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アン ミカ「40代まで完璧を求めていた」自分にも周囲にも期待しすぎた彼女を変えた、夫の言葉

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アン ミカ「40代まで完璧を求めていた」自分にも周囲にも期待しすぎた彼女を変えた、夫の言葉

ポジティブ女王という異名を取り、テレビで見ない日がないほど注目されているアン ミカさん。2024年6月に刊行されて話題になっている日めくりカレンダー『今日もアン ミカ』(講談社)には、私たちの心に刺さる言葉がいっぱいです。そんなアン ミカさんのインタビューでは、「苦手なことがたくさんある」という意外な一面や、夫との爆笑エピソードなど、笑いながらも心に沁みて、今すぐポジティブになれそうなお話をたくさん聞かせてくれました。



ポジティブシンキングに変われたきっかけ



『今日もアン ミカ』(講談社)より


──アン ミカさんは小さい頃、顔の怪我をしたことでコンプレックスがあったそうですね。それが今のようなポジティブシンキングに変わったのは、いつ頃からでしょうか。



アン ミカさん(以下、アン ミカ):階段から落ちて、顔に怪我をしたのは4歳の頃ですね。笑うと唇がめくれ上がるから、友達からお化けって言われたりして。子どもならではの素直さに傷ついて、相手をまっすぐ見ることができず、下を向く癖がついていたんです。そこで母親が「姿勢を良くして。相手の目を見られなくても、胸の目(ハート)で相手を見ること」と教えてくれたのがきっかけです。



母は韓国の人でしたけど、日本語が上手だったので化粧品会社に就職して、花嫁さんに美しい所作を教えるようなセクションに入ったんです。そこで学んだことを家族にも毎日教えてくれるようになって。



──カレンダーの1日目には「和顔愛語」という言葉がありますが、笑顔のこだわりもお母様から教わったことだそうですね。



アン ミカ:母が言うには4つの魔法があって、そのなかでも「笑顔」と「姿勢」は基本でした。口角をちょっと上げておくと怪我のリハビリになるし、微笑んでいると感じのいい子に見える。姿勢は、ピンとして胸の目で相手のほうを見ると、相手にいい印象を与えられる。本当の美人は目鼻立ちのキレイさだけじゃなくて、一緒にいて心地いい人のことをいうのだと母は教えてくれました。



メイクも、昔の三面鏡で母がメイクをしているときに、「なんであちこち見てメイクしてるの?」って聞いたら、人は正面じゃないところから自分の顔をよく見るから、いろんな角度をキレイにするのよって、身だしなみの大事さを教えてくれたこともあります。



3つめの「目線」っていうのがちょっと難しくて。相手と自分の胸の真ん中に道を作って、その間に目線を通すと、心を運んでいるように見えるから、"心運びの目線"。



最後は「会話術」。兄弟が学校から帰ると、母親に寄ってたかって日本語でブワッと喋るから、母が聞き取れなくて。喋る人と聞き手をわけて、喋る人はいわゆる5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)をわかりやすく伝える。聞き手は頷く人、質問する人、共感する人、感嘆する人にわかれる...とロールプレイみたいなことを小さい頃からレッスンしてくれたんです。私はその頃は話すのが苦手だったから、「笑顔で共感したらいいよ」と私の性格に合わせてアドバイスしてくれました。



そういうことを実践していたら、小学3年生くらいになってから友達の親御さんたちに褒められるようになって、「ミカちゃんはいつも姿勢がまっすぐでニコニコして。あなた(友達)も口角上げなさいって言われた」とか、「ミカちゃんならうちに遊びに来ていいって言ってる」って友達に言われるように。学校の先生も褒めてくれて、努力すると大人が褒めてくれるということがひとつの成功法則になりました。子どもの頃に大人から褒められたことって忘れないし、後に職業に結びつくほどですよね。



──なるほど。お母様から教わった「笑顔」「姿勢」「目線」「会話術」という4つの魔法が、今のポジティブなアンミカさんにつながっているのですね。いっぽうで「自分の機嫌は、自分でとる。日々、小さな苦手に一歩歩みよっていこか」という言葉もあって、アン ミカさんでも苦手なことがあるのだなと...。



アン ミカ:いっぱいあります! いろいろなことができないから、このカレンダーで自分を戒めるんです。たとえば...、不安はあんまり持たないタイプですけど、旦那さんにいつも言われるのは「使ったら片づける」「開けたら閉める」。何かしている途中に違うことを思いついて、別の場所に行ってしまうので。標識みたいに書いて貼られたこともあるくらい(笑)。



なのに、私は同じことをマネージャーに注意してるんですよ。「途中までで終わっているから、やっておこうね」と。自分ができていないのに人に言っていることって意外とあるので、このカレンダーを家にも置いて、自分を戒めています。旦那さんはカレンダーを見るたびに「(アン ミカさんが)できてないのに」って爆笑しますけど、「できてないから置いてるんだよ!」と言って(笑)。



「期待」する自分をなかなか変えられない




──仲睦まじいですね(笑)。ご自身を戒めるために、特によく見ているページはありますか?



アン ミカ:あ~。「次行こ!」はできているし、機嫌も自分で取れるほうだから...。これかな? 「勝手に『期待』して怒るのやめとこ。『希望』をもつのはええで!!」。マネージャーさんに対しても、前に言ったからやってくれてるはず...と"期待"してしまうんです。芸能人って自分が商品だから難しいんだけど、してもらって嬉しいことを言うと、わがままに聞こえるんですよね。毎回悩むんですよ、そんなに怒りっぽいほうではないのに...って。同じような悩みを芸能人はみんな抱えていると思う。でも、勝手な話ですからね。相手のことは支配できないし、自分の思い通りにはならないのだから。それに、体調やプライベートで抱えている問題など、相手にもいろいろと事情があるじゃないですか。



人はやっぱり期待する生き物なんだけど、期待を希望に置き換えると、自分の期待の高さと現実の差にショックを受けることがない。結局は自分の問題なんですよね(笑)。



──「期待」を「希望」に置き換えることで、口に出る言葉が違ったり、余分なひと言を言わないようになったりしそうですね。



アン ミカ:そうですね。私もなかなか自分を変えられないのですが、このカレンダーを見て、「また言うてもうた」とか、言ってしまった後の処理ができています。50歳を過ぎているし、ホルモンバランスかなとか、季節のせいかなとか悩むんじゃなく、原因がわかるとラクじゃないですか。後悔や反省をいっぱい残しておくのはイヤなので、自分が悪かったって思えたほうがラクになれます。



──自分がモヤモヤする理由をバシッと言い当てて解消してくれる、そういう言葉が多いような気がします。



アン ミカ:私、本当に完璧じゃないし、カレンダーに書かれていることも全然できていないんですよ。できているのもめちゃくちゃありますけど、半分くらいかな...。最近よく考えるのは「私たちは、死ぬまでずっと中途半端。生きている間は誰もが未完成~!」っていうことですね。



──それは、どのような...?



アン ミカ:40代まで、できないくせに完璧を求めて成長したい病だったんですよ。できないところを自分でめっちゃ細かく見つけては、改善しようと必死で。テレビ番組ひとつとっても、マネージャーに「どこが面白くなかった?」と聞いて、褒められると、「みんなちゃんと見てない。できてなかったことがあるはず」って探しちゃうんですよ。



自分を高めようとし過ぎると、周りにも完璧を求めるんです。自分がこんなに頑張ってるのに、なんでみんなはやってくれないの? っていう言い方になるので、これは不健康だなと感じて、やめました。



──なるほど。やめよう、とスムーズに思えたのでしょうか。



アン ミカ:旦那さんと何でも喋るんですよ。それで、今日あったことを喋ると、だいたい途中で聞くのをやめて携帯をさわりはじめるんです。「ひどい」って言うと「聞いてられない」と。「だってあなた、家のこと全然完璧じゃないのに、よく人のことを...。聞いていて恥ずかしいから、今携帯にお世話になって気を紛らわせてる」って爆笑しながら言われるんです。泣いたこともありましたけど、それでも「面白い。こんなに何もできん人なのに完璧主義と言っていて、恥ずかしい恥ずかしい」って笑われて、バカにされて(笑)。



旦那さんって深刻ぶらないというか、軽やかに生きている人なんで、多分私とのバランスがいいんです。昔、過去の人に「重い」って言われたときは傷つきましたけど、旦那さんに「無理無理無理っす。ちょちょちょっとタイム。エンガチョ。ちょっと逃げさせてください」って走って逃げられたりすると、私まで軽やかになって爆笑するんですよ。



それが「グチはPOPに!」という言葉につながるんですけど。「自分、完璧ちゃうやん」って言われたら腹立つけど、旦那さんがポップにそれを言うので気にならない。カレンダーに書かれているのは全部、自分の心のなかで生きている言葉ですね。



アン ミカさんに3つの質問!



──「今日は五感を満たそう」という言葉のページでは、音、味、感触、色、景色、香りなどの五感を満たすものが紹介されていますね。カレンダーではカラフルな衣装を披露されていますが、アン ミカさんが好きな色を教えてほしいです。



アン ミカ:色は全般的に好きで、その日の気分で着る服を決めます。オーラソーマの資格を取ったときに、からだが疲れているところを色で補おうとすることを学びました。たとえば、黄色やオレンジが気になるときは消化器が疲れているとか、緑が気になると自分のスペースが欲しい時や、心臓に気を付けるなど...。自分のことは自分にしかお世話出来ないので、前日に服を決めていたとしても、当日の朝に「これを着たい」と正直に心やからだが欲する色を着ています。自分に興味を持って、色や香りによって自分を手当てしてあげていますね。



ちなみに服って、相手への思いやりでもあるんです。たとえば寒い雨の日の夕方から友達の相談に乗ることが決まっていたら、黒を着たいと思っていても、相手がずっと黒を見ていると気持ちが沈むかもしれないから、目から入る色がやさしくなるようにピンクのストールを巻いていこうとか。服を選ぶ際にもそういうことをいつも考えていますね。



──好きな食べものは何でしょうか。



アン ミカ:やっぱり旬の食べものが好きです。夏だったら浮腫みを取るもの、秋だったら内臓を潤してくれるもの、冬はからだを温めるもの、春は毒素を出すもの。そのときに食べたくなるのが自然と全部旬のものなんですね。



旬のもののほかに、野菜も大好物で、特に山芋やゴボウ、レンコンなどの根菜を炊いて食べるのがすごく好き。温室で取れた山芋やレンコンをこまめに冷蔵庫に入れていて、パッと味噌汁を作るときがあります。胃腸が弱いので、胃腸にやさしい食べものが自分でわかっているんですよね。みなさんも自分のからだを知って、五感を満たすとより自分を労わることができると思います。



──「毎発ネット」の読者には、人間関係で悩む人も多いと思います。たとえば、自分の過ちから疎遠になった人に対して、なかなか素直になれないとき、アンミカさんならどうしますか?



アン ミカ:素直になるしかないですね。自分の過ちで素直になれないのなら、迷惑がかかっているのは相手のほうなので。これからも付き合っていく相手なら、うまくごまかして付き合っていても自分が苦しいし、相手にも失礼。「ずっと言いそびれていたけど、ほんとごめんね。大人なのにね」って伝えたほうが、いいお付き合いが長く続くと思います。どこかで素直にならない限り、解決方法はないと思いますよ。



──最後に、ポジティブに生きる楽しみとコツを教えていただけますか?



アン ミカ:私もできてないときが多いんですけど、「感謝」に立ち返ることです。言い過ぎたなとか、思い込み過ぎたなっていう後悔や反省はありますけど、それに気づいて、自分の言動に手を当て、素直になって自分に戻る。人ってみんな天使の心と悪魔の心をあわせ持っていて、その2つをジグザグと行き来しながら生きてる。完璧な人なんていなくて、修行して悟りを開いたお坊さんだってみんなブレていると私は思うんですよ。ブレているなかでも、戻る場所があるかないかで、心の持ちようは変わってくる。私の場合は、素直な自分に戻るきっかけになるものが「感謝」。



今はお仕事で忙しくさせていただいて、応援してくださる方もいるけど、それが当たり前ではない時代もいっぱいあって。今の状況がありがたいことだって思えると、あの時言い過ぎたかな、考え過ぎたかなって思うことに対して、「ごめんね」「ありがとう」と言える。感謝がないと、私ばっかり...っていう被害者意識が生まれてしまいますよね。被害者意識って頭のなかで加害者を生んで、その人のせいにする心グセがつくので、自分の成長をも阻んでしまうんです。



人生ブレながらも、感謝に立ち返るのがひとつのポジティブの基盤です。私もそうですけど、両親が早くに他界されている人だったら、「親が見て恥ずかしいことをしないでおこう」とか、みなさんが自分なりの戻る基盤を持てば、素直でポジティブな自分に戻れるのかなと思います。



取材・文/吉田あき 撮影/後藤利江

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