二軍で断トツ9勝、5試合連続HQSの中日・松木平優太 未完の大器は支配下登録を勝ち取れるか
大阪・精華高から育成3位入団の4年目右腕
2年連続最下位に低迷している中日は、ウエスタン・リーグでは2位ソフトバンクを抑えて首位を走っている。その中で安定感抜群の投球を続けているのが松木平優太だ。
身長178センチで背番号206をつける右腕は、二軍で14試合に登板して、くふうハヤテとオイシックス新潟も含めた14球団トップの9勝をマーク。6月29日のくふうハヤテ戦に先発して8回2失点で勝利投手となり、5試合連続ハイクオリティースタート(HQS=7イニング以上自責点2以下)を記録するなど防御率もウエスタン3位の1.84と優秀だ。
2003年、インドネシア人の父と日本人の母の間に生まれ、大阪・精華高では履正社との練習試合で好投して注目を集めたが、3年夏の大阪大会は2回戦敗退。全国的には無名ながら素質を見込んだ中日が2020年育成ドラフト3位で指名した。
2023年は二軍で5勝4敗、防御率4.56の成績を残し、ウエスタン・リーグ優秀選手賞を受賞。オフに参加した台湾ウインターリーグで自己最速の151キロを出すなど本格派右腕として大きく育っている。
支配下登録は残り1枠
ドラフト同期で同学年の高橋宏斗はキャンプ中に助言をもらうなど刺激を受ける仲。身近に手本となる選手がいるのは心強いだろう。
ソフトバンクは育成出身選手が多いことで知られるが、中日は育成ドラフトでそれほど多く指名してこなかったこともあり、プロ入り後に一軍で活躍した例は少ない。支配下登録は7月末が期限だが、松木平に期待する声も挙がっている。
支配下登録は現在69人で残る枠は1つ。一軍は投手陣より得点力アップが課題であることを考えると、最後の1枠を投手に使うかどうかは微妙だが可能性はあるだろう。
二軍で牙を研ぎ続ける21歳。一軍マウンドで衝撃デビューを果たすのはいつの日か。新星誕生を楽しみに待とう。
※記録は2024年7月1日現在
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記事:SPAIA編集部