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歴史的な偉業!ブラックホールの影のどのようにして撮影できたのか?【図解プレミアム 宇宙の話】

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歴史的な偉業!ブラックホールの影のどのようにして撮影できたのか?【図解プレミアム 宇宙の話】

撮影されたブラックホール

ブラックホールは太陽の30倍以上の質量をもつ巨大な星が一生を終え、超新星爆発を起こし、その後、重力崩壊という現象によって縮小した結果できると考えられています。しかし、宇宙にはもっと巨大なブラックホールがあります。大きさにかかわらず、その莫大な重力からあらゆるものを引き寄せ、吸い込んでしまうのです。宇宙でいちばん速い光でさえも吸い込まれてしまいます。そのため、ブラックホールを見ようと思っても、光が地球にまで届かないため、見ることができませんでした。

ところが、2019年、史上初、ブラックホールの影の撮影に成功したのです。これによってブラックホールの存在がはっきりと証明されたことになったのです。ブラックホールの影の撮影は、ブラックホールの周りにあって、ブラックホールの重力で曲げられた光を利用することで実現しました。しかし、ブラックホールの影を撮影するには、地球から月面上の野球のボールが観測できるくらいの高性能な望遠鏡が必要になります。そこで、2012年に「イベントホライズンテレスコープ(EHT)」という国際協力プロジェクトが、日本の国立天文台を含むアジア、ヨーロッパ、アフリカ、北米、南米の13の研究機関と約200名の研究者によって発足しました。

このプロジェクトでは、日本の国立天文台などが運用するチリのアルマ望遠鏡をはじめ、ハワイ、南極など、世界の6カ所にある8つの望遠鏡をつなぎ、その観測データを組み合わせて分析するという壮大な観測計画を立てました。2017年4月、計画に従って地球から約5500万光年離れたおとめ座のM87銀河の巨大ブラックホールと思われる天体を、世界中に散らばった8つの望遠鏡で同時に5日間観測しました。そして、それらの望遠鏡から集められた高解像度の膨大なデータから画像を作成し分析したのです。

その結果、2019年におとめ座銀河団にあるM87ブラックホールの影の撮影に成功したのです。そのブラックホールの質量は、太陽の約65億倍という巨大なもので、リングの直径は約1000億キロメートルもありました。さらに、2022年5月には、私たちが住む太陽系がある天の川銀河の中心にあるブラックホールの影の撮影にも成功したのです。撮影した画像では、ブラックホールの漆黒の闇は、その周辺のリング状に輝く光のなかに影のように黒く見えています。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』

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