【介護職×生理】PMSが原因で仕事中に涙が出てくる…。対策方法などを専門家が解説します!
本日のお悩み:PMSがひどく仕事中にも涙が出てくる…。
私はPMSがひどく、普段は気にならないことでも利用者さんの些細な一言に傷ついたり、主任から注意を受けると大したことではなくても涙が出てきたりします。特に夜勤のときが辛いです。
普段は普通にしていられるのに月1回のことで「こいつは弱い、すぐ泣く」とか思われるのが嫌で仕方ありません。
できれば女性の専門家の方に伺いたいです。周りの人にも相談しにくくて困っています。
よろしくお願いいたします。
生理中、仕事で無理をしている女性は非常に多い
まず、生理と仕事の両立について考えるうえで、働く人の生理事情について見てみましょう。
参考:厚生労働省働く女性と生理休暇についてをもとに作成上記結果から、6割以上の人が生理前もしくは生理中に何らかの症状を抱えながら仕事をしていることがわかります。つまり今回の質問者様のような悩みを抱えている方は、他にもいらっしゃると考えることができるでしょう。
では、介護職であるからこそ生理中に「辛い」「しんどい」と感じるのはどのような場面なのでしょうか。
介護職が生理前や生理中にしんどいと感じる場面とは?
生理中に働くことは、とにかくしんどいと感じるとは思いますが、介護職が特にしんどいと感じる瞬間は以下のような場合です。
1.身体介護をしているとき
2.どうしても手が離せずお手洗いにいけないとき
入浴介助や移乗介助などの身体介護には、介護職が動く場面や力を必要とする場面が多くあります。生理中、体調がすぐれないと人を支えることが困難であったり、動くことが多いと経血が漏れていないか不安だったりとさまざまな悩みが生じます。
また、休憩がなかなかとれない、席を外すことができないといった場面でもナプキンの蒸れや漏れが気になると思います。衛生面からしてもナプキンの定期的な交換は必要です。周囲も理解を持つようにしましょう。
生理との向き合い方を考えてみましょう!
ここまで、働く人の生理事情について基本的な部分を確認してきました。多くの方が生理に関連する症状に悩みつつも働いていることがわかりました。
また、労働基準法で生理休暇(生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合には、その者を生理日に就業させることはできません。※1)が義務づけられていますが、「男性上司には言いづらい」「利用している人が少なく申請をあげづらい」などといった理由で、令和2年度の使用率は、女性労働者の0.9%とほとんどの人が利用していないことが現状です。※2
では、仕事を続けながら、生理の症状と向き合うためにはどのような工夫が必要なのでしょうか。
ここからは大関先生に解説していただきましょう。
※1出典:厚生労働省労働基準法のあらまし(生理休暇)
※2出典:厚生労働省働く女性と生理休暇について
【専門家の回答】PMSなどの不調は「体質」なので変化していくことができます!
執筆者/専門家
大関 美里
https://mynavi-kaigo.jp/media/users/13
ご質問、ありがとうございます。
ご質問者様は、PMS、つまり月経前症候群の症状がお辛いのですね。
私もPMSは辛いときがあるので、気持ちばかりかもしれませんが、とてもよく分かります。
「なんだか些細なことなのに落ち込むなあ」であったり、頭痛や倦怠感、微熱やいくら寝ても眠いなどの症状が出てくると、月経が近いんだなとはっきり分かるくらい変化します。
他人からの些細な言葉でショックを受けたり、仕事が遅くてあの人に迷惑かけてるかもな…とか、普段では感じないことまで感じますよね。
ご質問者様が仕事の中で傷ついたり、注意を受けると涙が出てしまったりすること、心がやわやわになってしまっていたりするような状態もよく分かります。
普段なら、涙などすぐに出ないのに、月経前だと出てしまうんですよね。
まずはPMSについて整理しましょう
ここで一度、PMSについての情報を整理させていただきたいのですが、PMSとは「月経の3〜10日位前から起こる身体や心の不調で、月経が来ると症状が弱まり、やがて消えていくもの」とされています。※
その他の月経周期に伴う似ている症状で、月経中の不快症状の「月経困難症」PMSでも心の症状が重く深刻な「月経前不快気分障害」、45歳以上の女性に見られる「更年期障害」などがあるので、PMSかな?と思っても、別の病気によるものである場合もあるようです。
出典:厚生労働省働く女性の健康課題とその対策
症状が重い場合、受診を検討するのも手です
症状が重く、生活や仕事に支障をきたしている場合は、他の病気である可能性を除外するためにも、一度受診を検討されても良いかと思います。
今は漢方やサプリメントでセルフケアをされている方も多いですが、専門医からのアドバイスなどは非常に心が落ち着くものです。
言いにくい症状でも、そう言ったプロに症状を話せることで、少し心の重荷が軽くなるかもしれません。
おすすめの薬剤師の先生をご紹介
受診するのも勇気がいるし、そこまでではないかなと思われる場合は、おすすめの先生がいます。
「婦人科系の悩みは、血がしっかり増えて、めぐりがよくなるとすごく落ち着く」と話される、私も大好きで参考にさせていただいている漢方薬剤師の堀江昭桂先生です。※
ブログはもちろん著書も数冊出されており、心の持ち方や考え方を、根拠を持って優しく面白く説いてくださいます。
食養生や四季に合わせた日々の暮らしの中で改善していく方法などもたくさん紹介されているので、是非検索していただければと思います。
公式ホームページ:堀江薬局オフィシャルサイト初めての方へ
「体質」は変えられます
女性なら全てわかるか、理解しあえるかと言われると、PMSの症状にも200種類あるそうで症状に気づかない人もいるようなので、一概には言えないのです。
ですが、これは体が月経の前の準備をしている段階で、本来の状態ではないのです。不調になるのは単に「体質」なのです。 つまり、性格ではなく体質なので、これは変えていくことができるんですね!
そのため、病院に行って治療を受ける、自分の体にあう薬を処方してもらうなどの行動をするだけで、症状が軽減したり、消滅したりすることが期待できます。
月経は前の1ヶ月の通信簿
情緒不安定でも、完璧に仕事ができなくても、いい意味で「諦める」ようにしています。
「月経前なのだから、仕方ない」と割り切っていると、心の揺れ幅が少なくダメージが減ってきます。
月経は前の1ヶ月の通信簿のように私は捉えていて、月経前・月経中の状態がそれまでの自分の過ごし方を教えてくれている気がしています。
と言っても、良い悪いの話ではなくて、今回少し甘いものを食べすぎてたな…とか、睡眠不足だったな…のように、自分の生活習慣などを振り返るタイミングだと思って捉えています。
最後に:自分のことを1番大切にしましょう
自分のことを後回しにしていたり、無理をすることが当たり前になっていたりなど、自分の身体が辛くなっていることに気づけない頑張り屋さんの女性が増えているのではないでしょうか。
自分自身をまず守ることで、大切な人や周りの人を大切にすることができるのだと思います。
傷ついたり、他人の心を感じることができるご質問者様は、きっと本来強くてしなやかな女性なのだと思います。
どうか他人の評価は二の次にして、いつものご自分のことを信じてあげてくださいね。
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