスを売っていた記憶があります。やはり冬に需要が多い、こんにゃく屋さんもアイスを売ったようです。

(山田)こんにゃく屋さんもか。

(川内)そして1955年(昭和30年)、協同乳業が大量生産体制を整えて、ミルク味のアイスバーの販売を開始します。これは5年後の1960年、日本初の当たり付きアイス「ホームランバー」として大人気になります。ポスターには先日亡くなった長嶋茂雄さんを起用しました。

(山田)当たり付きのインパクトは大きい。

人気アイスの数々

(川内)ここからは、皆さんにもおなじみのアイスが登場します。日本のアイスの種類の豊富さは、海外の人から見れば驚きです。日本人の食に対する繊細な感覚や五感を楽しむ食習慣が凝縮されていると言えます。いわば、ジャパニーズクールであり、ジャパンクオリティー。

(山田)世界でも珍しいんですね。

(川内)まずは、「あいすまんじゅう」(1962年、丸永製菓)。

(山田)おいしいですね。1962年か。

(川内)グリココーン(1973年、江崎グリコ。後にジャイアントコーンに)。

(山田)ジャイアントコーンの方がなじみ深いな。

(川内)メロン型のシャーベット(井村屋は1972年に発売)。いろんなメーカーが製造し、食べた後の容器は小物入れにもなりました、

(山田)あったなー。しばらく食べていない。容器をお風呂に持ち込んで遊びました。

(川内)チョコモナカ(1972年、森永製菓。後にチョコモナカジャンボに)

(山田)これもジャンボの方がなじみ。

(川内)2021年の東京五輪を取材した外国人記者が発信し、人気に火がついたということです。

(山田)バズったわけか。

(川内)あずきバー(1973年、井村屋)。私も大好きで、マルチパックを買い置きしています。

(山田)硬いから、歯を折らないように。

(川内)パピコ(1974年、江崎グリコ、容器入りが2つくっついている)、ピノ(1976年、森永乳業。一口サイズ)、パナップ(1978年、江崎グリコ。細長く、中央にフルーツソース)。

(山田)全部知っていますよ。

(川内)パナップはどうやってソースを入れるのか、今でも不思議。

(山田)不思議ですね。

(川内)雪見だいふく(1981年、ロッテ)。

(山田)全員4番バッターという感じ。強力ですね。

売れ筋は長寿商品が多い

(川内)そして、「ガリガリ君」(1981年、赤城乳業)。今や国民的アイスですね。1964年に登場し、人気を集めた同社のカップ入り「赤城しぐれ」を片手で持てるバーアイスでという発想だそうです。

(山田)来ましたね。

(川内)これまで登場した味は160種以上。「コーンポタージュ」は売れましたが、「ナポリタン」は失敗したとのこと。一つの「ガリガリ君ワールド」を築いていて、これらヒット商品を手がけた元役員は経済関係の講演会の講師として引っ張りだこです。

(山田)梨味は、本当の梨よりおいしいと思いましたからね。

(川内)当たり確率は公表されていませんが、2~4%のこと。

(山田)そうなんだ。

(川内)ガリガリ君の当たり棒25本を偽造したという詐欺未遂事件もありました。

(山田)リスナーさんから声が届いています。「当たり棒を交換しないままずっと持っている」とのこと。宝物という感じでしょうか。

(川内)私は外で飲んだ後、コンビニで買ったガリガリ君を食べるのが至福の時間ですね。

(山田)シメのガリガリ君か。

(川内)アイスを続けます。サクレレモン(1985年、フタバ食品。レモンの輪切りがのっている)。

(山田)私、これ大好き。

(川内)スイカバー(1986年、ロッテ)。

(山田)種はチョコですね。

(川内)アイスの実(1986年、江崎グリコ)。

(山田)子どもに食べさせるのに、大きさがちょうどいい。

(川内)エッセルスーパーカップ(1994年、明治。従来品より一回り大きい)。

(山田)得したような気になりました。

(川内)「爽」(1999年、ロッテ。氷の粒が入っている)。

(山田)シャリシャリした食感ですね。

(川内)これを飲むアイスにしたのが「クーリッシュ」(2003年、ロッテ)。

(山田)みんな強いな。

(川内)「パルム」(2005年、森永乳業)。CMに寺尾聡を起用し、大人のバーアイスとして売り出しました。

(山田)長泉町の冨士森永乳業の工場で作っているんですよね。

(川内)よくご存じですね。この会社は先ほどお話しした、日本で最初にアイスを工業化した冨士食料品工業がルーツなんですよ。

(山田)つながっているんだ。

(川内)売れ筋アイスは長寿商品が多いですね。

(山田)僕がこれからアイス会社を立ち上げようと思えないくらい、強豪、ベテラン勢がそろっている。

(川内)プレミアムアイスは「レディーボーデン」(1971年、明治乳業。現在はロッテ)がはしり。「リーベンデール」(1982年、雪印乳業。その後ロッテ)が続きました。そしてハーゲンダッツ(1984年、ハーゲンダッツジャパン)が登場します。

店舗型では米国のサーティワンアイスクリーム(バスキン・ロビンス)が1974年に日本上陸しました。1カ月(31日)、毎日違う味を楽しんでほしいと「サーティワン」と名付けたそうです。ソフトクリームは1970年の大阪万博会場に200台のソフトクリームフリーザーが置かれたことが、ブームのきっかけの一つになりました。

(山田)リッチな気持ちに浸れる。自分へのごほうびという感じも。

アイス関連イベントも盛ん

(川内)最近は全国でアイス関連イベントが盛んです。私も先日、静岡市の駿府城公園で行われていた「アイスフェス」に行ったところ、にぎわっていました。

湖西市のボートレース浜名湖では8月31日まで、国内外から100種以上のご当地アイスが集結という「ハマナコ・アイス・エキスポ」が開かれています。

(山田)人気のようですね。

(川内)ジェラートの専門店も増えていて、先日、静岡市清水区のJA経営の店に行って食べた「枝豆」がほのかな塩気と豆の風味で良かったです。

(山田)僕は御前崎市の「なぶら市場」にある専門店のジェラートがお気に入り。

(川内)ご当地ジェラート、アイスもいろいろありますね、「昆布ジェラート」「しらすアイス」「野沢菜アイス」など。松崎町の「桜葉アイス」もいいですね。私が最近印象に残ったアイスは、某コンビニだけで販売されているという、中がマシュマロのようなチョココーティングのバー。ネット上の「この世のアイスで一番おいしい」というコメントに引かれたからですが、新鮮な食感でした。

(山田)僕も食べてみようかな。

市場はまだまだ発展しそう

(川内)アイスはやはり、「凍っている」という点に特別な価値があるような気がします。

(山田)アイスって本当にすごい。手軽に、日常的にレベルが高いアイスを食べられる私たちは幸せ。

(川内)いろんな思い出とともにありますしね。学校帰りにその場でアイスもなかを作ってくれる店に立ち寄ったり、デートで一緒に食べたり。

(山田)これからまだまだ暑さが続きそうで、消費も伸びるのではないでしょうか。

(川内)猛暑商戦で塩レモン味のヨーグルトアイスが発売されるなど、毎夏のように新しい商品が登場しています。動物性食品を食べない「ヴィーガン」対応やアレルギー対応、豆腐や豆乳を使ったローカロリー商品など、機能性の充実などを含めて市場はまだまだ発展する余地がありそうです。

(山田)まさにアイスの進化は止まらない。これからもどんなアイスが出てくるか、楽しみです。今日の勉強はこれでおしまい!

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