読書の秋へ向けて「本」の準備はOK? 栄町の選書が光る本屋さん『1003(センサン)』に行ってきました 神戸市
残暑厳しい夏ですが、秋の季節はすぐそこですね。この秋は、新しい価値観に出会えるような読書を楽しんでみたいと思い、栄町にある本屋『1003(センサン)』(神戸市中央区)に行ってきました。
お店があるのは栄町エリアに佇むレトロな東方ビルの5階。
ビルの入口には「1003」と書かれた小さな看板が置かれていました。階段かエレベーターで5階まで上がると、お店はすぐ目の前です。
擦りガラスの扉の向こう側には「どんな本に出会えるかな?」とわくわくするような空間が広がっていました。
2020年に今の場所に移転したそうで、独自の視点でセレクトされた新刊、作り手のこだわりを感じるリトルプレス、古本などを取り扱っています。コンパクトな空間ながら、音楽や映画、国内や海外の旅、文学やエッセイ 、本や本屋にまつわる本など、多彩な本が並び、店主の奥村さんが今関心を持っているという「ジェンダー」に関する本も充実しています。
1冊1冊じっくりと目を留めているうちに、どんどん本の世界に引き込まれていきます。自分のこれまでの価値観を、気持ちよく更新してくれそうな内容の本が並んでいます。
「気になる本を自分で選んでほしい」との願いから、本にポップはつけていません。大型書店とは一味違った、自分の興味がある本、いつも来てくれるお客さんの顔が浮かぶ本をセレクトしているといいます。
そんな店主奥村さんのイチオシ本はこちらの3冊。
『写真集 13』は、秋葉原のホステルに滞在し、外国人旅行者や周辺で出会った人たちのポートレイトを撮影した一冊。45人もの人達の姿やインタビューから、秋葉原という街の輪郭が見えてきます。
『神戸、書いてどうなるのか』は、神戸在住のロック漫筆家・安田謙一氏がずっと見てきた、ガイドブックには載らない神戸本。「神戸に住んでいても発見がある」というこの本を持って神戸の街を巡るのもきっと楽しいですよ。
梶谷いこさんの『細部に宿る』は、「テーマの切り取り方が面白いところや、梶谷さんの食べ物に関する描写が好きです」。この本の解説を奥村さんが書いています。
リトルプレスも充実。簡素な製本でも中身は熱量がある本、逆にデザインがとても凝っていたり、本で表現しようとする人が増えているのを感じます。
話題の本の著者を招いたトークショーや、店内の壁面を使った展示、本のフェアなども行われているので、SNSをまめにチェックしていると気になる本やイベントにもきっと出会えるはず。ぜひお店にも足を運んで、この秋のひとときを過ごす相棒との出会いを楽しんでみてください。
場所
1003
(神戸市中央区栄町通1-1-9 東方ビル 504号室)
営業時間
12:00〜19:00
定休日
なし