スーパーキャリイで車中泊!荷台を活かして快適に過ごす実践ガイド
軽トラで本当に快適に寝られるの?——そんな疑問を持つ方にこそ知ってほしいのが、スズキの「スーパーキャリイ」です。一般的な軽トラよりもキャビンが広く、荷台も工夫しがいがあるため、ちょっとした休憩はもちろんのこと本格的な車中泊にも対応できます。この記事では、スーパーキャリイでの3つの車中泊スタイルから、快適に寝るためのアイディアまで実際に役立つ情報をご紹介します。
スーパーキャリイは車中泊に向いてる?その理由と特徴
スーパーキャリイは「軽トラなのに快適に車中泊ができる」と注目されているモデルです。
最大の特徴は、一般的な軽トラよりも広く設計されたキャビンです。
運転席のシートスライド量は軽トラック最長の180mmで、18段階の細かい調整が可能。さらに、リクライニングも可能なため、座席にいながらくつろげる空間を作れます。
一方で、荷台の長さは1,480mmと標準的なキャリイよりも短めです。
ただし、フロアがキャビン下まで伸びており、実質的な荷台フロア長は1,975mmと十分な長さを確保。このスペースを活用することで、見た目以上に広く使うことが可能です。
2018年の登場以降、スーパーキャリイはDIYカスタムのベース車としても人気があり「軽トラで寝る」スタイルを考える人にとって、有力な選択肢となっています。
スーパーキャリイで快適に眠る3つのスタイル|用途に合わせて選べる寝方
スーパーキャリイは軽トラでありながら、さまざまな寝方に対応できる柔軟性があります。
ここでは、用途や頻度に応じて選べる3つのスタイル「リクライニングで寝る」「キャビンを活かす」「荷台に寝床をつくる」を紹介します。
運転席をリクライニング|最小限の装備で手軽に横になる
スーパーキャリイの運転席は最大40°までリクライニング可能。180mmのスライドもできるため、シートだけでくつろげる空間が作れます。
これは、日中の休憩や仮眠に最適で、簡易的な車中泊にも対応可能です。
足を完全に伸ばすことはできませんが、頭や腰への負担を軽減し眠ることができるので「装備を最小限に抑えたい方」や「車中泊の頻度が低い方」にとって、最も手軽に始められるスタイルです。
助手席をたたんで足を伸ばす|キャビンを活かすスマート車中泊
スーパーキャリイの広いキャビンを活かすなら、助手席をテーブルモードにたたみ、斜めに足を伸ばして寝るスタイルがおすすめです。
運転席に荷物を置き、キャビンの奥行きと横幅を寝床として活用します。
一見、窮屈にも見えますが、室内にマットを敷いたり、収納を工夫することで、想像以上に落ち着ける空間を生み出すことが可能です。
荷台を使わずに完結するため、天候の影響を受けにくく、セキュリティ面でも安心。軽トラの日常利用をメインにしつつ、車中泊も行いたい方に向いているスタイルです。
荷台にベッド空間を作る|本格的に眠りたい人の快適スタイル
車中泊を頻繁に行う方や、しっかり眠れる環境を重視したい方には、荷台にベッドスペースを構築するスタイルが適しています。
スーパーキャリイの荷台長は1,480mmと短めですが、キャビン下までフロアが伸びており、実質1,975mmの奥行きを活かすことが可能です。
ベッドキットやコンパネを使ってフラットな寝床を作れば、寝返りも打てる快適な空間が確保できるでしょう。
さらに、シェルやテントを取り付ければ断熱性・防水性も向上し、季節や天候に左右されにくくなります。長期滞在や高頻度で車中泊を行う方には、特におすすめのスタイルです。
スーパーキャリイ車中泊を快適に|おすすめアイテムと注意点
車中泊は「寝られる」だけでなく「快適に過ごせる」ことが重要です。
キャビンや荷台、それぞれの寝方に合った装備や工夫をすることで、疲れの取れ具合や安心感が大きく変わります。
ここでは、車中泊スタイル別のおすすめアイテムと、注意しておきたいポイントを紹介します。
キャビン派におすすめの快適アイテム
キャビンでしっかりとした睡眠をとるには、運転席後ろの荷物置き場から、畳んだ助手席への斜めのスペース活用がおすすめです。
その際に、まず用意したいのは「車中泊用のマット」です。
キャブを斜めに活用する場合、おおよそ180㎝程度確保できるため一般的な車中泊マットを使うことができます。
厚みが10㎝以上あると快適と言われていますが、予算や収納性を含めて検討すると良いでしょう。
あわせて「遮光シェード」や「マグネットカーテン」があれば、プライバシーの確保・温度調整の面で効果的です。
様々な車種に対応する汎用品もありますが、隙間が生まれやすいのが難点。少し高価にはなりますが、専用設計のものを選ぶことでストレスなく利用することできます。
これらに加えて、吊り下げ式ポケットやヘッドレストバッグがあれば、小物を手の届く位置に整理できて限られた社内を有効に使うことができるでしょう。
荷台派に必要な装備とカスタムの考え方
荷台で寝る方法にはいくつか種類があり、最も簡単なのは「帆+ベットマットを引く方法」です。
幌は、数千円から購入可能で折り畳みもできるため、日常的な利用と併用したい方に向いています。
しかし「防犯性が低い」「気温の影響を受けやすい」といったデメリットもあるため、車中泊の時期や場所は慎重に選ばなければいけません。
より本格的な車中泊を楽しみたい方には「シェル」「モバイルハウス」という選択肢もあります。
費用は高額になりますが、居住性が高く、様々な設備も搭載することができるため「動く家」を作ることができるでしょう。
トラブルを避けるために知っておきたい3つの注意点
快適な車中泊を楽しむには、想定されるトラブルを把握しておくことも大切です。
軽トラならではの注意点を含めて、3つご紹介します。
このように、少しの工夫と準備で、スーパーキャリイでの車中泊は格段に快適になります。
荷台を使うか、キャビンで過ごすか、それぞれのスタイルに合わせて必要なアイテムを揃えていくとよいでしょう。
カスタム前に知っておきたい法的な制限
ルールを守れば荷台のカスタムは可能ですが、道路運送車両法に基づいた寸法や固定方法などに注意する必要があります。一部の改造は車検に通らなくなることもあるため、自己判断せずにしっかりと基準を理解しておくことが重要です。
スーパーキャリイは軽トラックであるため、以下の車両寸法制限に従う必要があります。
軽トラックの規定サイズ(道路運送車両法)
全長:3.40m以内全幅:1.48m以内全高:2.50m以内
この制限を超えると、構造変更申請が必要になり、一般的なユーザーにとっては手間とコストがかかります。
構造変更が必要となる代表的なカスタム例
以下のような荷台カスタムは、構造変更の対象になります。
荷台を大きく延長・拡張する屋根付きキャビン(キャリアシェルなど)を恒久的に設置する重量が50kg以上増加するパーツを取り付ける車高が大きく変わるアイテムを装着する
逆に「構造変更が不要」な例
工具不要で取り外せるテント・ボックス簡易的な木製デッキ(蝶ネジなどで固定)フラット収納棚やベッドキット
これらは「軽微な架装」とみなされるケースが多く、合法的に楽しめる範囲内のカスタムとされています。
まとめ|荷台を活かした車中泊で“軽トラ以上”の快適性を
スーパーキャリイは、軽トラでありながら驚くほど柔軟な車中泊スタイルを実現できます。
シートを倒して気軽に休むもよし、キャビンを工夫してくつろぐもよし。さらに荷台を活用すれば、本格的な旅の拠点にもなります。
装備や対策を少しずつ整えながら、自分にぴったりの快適な寝場所を見つけてみてください。軽トラでの充実した旅が、ここから始まります。