【相模原市南区】南消防署 引揚救助、19年振りの全国へ 初の女性救助隊員も
南消防署の高度救助隊5人が、7月18日に神奈川県消防学校で行われた「第53回消防救助技術関東地区指導会」引揚救助の種目で3位となり、8月30日(土)に兵庫県で開催される全国大会への切符を手にした。相模原市として同種目で全国出場は19年振り。初めて女性救助隊員も出場する。
引揚救助は崖や山、工事現場などで転落者を救助する想定で行われる。救助者役4人と要救助者1人の5人で編成され、地上から7mの高さまで要救助者を引き揚げ、速さと安全性を競う。
県と関東の選考を経て全国大会へ出場できる。相模原市は10年以上、関東大会出場でとどまっていた。
メンバーは長谷川貴洋さん(35)、佐々木捷斗さん(31)、小島瑞生さん(31)、大谷直樹さん(29)、福永雅子さん(27)。4月にチームを発足し、全国大会に向けて練習を重ねてきた。2番目に若い大谷さんは「どの部隊よりもメリハリを持って練習している自信がある。雰囲気が良いので、意見も言いやすい」とチームワークの良さについて語る。
佐々木さんと大谷さんは津久井消防署に勤務していた4年前から引揚救助で全国大会を目指していた。当時同署では引揚救助の訓練施設が整っておらず、充分な練習ができないため出場が認められていなかった。佐々木さんは「環境に恵まれていなくても挑戦したい」とあきらめず、その熱意に打たれた同署の先輩が署を説得し、出場が実現した。佐々木さんと大谷さんは南消防署に異動になったものの、念願の全国大会出場となった。
たくさん学んで
福永さんは女性救助隊員として初めての出場。メンバー全員が大会出場経験者でさまざまな学びが得られ、救助隊での活動にも役立つと参加を決めた。
要救助者の体重は65kg以上の規定があり、福永さんは規定に満たないことから毎回7〜10kgの重りを付けて出場する。「最初は重りがあるのが大変だったが、今はもう慣れました」と笑顔を見せた。
全国大会へ向け、福永さんは「緊張しすぎず、やるべきことをやって楽しみたい」と意気込む。