サヨリが【ライトゲームで釣れにくいワケ】 下アゴだけ長いからフッキングしない?
この2年大阪湾奥にサヨリが大量にわく時期があって、困っている。シーバスゲームでは明確なベイトのサインとなるのだろうが(サヨリパターンは一番難しいとも聞く)、何が困るかと言って、こいつらライトゲームのターゲットにもなりきらず、大量にわくことでその他の魚の活性も下げてしまうのだ。そして、狙おうとしても釣れない。今回は、なぜサヨリがライトゲームでは釣れないのか考えてみたい。
サヨリばかりの海で溜まるストレス
何度か偶然釣ったことがあるが、サヨリは基本的にライトゲームのターゲットとはならない。
ライトゲームの基本のジグ単に食い切らないのだ。アタリは出すが、ノリ切らない。カケ切れない。フラストレーション・フィッシュの代表魚種である。筆者の印象では、ジグサビキにもかからない気がする。同じ細長い系の魚でも、カマスはジグサビキにもジグ単にも食う。
サヨリがうじゃうじゃわいていると、釣りきれないくせにアタリは出すし、おまけに水面から出ているラインのところでも触ってきたりするから、鬱陶しいことこの上ない。しかし、カマスともちょっとシルエットが似ているこの魚、なぜ一体ジグ単では食い切らないのだろうか?その理由を考えてみた。
釣れない理由は「くちばし」?
サヨリは口に特徴がある。長く伸びた「くちばし」のような形状を持つ。私はこの、くちばしにフッキングできないことから、サヨリは非常に釣りにくいのではないかと思われる。
たまたま以前釣れたサヨリのくちばしをチェックしてみると、こう、上下のあごが噛み合って蓋をするようになっているのでなく、サヨリのくちばしは下だけ長い。カマスのように均等に長い口先を持つのではなく、下あごだけが伸びているのだ。
つまり、つんつんと不明確なアタリが出ているときには、サヨリは、くちばしの下側だけでアタックしてきていることになる。ジグヘッドのハリは上を向いているので、下からつんつんされても、上にかかるところがなければかからない。だから、基本的に釣ることができないのだろう。
これまで私が釣ったサヨリを見てみると、すべて上あごと重なる部分にフッキングしている。やはり口の付け根にフッキングしないと、この魚は釣れないのだ。
どうしても釣りたいなら「アシストフック」
フラストレーション・フィッシュ、サヨリ。筆者はあまり好んで追いかけようとも思わないが、食味は良いし、なかなか独特の引き味もある。アジが釣れるまでの狙い物にしてもいいかもしれない。
ジグ単でノセきる直前までいくなら、「アシストフック」を使うといいだろう。筆者は豆アジように下の画像のようなアシストフックを持っているが、もちろんサヨリにも流用できるはず。
この手の魚は、多少セコくてもハリ数を増やしてスレがかりを狙ってやったほうがいい。触ってきた瞬間にアワセれば、反転した魚の体にアシストフックがかかるはずだ。ある意味、「仕返し」である。
サヨリベイトの魚を狙おう
考え方をかえるのもいい。サヨリはフィッシュイーターたちにとって、おいしいベイトだ。シーバスが捕食者として有名だが、青物もサヨリを食う。サヨリが入っているなら、サヨリを狙うのではなく、サヨリを食う魚を狙ってやるのだ。サヨリには口先が赤いという特徴がある。そのような外見を模したルアーを手に入れるといいだろう。
だが、冒頭にも少し述べたが、サヨリパターンの魚は釣りにくいという話を聞く。シーバスでは最難関と言うアングラーもいるほどだ。ほとほと困らせてくれる魚ではあるが、その分、サヨリパターンの魚や、サヨリそのものを釣り上げたときの喜びも、狙いに定めてみれば大きなものになるかもしれない。
<井上海生/TSURINEWSライター>