YRPに医療系大学 放射線技師養成 27年開校へ
横須賀市は7月10日、情報通信技術分野の研究機関などが集積する横須賀リサーチパーク(YRP)=横須賀市光の丘=に診療放射線技師を養成する「中央医療大学(仮称)」が進出すると発表した。学校法人中央医療学園(東京都葛飾区)が現在の専門学校を大学に改編。今後認可申請などを経て2027年の開校を目指す。市内への大学進出は03年の県立保健福祉大学(同市平成町)以来22年ぶり。
新設される大学は医療科学学部(仮称)で診療放射線学科(定員400人)単科で開校。開校後2〜3年後をめどに放射線技術学科(同160人)を併設するとしている。現在同法人が運営する「中央医療技術専門学校」(520人)は順次募集を止めるという。
市によると、入居先はYRP内にある「NECYRP技術センター」。今年3月に同法人がNECと売買契約を締結した。建物は鉄骨造で地上6階建て。延べ床面積は約6800平方メートル。
今後、設置に向けた準備を進め、25年10月に文科省に学校設置認可を申請。26年3月まで建物の改修工事を行い、同年8月に学生の募集を開始。27年4月に開校するスケジュールを描いている。
同日の会見で同法人の森重美三男理事長は大学化の背景として、診療放射線に関する機器類が飛躍的に進歩していることに伴い、技師も知識や技術のさらなる習得が求められることや、技師学校が全国的に増えていることなどを説明。YRP進出の理由については「豊かな自然環境やアクセスの利便性に加え、産官学連携に期待をしている」と述べた。
YRPは1997年に開設。ICT技術の研究開発拠点として関連企業が進出してきたが、近年は工業製品や半導体関連などの分野も進出している。
上地克明市長は「横須賀市として進出を歓迎する。まちづくりには若い力が欠かせない。ぜひ学生の皆さんの若いエネルギーで横須賀を盛り上げてほしい」と語った。