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優勝争いを左右する?セ・リーグのクローザー比較 広島・栗林良吏まさかの大炎上

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巨人・大勢と広島・栗林良吏,ⒸSPAIA

完封リレー目前で1死も取れず4四死球降板…

セ・リーグの天王山と言われた広島と巨人の首位攻防第2戦(マツダスタジアム)が行われた9月11日は、2024年シーズンのターニングポイントとなるかもしれない一戦だった。

広島が2-0とリードして迎えた9回、ベンチは当然のようにクローザー・栗林良吏を投入。先発のアドゥワ誠が6回無失点、2番手のハーンも2回無失点に抑え、栗林が無失点で締めれば完封リレーが成立する展開だった。

しかし、それまで37セーブを挙げていた絶対守護神はいつもと違った。代打・中山礼都、丸佳浩に連続四球、坂本勇人の安打で無死満塁のピンチを招き、吉川尚輝に押し出し死球。さらに岡本和真に左前タイムリーを浴びて同点に追いつかれると、モンテスにも押し出し四球を与え、1死も取れず2安打4四死球で降板した。

後を受けたリリーフも打たれて、この回だけで9失点。結果的に栗林は6失点で5敗目を喫し、チームは首位攻防戦に連敗した。

甲子園でもリリーフ陣が明暗を分けた。3-3の同点で迎えた8回、阪神はゲラを投入したが、桑原将志に4号ソロを被弾。DeNAはウェンデルケンと森原康平が残り2イニングを無失点に抑え、4-3でDeNAが勝利した。

阪神は勝っていれば2位浮上していただけに痛い敗戦。逆にDeNAはクライマックスシリーズ進出に向けて希望をつないだ。

8月の防御率0.00だった巨人・大勢

大混戦が続くセ・リーグ。今後はひとつのミスが命取りとなり、接戦や勝てる試合を確実にものにできるかが勝負を分ける。

そういう意味ではクローザーの働きは極めて重要だ。セ・リーグ各球団のクローザーの今季成績は下の通りとなっている。


首位・巨人にとって大勢の存在は心強い限りだ。右肩痛で5月から2カ月近く抹消されていたものの、7月は10試合で1勝8セーブ、防御率0.90、8月は11試合で7セーブ3ホールド、防御率0.00とほぼ完璧な火消しを見せている。ここまで36試合で1勝2敗24セーブ4ホールド、防御率1.06と上々の成績だ。

広島・栗林良吏は56試合で5敗37セーブ11ホールド、防御率1.94。ルーキーイヤーの自己最多セーブに並んでおり、最多セーブのタイトル争いでも中日・マルティネスと激しく争っている。11日に6失点した精神的ショックが気掛かりだが、ペナントレースを制するためには不可欠な存在だ。

ダブルストッパーの阪神は岩崎優が53試合で3勝4敗21セーブ15ホールド、防御率2.50、ゲラが50試合で4敗12セーブ26ホールド、防御率1.84をマーク。ただ、日本一に輝いた昨季はブルペン陣が万全だったが、今季は11日のようにやや心もとないことが、3位にいる要因のひとつと言えるだろう。

DeNAは森原康平が50試合で2勝6敗24セーブ9ホールド、防御率2.66。負け数がやや多いものの、懸案だったクローザーを固定できていることは頼もしい限りだ。

マルティネスは2年ぶり最多セーブ狙う

中日・マルティネスは54試合で1勝3敗38セーブ7ホールド、防御率1.04。2年ぶりのタイトルに向けてセーブを積み上げている。

ヤクルトは昨季33セーブの田口麗斗が今季は1勝3敗7セーブ10ホールドにとどまっており、クローザーを固定できていない。高津臣吾監督の考えあってのこととはいえ、最下位に低迷している現状を見ると、やはり新クローザーの出現が待たれる。

投手の分業制が進んでいる現代野球では、いわゆる勝ちパターンを作った方が采配のズレや迷いもなくなる。残り少なくなった2024年シーズン、クローザーの出来がペナントレースを左右する可能性も十分にある。

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記事:SPAIA編集部

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