【相模原市緑区】中山間地域 乗合タクシー実証運行へ バス廃止で公共交通再編
相模原市は10月1日(水)から津久井、相模湖、藤野地区(中山間地域)で乗り合いタクシーの実証運行をスタートする。中山間地域では、神奈中バスのバス路線の廃止が2027年3月までに予定されており、それまでに地域の公共交通の利用状況を確認し、継続可能な制度の構築を目指す。
公共交通再編のきっかけは、神奈中バスの運転士不足。市はこれまでに赤字路線については公費負担で運行を維持してきた背景がある。しかし、今回は神奈中バス側の申し出を受け、路線バスに代わる公共交通システムを検討、協議してきた。
270の停留所
実証運行では根小屋、内郷、吉野・与瀬、菅井、篠原の5つの地区で現在運行している乗合タクシー(篠原はデマンドタクシー)の運行エリアを拡大。青野原、青根、和田地区にも運行エリアを新たに設ける。
停留所は現行の約170カ所に加え、神奈中バスの約100カ所の停留所を乗合タクシーの停留所としても活用し、約270カ所となる。これにより多くの人に利用機会を提供するほか、駅へのアクセスが円滑になることを見込む。市交通政策課の担当者は「これまでの乗合タクシーは路線バスと競合しないことが前提だったので、地区によっては駅に行くために乗合タクシーから路線バスに乗り換える必要があったが、エリアの拡大で駅へのアクセスは良くなる」と話す。
車両については、ワゴン車やタクシー車両を活用するとして、地域内を4〜5台で対応する方向で調整しているという。
登録者は500円
10月からの乗合タクシーの運賃は各区域内は一律900円。市内在住・在勤・在学の利用登録者は500円。一度に複数地区を利用する場合は、2地区目から半額。障害のある人や小児の割引もあり。小・中学生の通学利用は無料。高校・大学生への対応は現在検討中で、「本格運行までには通学定期の導入などを検討したい」としている。なお、現行の乗合タクシーの運賃は9月30日(火)までとなる。
乗合タクシーの利用には予約が必要。また、利用登録については準備が整い次第、詳細を市のホームページに掲載するとしている。
実証運行は、今年の10月から根小屋を除いた地区でスタートし、来年4月からは全地区で実施となる。現行の神奈中バスは三ケ木からJR相模湖駅間の2路線は継続、その他の11路線については廃止の予定で、廃止までの期間は乗合タクシーと合わせた運行体制となる。本格運行は27年4月。同課では「それまでの1年半で実証運行しながら制度の見直し、改良を繰り返していく」という。
説明会を開催
市では、中山間地域の全ての世帯に運行ダイヤや予約方法などの詳細を記載したパンフレットを9月初旬までに全戸配布する予定。
さらに、これらの実証運行について、市による説明会が8月下旬から開催される(表参照)。会場は各地区の総合事務所など7カ所。内容はどの会場も同じ。予約不要のため参加希望者は直接会場へ。