「若い人も年配の人も楽しめる作品」俳優・西岡德馬が語る、HBC制作ドラマ『三笠のキングと、あと数人』への思い【#ミカキン 連載vol.10】
北海道の小さな町で紡がれた、幻のようなひと夏の物語——。
かつて炭鉱で栄えた北海道・三笠市。その豊かな自然と静かな街並みを舞台に、不思議な夏のきらめきを描いた連続ドラマ『三笠のキングと、あと数人』（通称・ミカキン）。2025年4月25日から全6回に渡る放送を経て、5月30日にフィナーレを迎えました。
13年ぶりに北海道放送（株）が制作した本作は、アイドルを夢見て上京した青年・健太（演：高杉真宙）と、地元で何者かになろうとあがき続ける先輩（演：柄本時生）が、心にぽっかり空いた穴を抱えて再会し、小さな町で全力疾走する姿を描いた心温まる物語です。
さらに、6月からはBS-TBSでも放送が決定！
全国の方にも作品を楽しんでいただけるようになり、6月1日、8日、15日の日曜日、11:00～12:00に放送されます。
本記事では、本作出演者の西岡德馬さんにインタビュー。役柄や作品に込めた思いについて振り返って頂きました。
西岡德馬さんにインタビュー！
【今回の役どころ】
●市長（演：西岡 徳馬）
三笠市の市長。地元の伝統と未来のバランスを取りながら、市政を担っている。ジャーナリストの森とは過去に何かがあった様子。
役柄について
――「市長」を演じてみていかがでしたか？
もっと悪どく演じた方がいいかなとか、もっと怪しく感じさせてもいいかなとか思いながら、いろいろ味付けを考えて面白くできたと思います。
実際の三笠市長にもお会いしました。いただいたメロンが美味しかったので「夕張メロンみたい」って言ったら「いや夕張とは違うんです。夕張メロンの元になってる種が、うち（三笠）から出ましたから」と。キングとしてのプライドを感じました（笑）
――台本を初めて読んだ時の感想は？
脚本を読んだ時点で面白くなるだろうなと。ちょっとコミックっぽい発想が面白いですよね。「あと数人」っていうタイトルもいいですよね。もう「その他大勢」でいいだろうって思った（笑）
それにキャスティングが良かった。柄本くん、真宙くん、若者のキャスティングが、楽しくなるだろうなって予感させてくれました。
真宙くんとは、初めて共演した際、彼は14歳だって言ってたからね。セリフも一個もなくて、ただ、出てって指差すだけの役だったんですが、すでにもう綺麗な顔をしていました。時が経つの早いな～。
ロケ地・北海道三笠市の印象について
――ロケ地である三笠市のまちの印象や、人の印象はいかがでしたか？
私はこういう静かな街が好きです。東京とは空気も違うし、空が大きい。少し前まで2024年から放映・配信しているドラマ『SHOGUN 将軍』の撮影の舞台となったバンクーバーにも似ていて清々しい。北海道といえば以前、芦別市でドラマを、滝川市で映画を撮ったこともありますし、ご縁も感じます。
――撮影で特に印象に残ったシーンは？
市長室でお化けが見えてしまうのが面白かったです。現実でも、お化けを見たいくらい。見えたらいろんな問題が解決するでしょうね。未解決事件もなくなるかもしれません。残念ながら私は見えないですけど、中には見える人もいるわけですから、全然あり得ない話ではなくて。「これ、あるかもしれないっね」って。そういうふうに見たら面白いじゃないですか。
――共演者とのエピソードで印象に残っていることはありますか？
今回共演している阿部進之介と奥野瑛太とは、バンクーバーで撮影をしたドラマ『SHOGUN 将軍』でも共演をしました。
そのとき、阿部進之介とは親子役で、奥野とは対立する役を演じていたから、バンクーバーチームがまた三笠で再会したというのも面白かったです。
阿部と撮った写真を当時のプロデューサーに送ったら、「えぇ～っ親子で何やってんの！？」という反応が返ってきました(笑) 「ミカキン」のドラマのことはまだ情報解禁されていなかったから理由は言えなかったけど。
こういったドラマを北海道放送が制作してくれたことを、僕はとても評価してて、ありがたいことだなと思ってます。これを機に、色んな会社でドラマ制作が盛り上がっていくといいなと思いますね。
視聴者へのメッセージ①うまくいかないときの対処法は？
――今回のドラマは、若者がもがきながら自分の人生に向き合っていく物語です。ご自身は、うまくいかない時や何か壁にぶつかったときにどうしていますか？
どんどん悩もうって感じですね。ああでもない、こうでもないって悩んだ先に生まれてくるものがあって、それは悩むことを体験したのとしていないのでは全然違います。いろいろ挫折を味わったり、失敗したり。失敗は成功の元じゃないですけれど、どんどん失敗して、やっていった方がいい。人生は限られていて、人間は300年も400年も生きられません。だから、やっぱり早めにどんどん体験して失敗を重ねた方がいいと思うんです。
視聴者へのメッセージ②ドラマの見どころは？
――本作の魅力はどんなところにあると思いますか？
脚本が面白いです。若い人は私もこう思うとか、お年寄りは俺のときはああだったな、こうだったなというふうに、いろんなことを思いながら見ていただきたい。全体のクオリティとして、とても面白いし、現代的ですし、オシャレでもあります。良いものに出来上がっています。
【西岡 徳馬】
1946年10月5日生／神奈川県横浜市出身。1970年、劇団文学座に入団。 79年の退団後は、ドラマや映画を中心に数多くの作品で活躍。ディズニー公式動画配信サービス「Disney+（ディズニープラス）」の「スター」で独占配信中の『SHOGUN 将軍』（全10話）では、主人公の吉井虎永を長年支えてきた忠臣・戸田広松を演じている。
HBC制作 Nisshoドラマスペシャル『三笠のキングと、あと数人』（全6話）
【放送概要】
■番組名：Nisshoドラマスペシャル『三笠のキングと、あと数人』
■放送局 ： 北海道放送株式会社（地上波北海道ローカル）
■放送日時： 2025年4月25日（金）午後6:30スタート 毎週（金）全6話 ※放送終了
■再放送日時：2025年4月29日（火）午後11:59スタート 毎週（火）全6話
■主 題 歌 ： GLAY/「Beautiful like you」
■番 組 HP ： https://www.hbc.co.jp/tv/mikakin/
監督：榊原有佑、門馬直人、針生悠伺
脚本：我人祥太、林青維 原案：田邊馨
出演：高杉真宙、柄本時生 ／ 森田想、奥野瑛太、黒田大輔、阿部進之介、久保田磨希、柾木玲弥、皇希、しゅはまはるみ、東てる美 ／ 竹中直人、西岡德馬
朗報！
6月からはBS-TBSでも放送が決定しました。全国の方にも作品を楽しんでいただけるようになり、6月1日、8日、15日の日曜日、11:00～12:00に放送されます。詳しくはBS-TBSの公式HPをご確認ください。
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取材： 山田文裕
文・編集：Sitakke編集部 ナベ子