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油は何ごみ?正しい捨て方は?簡単な処理方法と注意点を調理師が解説

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油は何ごみ?正しい捨て方は?簡単な処理方法と注意点を調理師が解説

油の正しい捨て方って?

この記事では調理師の筆者が油の正しい捨て方3選をご紹介します。処理した油の正しい廃棄方法や注意点も詳しく解説していきますよ。ぜひ参考にしてみてください。

簡単な油の処理方法まとめ

凝固剤、もしくは片栗粉・小麦粉で固めて捨てる

ペーパータオルや新聞紙に吸わせて捨てる

牛乳パックを使う

自治体により回収方法が異なるため必ず確認する

簡単な油の処理方法3選

1. 凝固剤、もしくは片栗粉・小麦粉で固めて捨てる

1つ目は油を専用の凝固剤、もしくは片栗粉や小麦粉で固める方法。いずれも油が熱いうちに凝固剤や粉を加え、しっかりと混ぜ合わせて冷めるまで放置しておきます。凝固剤の場合は指定の量、片栗粉・小麦粉の場合は油の体積と同じくらいの量を加えてください。

油が冷めると、凝固剤のほうは油がろうそくのように固まります。そのままポリ袋に移し替えて、可燃ごみとして捨てましょう。

片栗粉・小麦粉のほうは凝固剤のように固まるのではなく、ペースト状になります。イメージとしては、ホワイトソース作りでバターと小麦粉を炒めたときに近い状態です。こちらも凝固剤と同じく、ポリ袋に入れて可燃ごみとして捨ててください。

なお片栗粉や小麦粉を使用する場合は、揚げ物をする際に余った粉や賞味期限が切れてしまった粉などを有効活用できますよ。

2. ペーパータオルや新聞紙に吸わせて捨てる

2つ目は、使用済みの油をペーパータオルや新聞紙に吸わせる方法。特に揚げ焼きのような少量の油を捨てる際におすすめです。やり方は残った油をペーパータオルや新聞紙に吸わせ、それらをポリ袋に入れて捨てるだけ。

いくつか注意点があります。まず油を吸わせたあと、熱いままポリ袋に入れないこと。油が熱いままペーパーや新聞紙で吸い取るのは問題ありません。しかし吸った油が熱いままポリ袋に入れてしまうと、袋が熱で溶けてしまうおそれがあります。油がしっかり冷えてから、ポリ袋に入れるようにしてください。

加えて、油を吸わせた紙類には、少量の水も吸わせておく必要があります。これは油を染み込ませた紙が酸化して、自然発火してしまうのを防ぐためです。火事の原因になってしまうため、ペーパータオルや新聞紙には全体が湿る程度の水を吸わせておきましょう。油吸収パッドもおすすめ

「ペーパータオルはもったいない」「新聞紙が家にない」という方には、100円均一や日用品店で購入できる油吸収パッドもおすすめです。主にコットン(綿)で作られており、油を吸わせてそのまま可燃ごみとして捨てられます。

商品にもよりますが、パッド1個で吸える油の量はおよそ60〜120ml。少なめの油で揚げ物を作る機会が多い方は、1個で油をさっと片付けられる油吸収パッドも使ってみてください。

3. 牛乳パックを使う

3つ目は牛乳パックを使う方法。こちらは多めの油を処理するときにおすすめです。まず空の乾いた牛乳パックを用意し、中にペーパータオルや新聞紙、油吸収パッドなどを敷き詰めます。自然発火防止のために、全体が湿る程度の水も吸わせておきましょう。

そこへ冷めた油をゆっくり注いで吸わせ、牛乳パックの口を粘着テープでしっかりとめたら完了です。あとはそのまま可燃ごみとして捨てられます。

ポリ袋でも代用できますが、箱が自立すること、破れる心配が少ないことから、多めの油を処理する際は牛乳パックを使うのがおすすめです。

油を捨てる際の注意点

自治体によって回収方法が異なる

基本的に、可燃ごみとして回収される食用油。しかし住んでいる自治体によっては、異なる方法で油を回収する場合があります。

方法が異なる理由は、ごみ処理が国ではなく市町村の仕事で、市町村が地域の実情を見て分別方法を独自に定めているから。人口の多さや焼却設備の性能など、あらゆる面を考慮したうえで、自治体の分別方法は決定されます。

そのため自治体によっては、油を可燃ごみとして回収する場合や、液体のまま回収してリサイクルする場合などさまざま。なお、油はリサイクルされると肥料や飼料、燃料に生まれ変わりますよ。

自治体ごとの油の回収方法は、「(自治体名) ごみ分別」「(自治体名) 油 リサイクル」などで検索するか、自治体発行の生活ガイドなどをご確認ください。

ごみを日光が当たる場所に放置しない

ごみ捨て場がよく日の当たる場所だったり、まとめたごみを収集日まで日が当たる屋外に置いていたりしませんか?油をペーパータオルや新聞紙、布などに吸わせて処理した場合、そんなごみの置き場には注意が必要です。

なぜなら油が染み込んだ布や紙は、高温や光にさらされると酸化が進んで熱をもち、自然発火するおそれがあるから。特に気温が高い夏場は自然発火の危険性が高まります。

対策は直射日光が当たらない場所にごみをまとめるか、油を吸わせると同時に水も適量吸わせておくこと。特に道端がごみ収集場所の場合、時間帯によって直射日光にさらされることがあるので、あらかじめペーパータオルや新聞紙に水を吸わせておくと安心ですよ。

流し台やトイレに捨てるのは絶対にNG

油をそのまま下水に流してしまうと、排水管が詰まったり悪臭が発生したりする原因に。そしてなにより、深刻な水質悪化の原因になります。

どのくらい深刻かというと、油20mlを下水に流した場合、その水を魚がすめる水質に戻すためには6000リットルの水が必要になるほど。

軽い気持ちで少し油を流しただけで、周辺の環境に大きな影響が出てしまいます。調理後の油はできるだけきれいに拭き取り、可燃ごみとして捨ててください。

油を捨てるタイミングの見分け方

油を捨てるのが面倒だからといって、同じ油を使い続けて良いわけではありません。酸化した油を使った料理を食べると、胸焼けや気持ち悪さを感じたり、ひどい場合には嘔吐や下痢が起こったりする場合もあります。

また酸化が進んだ油は発火温度が低くなっており、火事のリスクが高まるというデメリットも。

油の再利用は3〜4回までが目安。3〜4回以下であっても、以下の特徴が表れた場合は油がかなり酸化している証拠です。

・色が濃くなった
・とろみがついてきた
・揚げている最中に泡が消えにくくなった
・鼻につくような臭いがする

このような油は再利用せず、ご紹介した方法で適切に処理して、新しい油を使ってください。

油を長持ちさせる方法はある?

揚げ物をしたあとの油は使い回しできますが、使い方によっては早く劣化したり、より長く使えたりします。揚げ物を作る順番によっても、油の持ちが変わりますよ。

一般的に揚げ物は、「野菜の素揚げ→天ぷら(野菜から魚介)→フライ→から揚げ」の順番で油が汚れやすくなっていきます。つまり、揚げ物のなかでも油を汚しにくいものから調理すれば、油の劣化が遅くなり長持ちさせられるということ。

また、使用後の油を保管しておくオイルポットも重要です。活性炭フィルターが入ったオイルポットはろ過性能が高く、細かい揚げカスや臭いを除去してくれるため、油が長持ちします。

油を正しく使い、正しく捨てよう!

油は身近にあるものを使って、簡単に処理して可燃ごみとして捨てられます。「油の処理が面倒だから、揚げ物はしたくない」という方も、少しはハードルが下がったでしょうか?

また間違った方法で油を処理すると、火事の原因になったり、水質汚染の原因になったりしてしまいます。正しく簡単な方法で油を処理して、環境を守りつつ、家庭で揚げ物を楽しみましょう!

ライター:満畑ペチカ(調理師ライター)

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