3人家族の《リアル家計診断》賃貸生活から抜け出したい……。頭金の準備は必要ですか?【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな家計簿を大公開。家計簿の収入と支出の内訳から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【3人家族】
【リアル家計簿】3人家族の場合
家族構成
夫……会社員
妻……専業主婦
子……幼稚園(3歳)
【相談内容】賃貸暮らしなので将来的に持ち家を検討しています。頭金の準備はもう始めた方がいいですか?また、夫が収入保障保険に入るべきか悩んでいます。
解説するのは……
◆青山かえ
FP2級・日商簿記2級・整理収納アドバイザーを保有するWebライターです。
7年の投資経験を活かし、NISA・iDeCo・暗号資産についてわかりやすく解説します。
家計バランスは良好。住宅購入へ向けた備えと保障の最適化を
GOODポイント
相談者さんの家計は、非常にバランスよく整っています。とくに注目すべき点は以下の項目です。
・水道光熱費……10,000円(平均23,580円*)
・通信料……11,000円(平均14,572円*)
・食費……70,000円(平均103,000円*)
全国の3人世帯(勤労世帯)平均と比較しても多くの項目が平均以下であり、家計の引き締めに成功されている様子がうかがえます。
ご家族全員でNISAを利用して資産形成を進められている点も、将来に向けた素晴らしい備えとなっているでしょう。
*……参考:総務省「家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯」
気になる支出項目をチェック
注目したいのは、特別費として計上されている旅行宿泊代10万円です。
旅費にマイルを活用されている点は非常に上手な工夫ですが、宿泊費だけで10万円は家計にとって大きなインパクト。
特別費とはいえ、旅行関連の出費は年1〜2回までに留めると家計全体のバランスをより整えやすくなります。
あるいは収入の5〜10%を上限に年間予算を決めるなど、計画的に使える体制を整えるのがおすすめです。
住宅購入に向けた備えと保険の見直しを
将来的に持ち家購入を考えている場合、頭金として年100万〜200万円の準備を目標にすると安心です。
現在の支出状況を維持しつつ、特別費などで見直した分を頭金専用の口座に積み立てると良いでしょう。
また、収入保障保険については、持ち家購入までは加入を検討する価値があります。
団信は住宅購入後の保障となるため、今の時点では世帯の生活を支える収入が止まるリスクに備えておくのが堅実です。
掛け捨てタイプなら保険料も抑えられ、万一への備えとしてバランスが取れます。
NISAの積み立て増額や出口戦略の検討を
NISAでの積み立て投資は素晴らしい取り組みです。
そのうえでご夫婦の非課税枠に余裕があれば、積み立て額の増額も有効な選択肢になります。
また、お子様のNISA運用については、今後高校や大学進学が近づいてきたらリスク資産から安全資産(預金・個人向け国債など)へのシフトも検討しましょう。
時間をかけて増やしてきた資金を確実に使いたい時期に備えるなら、出口戦略を意識すると安心感を得られますよ。
まとめ
・支出は全体的に平均以下で、堅実な家計管理ができています。
・住宅購入を見据え、月1〜2万円の頭金積み立てを始めましょう。
・万が一への安心のためには、収入保障保険への加入がおすすめです。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。