戦時中、メディアは戦況をどう伝えていたのか?
第二次世界大戦時、ラジオはどのように戦況を国民に伝えていたのか?8月13日「長野智子アップデート(文化放送)」では、『ラジオと戦争 放送人たちの「報国」』という本の著者で元NHKディレクターの大森淳郎に話を聞いた。
長野「戦前、戦中、通信社から送られてくる原稿をNHKが書き換えていた…。これはどういうことなんですか?」
大森「本来、通信社から来る原稿っていうのは書き言葉なんですよ。ラジオですから話し言葉に直すっていうのはあるんですよね。書き言葉を話し言葉に直していたんだよっていうふうにこれまでずっと言われてきたし、信じられてきたんですけれども、実際に残されたニュース原稿を見ると、どう書き換えたのかが検証できるんですね。それをしてみると、必ずしも書き言葉を話し言葉に直していっただけではなくて、より国策に沿った形に、どうすれば国民に訴えることができるかっていうことを頭に入れながら書き直しているんですよ。実際に当時の報道部の方々が放送研究史に色んな意見を載せているんですけど、一様に言うのは『ニュースっていうのは客観的であってはいけない。国家的主観を盛り込まなきゃいけない。そのことによって国民を戦争に導くのである。それがニュースの役割である』っていうふうに当時の報道の方々は書いています」
長野「まさにプロパガンダをメディア自らが自主的にやっていたっていうこと?」