まほろばの里、高畠
令和6年10月6日(日)。僕は旅に出た。ずっと住んでいる土地というのは、良さがあったとしても、当たり前すぎてそれらの良さに住んでいる住人は気づきづらい。なので今回は僕が住んでいる山形県という土地を改めて見つめるために、電車に乗ってちょっとした旅に出たというわけだ。
今回の舞台は、山形県高畠町。さてどんな出会いがあるのだろう?
高畠町とは?
今回の舞台は、山形県高畠町。より限定して高畠駅の周辺とした。理由としては、個人的に高畠ワイナリーに約31年、生まれてこの方行ったことが無かったため、「ワインを味わいたい!」という思いがあったためだ。
ここで高畠町について軽く説明しておく。高畠町は山形県の内陸部の南のほうに位置している。高畠町を県外の知人に紹介する時は「まほろばの里 高畠」と紹介する。この「まほろば」というのは、もともと古事記などで見られる表現の「まほら」というものからきており、この意味は「丘、山に囲まれた稔り豊かな住みよいところ」というものだ。それほど、高畠町は自然に囲まれ、果物が有名な土地なのだ。
高畠駅に降り立つ
そうこうしているうちに、高畠駅についた。到着するととても静かな印象を受けた。
さて、駅舎へ入って目的地を目指すかと思ったその時、太陽館なる文字を見つける。なんだろう太陽館と思っていたら、一緒に来ていた友人F君が「ああそれは温泉だよ」と教えてくれた。なんと高畠駅には温泉が併設されているのだ。F君は古くからの友人で、日帰り温泉に浸かることを趣味としている。なので、よく知っていたというわけだ。
もうこの段階で、良い点を見つけた。それは、旅をしていて周辺をまわり終えたら、温泉につかって汗を流せるという点だ。流行り?のいわゆる「ととのう」ことが可能なのだ。
高畠ワイナリー
高畠ワイナリーは、高畠駅から徒歩15分のところにある。到着するとF君がてくてくと歩き出した。彼はたびたびこのワイナリーに来ているが、いつも運転手だったため呑むことができていなかったそうだ。なので私よりも呑みたい意思が強かった。
ワイナリーではワインの販売もしているが、そこでワインを味わうことができた。そこで私はワインとペペロンチーノを味わった。ワインの芳醇な香りとペペロンチーノの辛味がマッチしていて美味しかった。ワインの写真を撮るのを忘れていたので、ペペロンチーノの写真を置いておく。ぜひ読者の皆さんにはここを訪れて楽しんでもらいたい。
あれっ? これなんだ!?
高畠ワイナリーを後にし、高畠駅に着いた。さて電車に乗って帰るかと思ったら、気になるものを発見した。それがこれだ。
「座標Aと座標N」と書いてあるが、それだけではこれがどういうものかわからない。この謎なものが何なのか解明したくなった。周辺をよく見ると他にも謎なものが……。
これもなんなんだろう? と不思議に思っていると、ミュージアムなどで見かけるキャプションが側面ついていることに気が付いた。
なるほど。展示や作品という言葉がこのキャプションに登場するということは、これらは何かの展示物なのだなということが推察できた。そして②という数字が入っているということは、他にも作品があるに違いない。そう思った私は、乗るはずだった電車の時間を遅らせ、周辺を歩いてみることにした。
高畠駅の西側にはドラッグストアやコンビニ、書店があることはマップで見て、わかっていたためとりあえず書店に行ってみた。すると、書店のカフェスペースで人だかりができていた。そこにはこんな感じのパンフレットがおいてあり、そのわきにはガチャガチャがあった。
この「辺藝」という企画は2022年から始まり、2024年に至ったそうで、「『わからないから面白くない』から『わからないから面白い』へ変わっていく」をコンセプトに行っている展示だそうだ。
確かに駅前で作品を観たとき、わからなかったけど、興味をすごくそそられた。アートって何か難しい知識がたくさんないと理解できず、すごく高尚なイメージがあったけれど、今回これらの作品に出会って「わからなさ」を肯定してもらえた気がした。じゃあその「わからなさ」どんどん見つけよう、そう思って他にも展示があるとわかったので、書店のまわりをひとまわりしてみた。するとたくさんの「わからないけど、面白い」に出合った!
写真に撮った作品は以上だけれど、まだまだ作品があってとても楽しめた。途中からは意識して写真をあえて撮らなかった。自分の心の中にその「わからないけど、面白い」が残れば良い気がした。
以上で今回の旅は終わった。ワインだけでなく、素敵な活動にも出合えた、小さいけれども素敵な旅だった。今回発見した「辺藝」は今後も活動していくそうなので、皆さんもぜひ高畠町を訪れて、その開催のたびに「わからなさ」を体感してほしい。