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犬が便秘になる原因とは?対処方法や便秘改善に役立つ食べ物を専門家が紹介

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犬が便秘になる原因とは?対処方法や便秘改善に役立つ食べ物を専門家が紹介

愛犬が1日以上排便をしなかったり、排便の姿勢をとっても出なかったりする姿を見たことはないでしょうか。
犬の便秘は放っておくと大腸が伸びきった状態(巨大結腸症)になってしまうこともあります。巨大結腸症になると、腸が便を外に排出する運動ができなくなるため、便秘のほかにもさまざまな症状が現れます。

犬が便秘になる原因

健康な犬であれば、少なくとも1日に1回は排便があります。子犬は成犬よりも排便回数が多くなります。成犬の場合、何らかの原因で丸2~3日以上排便がないと便秘の可能性があります。
また、排便があっても量が少ない、排便の体勢をとっても便がでないという場合も便秘と判断されることがあります。

犬はなぜ便秘になってしまうのでしょう。ここからは、犬が便秘になる主な原因を紹介します。

食事や水分不足によるもの

便秘と食べ物には深いつながりがあります。食べ物が原因の便秘は、以下が考えられます。

・フードが合っていない
・総合栄養食を食べていない
・食物繊維の摂りすぎ
・消化に良くないものを食べる(自分の毛や砂など消化できないもの)
・水分不足

フードを変えてから便秘になった場合は、フードが合っていない可能性があります。また、おやつや人間の食べ物ばかり食べて総合栄養食をあまり食べない場合も、腸内環境が乱れ便秘になる原因です。

食物繊維は便秘に良いイメージがありますが、たくさん摂れば良いというわけではありません。食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、2種類をバランスよく摂取することで便通改善の効果が期待できます。しかし、どちらか一方のみ多く摂取してしまうと、逆に便秘になってしまうことがあります。
また、犬は食物繊維の消化を得意としないため、多く摂取すると消化不良になり便秘や下痢の原因に繋がります。

水分不足も便秘になる一因です。食物繊維は水分を含むことで便を柔らかくしたり便を膨らませて排便を促したりします。体内の水分が足りないと、便が硬くなり便秘の原因になります。水分が足りないと、食物繊維が十分な働きができず、便秘になってしまうことがあるのです。

ほかにも、消化の悪いものや消化できないものを食べることでも便秘になることがあります。

運動不足によるもの

運動不足だと消化器官の働きが悪くなり、便秘に繋がります。
また、運動不足になると排便を促す自律神経が乱れ、便秘になることがあります。

加齢によるもの

歳をとり筋力が低下すると、排便をするのに必要な筋肉が低下し、便秘になりやすくなります。

生活環境によるもの

・トイレの場所が気に入らなかったり汚れていたりする
・外でしか排泄をしない習慣をつけてしまう

など、トイレの環境が不十分だと犬は排便を我慢してしまうことがあり、結果的に便秘に繋がります。

内服薬によるもの

病気の治療などで飲んでいる内服薬の中には、副作用として便秘になることがあります。
内服を開始してから便秘の症状がみられた場合は、獣医師に相談してみましょう。

こんな症状がある場合は病気を疑う

便秘のほかに、

・元気がない
・食欲がない
・嘔吐する
・排便時に痛そうにしている
・お腹がぱんぱんに張っている
・排泄したそうにしても排便がない

などは、病気の可能性があります。
便秘が症状としてみられる病気は肛門周辺の炎症、直腸内の異物、直腸脱、腫瘍、骨盤骨折などが該当します。
上記の症状がある場合は、様子を見ずに動物病院を受診すると安心です。

自宅でできる便秘の対処方法

愛犬が便秘になってしまったら、飼い主さんはどのようなケアをすれば良いのでしょう。ここでは、自宅でできる便秘の対処方法を紹介します。

ドッグフードや飲水量を見直す

ドッグフードを変えた場合は、元のフードに戻してみましょう。また、ドッグフードに含まれている食物繊維の量も確認してみましょう。パッケージの裏面に成分が記載されています。一般的に食物繊維は、総合栄養食の5%程が目安です。食物繊維が多ければ良いというわけではありませんが、少なすぎる場合はドッグフードを見直してみるのも良いでしょう。

積極的に運動をさせる

運動不足は便秘の原因になりがちです。特に小型犬は毎日散歩に連れていかない飼い主さんも少なくありません。
健康な成犬であれば、小型犬でも毎日の散歩は必要です。運動をすることは腸への刺激になり、便通改善の効果が期待できます。

また、散歩は犬にとってストレス発散になるため、自律神経が整うことでも便秘が改善されることがあります。
ほかにも、家の中でも一緒に遊ぶ時間を設け、積極的に体を動かす習慣をつけることも便秘の予防に繋がります。

生活環境の見直し

トイレが汚れていたりトイレの場所が落ち着かない、外でのみ排泄する癖があったりするなど、トイレの環境が整っていないと、犬は排泄を我慢してしまうことがあります。排便を我慢することは、便秘になる要因です。トイレは常に清潔に保つことや、落ち着いて排泄ができる場所にトイレを設置する、家の中でも排泄ができる習慣をつけるなど、愛犬がトイレを我慢しないような環境を整えることも便秘の対策として大切です。

犬の便秘改善に役立つ食べ物紹介

犬の便秘は、食べ物でも予防や改善の効果が期待できます。
ただ、逆に便秘を促してしまう食べ物もあるので注意が必要です。犬の便秘に良くない食べ物は、たんぱく質が多い肉類や、脂質の多い食材です。これらは悪玉菌が増えてしまい、便秘の原因に繋がります。犬は肉食寄りですので、基本的に肉が主食になりますが、おやつや人間の食べ物をなどで過剰摂取にならないよう注意が必要です。

便秘解消に良い食べ物は、キウイフルーツやリンゴ、無糖ヨーグルトなどです。注意点としては、たくさん与えれば便秘が改善されるわけではないということです。過剰摂取にならないよう、食べさせる際は1日の摂取カロリーの10%を目安に与えるようにしましょう。

ここからは、キウイフルーツやリンゴ、ヨーグルトなどがなぜ便秘解消に良いのかを説明します。

キウイフルーツ

キウイフルーツには、水溶性食物繊維であるペクチンが豊富に含まれています。ペクチンは腸内で水分を含むことで、便を柔らかくする働きがあります。便が硬い便秘に効果が期待できます。また、キウイフルーツに含まれる有機酸は、腸内の悪玉菌を制御し、善玉菌を増やす働きが期待できます。

リンゴ

リンゴには、水溶性食物繊維ペクチンが豊富に含まれています。ペクチンは腸内で水分を含むことで、便を柔らかくする働きがあります。便が硬い便秘に効果が期待できます。また、リンゴに含まれる食物繊維は、腸内の悪玉菌を制御し、善玉菌(ビフィズス菌)を増やし腸内環境を整えることで便通を改善する働きが期待できます。

ヨーグルト(無糖)

ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌には、腸を刺激し、ぜんどう運動を活発にすることで便通改善に効果が期待できます。犬にヨーグルトを与える際は、砂糖や味付けのない無糖でプレーンのものを選びましょう。

犬の便秘は食べ物や生活環境を見直すことが大切

犬の便秘の原因は、食べ物や水分不足、加齢、生活環境、内服薬によるものが考えられます。また、病気が原因で便秘になることもあります。自宅でできる便秘対策としては、食事や飲水量の見直し、運動をさせる、生活環境を見直す、便秘に良い食材を与えてみるなどがあります。

便秘は愛犬にとっても辛いものです。愛犬の便秘の予防や改善にぜひ本記事を役立ててくださいね。

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