お金が成立する理由は?世界で信用度の高い通貨とは!?【眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話】
2:お金は多くの人からの信用によって成立している
お金が、「お金(通貨)」として、人々の間で流通し、その価値が保たれるのは、人々が「お金」はその額面と同じ価値のモノと交換できると信じ、政府がその価値を保証しているからです。
お金に信用がないと、誰もお金を持ちたがらないでしょう。そうなると、大昔のように、「物品貨幣」のコメや塩、布などと交換するよりなくなります。これでは保管や持ち運びにも不便です。
つまり「お金」と「信用度」は直結しています。一国に限らず、世界中で信用度が高い通貨は米国ドル、ユーロ(EU加盟27ヵ国中20ヵ国採用の共通通貨)、円、英ポンド、スイスフランなどです。そして、国際為替取引で最も多く使われ中心的存在の米ドルが基軸通貨とされます(ドル44%、ユーロ15%、円8%、ポンド6%、フラン3%)。
また、国力の弱い国は自国通貨を廃止して米国ドルを公式通貨としたり(エクアドルやエルサルバドル、複数通貨制のジンバブエなど)、非公式通貨として自国通貨と併存させる国もあります(ソマリアなど) 。国力の弱い国は、自国通貨の為替レートが下落しがちで安定しないため、米ドルやユーロ(EU外で6カ国)、豪州ドル(南太平洋の島しょ国)などを公式通貨としているのです。
かつては、お金(通貨)に信用度を持たせるために、金本位制が採られていました。これは兌換紙幣と呼ばれ、いつでも金や銀と交換できるという建前でしたが、これでは金銀の保有量しか紙幣を発行できないため、現在の管理通貨制度の下、不換紙幣が流通するようになっています。まさしく「国家の信用度」だけがバックボーンなのです。
ちなみに、日本では紙幣は中央銀行である日本銀行が発券し、貨幣の発行は政府が担っています。
お金(貨幣)
人々から信用される
欲しいモノと交換できる+価値を認めている←政府が1万円分の価値を保証している
【世界で信用度の高い通貨】
アメリカ・ドル/欧州・ユーロ/日本・円/イギリス・ポンド/スイス・フラン
【経済とお金の豆知識】
ジンバブエでは、1999年以降、物価急騰でハイパーインフレとなり、2009年には「1米ドル=250億ジンバブエ・ドル」を記録。その後、米ドルを中心に複数通貨制となり、現在は9通貨が公式通貨です。
【出典】『眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話』著:神樹兵輔