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ソフトバンクはこのまま抜け出す?柳田悠岐・山川穂高・近藤健介の超強力クリーンアップが止まらない理由

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ソフトバンクの柳田悠岐・山川穂高・近藤健介,ⒸSPAIA

打率は柳田悠岐、本塁打と打点は山川穂高がリーグトップ

開幕から1カ月が経とうとしているプロ野球。パ・リーグはソフトバンクが4月4日から首位を譲ることなく快走している。

14勝6敗2分けの勝率.700で2位・日本ハムに2.5差。投げてはリーグ最少の54失点にリーグトップのチーム防御率2.37、打ってはリーグ最多の96得点にリーグトップのチーム打率.258だから強いのも当然だ。

中でも目立つのが柳田悠岐、山川穂高、近藤健介のクリーンアップトリオ。ここまで柳田が打率.333(リーグ1位)、1本塁打、18打点(同2位)、山川が打率.233、5本塁打(同1位タイ)、27打点(同1位)、近藤が打率.312(同3位)、4本塁打(同3位タイ)、15打点(3位タイ)と軒並み打撃成績上位にランクインしている。

4番・山川効果?で四球増加の柳田悠岐

3番で起用されている柳田はプロ14年目、10月で36歳になる。2015年に打率.363、34本塁打、32盗塁でトリプルスリーに輝き、昨季も163安打で最多安打のタイトルを獲得。30代に入ってからは盗塁数こそ減っているものの打棒は衰えを見せていない。

バット以外で目立つのが四球による出塁だ。22四球は2位の同僚・近藤健介に5差をつけてリーグ最多。「出塁率-打率」で算出し、四死球によってどれだけ出塁したかを示す指標「IsoD」も.157と規定打席到達者で1位となっている。

元々、選球眼は悪くないが、IsoDは昨季が.079、2022年が.070、2021年が.087。今季はまだ打席数が少ないとはいえ、大幅に良化している。やはり後ろに新加入の長距離砲・山川が座っていることで、無理に振らずじっくり見極められるのは大きいだろう。出塁率も驚異の.490をマークしており、もちろんリーグ1位となっている。

22試合で27打点の山川穂高

4番の山川は西武からFA移籍したプロ11年目の32歳。過去3度の本塁打王に輝いたスラッガーは、4月13日の西武戦で2006年の二岡智宏(巨人)以来2人目となる2打席連続満塁アーチを記録するなど存在感を放っている。

22試合で27打点を荒稼ぎしており、2位・柳田悠岐に早くも9点差。5本塁打もセデーニョ(オリックス)と並ぶトップで二冠王へエンジン全開だ。

「長打率-打率」で算出し、純粋な長打力を示す指標「IsoP」はリーグトップの.244。本塁打を記録するまでにかかる打数を表す指標「AB/HR」はセデーニョに次ぐ17.2となっている。

ストライクゾーンを9分割したコース別打率と打球方向データは以下の通りだ。


これだけ打撃傾向が顕著な打者も珍しい。まずスイートスポットは打率.667の内角ベルトラインと打率.364のど真ん中。逆に苦手は内角低めと高めで、1本も安打を打ってない。

打球方向もレフトと左中間を合わせて68%。センター方向も17%のため、ほぼ引っ張り専門であることがデータからもよく分かる。

当然、相手投手は苦手コースを攻めたり、得意コースから少し外したり工夫するため打率は低くなるが、失投を逃さずに仕留めていることが5本塁打、27打点につながっているのだろう。

穴のない“ラスボス”近藤健介

5番・近藤も相変わらず好調だ。日本ハムからFA移籍した昨季は本塁打王(26本)、打点王(87打点)、最高出塁率(.431)の3冠に輝き、打率(.303)もリーグ2位と文句のない成績だった。

今季もほとんどの項目で上位に名を連ねている。ストライクゾーンを9分割したコース別打率と打球方向データを見ると、山川と対照的に高いレベルでバランスが取れていることが分かる。


打率3割以上を示す赤色が散らばっており、逆に打率2割未満の青色は外角高めのみ。穴の少ない巧打者であることが分かる。

打球方向もライトが25%で最多とはいえ、レフト方向も22%と多く広角に打ち分けている。バットコントロールのうまい打者が右にも左にも打て、オーバーフェンスするパワーも兼ね備えているとなると、相手投手は攻め手に困るだろう。

5番に近藤がいるからこそ4番・山川で勝負せざるを得ない場面も出てくる。近藤という“ラスボス”の存在が、前を打つ柳田、山川にも好影響を与えていることは間違いない。ソフトバンクのクリーンアップトリオは相互に補完し合いながら好成績を残しているのだ。

しかも、ここのところ家庭の事情で欠場していた周東佑京も打率.316(リーグ2位)、8盗塁(同1位)、牧原大成も打率.288(同7位)、今宮健太も.282(同9位)と脇役陣も好調。打線は水物と言うが、強いソフトバンクがこのまま抜け出しても決して驚けない。

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記事:SPAIA編集部

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