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名手が解説する【エリアトラウトの楽しみ方】 魚を「擬人化」すると分かりやすい?

TSURINEWS

礒野寛之(提供:週刊つりニュース関東版 礒野寛之)

みなさんこんにちは、礒野寛之です。近年、さらに熱量が増して盛り上がっているエリアトラウトフィッシング。その背景には新たなタックル開発にも連動して、釣り方の開拓も大きく影響している。でも情報量が多く、どのように魚との距離感を縮めていくか…迷ってしまう人も多いはず。そんな時に勧めたい考え方があるので、紹介したい。

魚を「擬人化」してアプローチ

それは、魚を「擬人化」させるという考え方。

私たちの世界での、目覚めの布団での話で例えてみる。目覚めてすぐなのでそんなに食欲もなく、眠いし布団から出たくない…。でも実はとっても元気。魚を実際に見ていると、そんな雰囲気を感じさせることがある。反転したくない、近くをのんびり泳いでいたい…。

そんな眠い時に枕の横にそっとポテトチップスを置いておくと…一枚一枚つい食べてしまう。魚の世界でも、ルアーによっては思わず食べてしまうようなこともある。そんなときに使う私のお勧めはダンゴウオという小さなクランクベイト。

逆に目覚めのタイミングとは違い、お腹が空いていて、すぐにでも外出できる状態の時を考える。食事時になって、カツ丼や焼肉を食べに行きたい…。魚の世界では放流直後や活性の高い個体に、これと同じことが言える。なんでもいいわけではなく、その時の好みに刺さるものに対してよりテンションが上がって、スイッチが入ってくれる。ガツガツ食べたい時にヘルシーなものだとスイッチが入り切らない…みたいな。

黎明期からエリア業界を知る礒野寛之(提供:週刊つりニュース関東版 礒野寛之)

ルアーをカロリーに見立てる

ルアー釣りは、先述したような極端な例だけではうまくいかないところがあり、それが奥深くて面白い。魚に合わせて、「適切なアピールとは何か」、「同じルアーでもどのようにアプローチするか」など”自分なりに仮説を立てながら”考えることが、より釣りの楽しさにも繋がってくる。ルアーやそのアプローチを「カロリー」として考えてみるのも面白い。

人間の世界と魚の世界を繋げて考えてみると、自分だけの魚の導き方を覚えることができて、より楽しめるのではないかと思っている。

エリアトラウトの基本のタックル

ロッドは6ft前後のものがさまざまな釣りに対応しやすく、迷ったらこの長さがお勧め。

ロッドは6ft前後が対応しやすい(提供:週刊つりニュース関東版 礒野寛之)

リールは2000番クラス。ギヤ比はまずノーマル(一回転60cm程度巻き取れるもの)がいい。「この釣りに特化させたリールがほしい!」となれば、ハイギヤも有効な選択肢となる。

エリアトラウトタックル図(提供:週刊つりニュース関東版 礒野寛之)

ラインの素材は大別すると「ナイロン」、「フロロ」、「PE」、「エステル」に分けられる。それぞれは適材適所で使い分けるが、まずライン自体の扱いにも慣れていないならナイロン3lbから試してみることを勧める。そして、慣れてきたらエステルラインの世界を味わってほしい。戻れなくなるほどにやみつきになるはず。

ラインは適材適所で使い分け(提供:週刊つりニュース関東版 礒野寛之)

オススメのノット

正直な話、どのノット(結び方)でもエリアトラウトの釣りでは十分な強さにはなると思う。それよりも大事なのは「どんな時でも安定してきれいに結べること」。これなら安定してきれいに結べそう!というノットを探してみてほしい。

私がお勧めするのは「ハングマンズノット」。暗い時でも寒くて手がかじかんでいる時でも慣れればサッと結びやすい。結び変えることが苦になりづらいため、ラインの状態を常に良好に保てる。多くの著名アングラーも活用している結び方となる。

エステルラインに挑戦してみたい、という人はフロロのリーダーを20~30cmくらいでいいので付けて対応。結び方はトリプルサージェンスノットでOK。キャストの時にその結び目が竿先よりも外側に出るようにしてあげると、ライントラブルも回避できる。

ハングマンズノットの結び方(提供:週刊つりニュース関東版 礒野寛之)

表層に魚が見える場合のルアー選択

エリアトラウト用のルアーさまざまな種類、サイズ、カラーがある。まだこの釣りに慣れていないなら、どのようにチョイスしたらいいかわからなくなるかもしれない。そこで今回は「魚が表層に見える場合」に対しての私なりの釣り方を提案する。

まず表層に浮く魚に対してトップウォータープラグを投げてみよう。その理由は「どのように追うか」、「食うか食わないか」、「どのように食うか」などを目視で素早く確認ができるから。たとえ水面には出てこなくても、一段下に沈む魚がどのようなものをほしがっているか、想像できる。お勧めのルアーはパペット・サーフェス。

浮く魚にはトップウォータープラグを試そう(提供:週刊つりニュース関東版 礒野寛之)

それらの情報が得られてから、少しずつ水深を落としていっても遅くはない。魚にとってベストな誘う水深、スピード感、動きの緩急の有無など、いろいろな要素を考えながらそれに合うルアーをチョイスしながら試してみよう。

カラーはどちらかと言うと、最後の決め手となる要素。カラー先行で釣りを組み立てると、魚にとって都合のいい食わせ方に導けない場合も出てくる。まずは魚の動きを観察することから始めてみよう。

お勧めルアーはパペット・サーフェス(提供:週刊つりニュース関東版 礒野寛之)

礒野寛之プロフィール

11歳でエリアトラウトを始め、30代前半の若さながら黎明期からのエリア業界を知るベテランアングラー。エリアトーナメントでの上位入賞も数知れず。現在は老舗ルアーメーカーのスミスで製品開発をおこなうかたわら、LIVRE、ストリームトレイル、 サンライン、オーナーばり、ZEQUE by ZEAL OPTICSでも開発&テスターとして携わっている。

<週刊つりニュース関東版 礒野寛之/TSURINEWS編>

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