【箱根町・真鶴町】町議選 新たな顔ぶれ決まる 投票率はともに過去最低
任期満了に伴う箱根町(定数12)、真鶴町(定数10)の町議選が9月21日に投開票された。投票率はともに過去最低を更新。新人は箱根町で1人、真鶴町で2人が当選した。
村野氏2期連続トップ
前回選挙から定数が2減となった箱根町議選には、現職12人、新人2人が立候補した。観光振興や人口増加、子育て・高齢者支援などに向けた考えを有権者に訴えた。
トップ当選は、前回に続き村野由紀子氏(59・公明)。2位の現職・山田和江氏(73・共産)との得票数は7票という接戦だった。
村野氏は「定数が減ったこともあり、前回よりも厳しい選挙戦だった」と語り、今後の4年間では「地域包括ケアシステムの充実などを通して、人生百年時代に箱根町で皆さんが住み続けられる施策に取り組みたい」と抱負を述べた。
新人の勝俣建吾氏(61)は、389票を獲得し3位で当選。投開票翌日に町役場で当選証書を受け取り、「予想以上に皆さんに名前を書いていただき、感謝しかない」と感慨にふけった。
勤務先の鉄道会社を退職して臨んだ選挙戦だった。生まれ育った箱根への愛着は強く「少子高齢化は町の存続を左右しかねない問題。町民一人ひとりが元気になるような町づくりを目指したい」と意気込みを語った。
党派別では、公明と共産が各1人、無所属が10人。女性議員は改選前の3人から2人に減った。投票率は50・44%で、21年の前回選挙を6・91ポイント下回り過去最低だった。
田中氏がトップ当選
真鶴町は定数10に対し12人が立候補。現職7人と元職1人、新人4人が経済や福祉といった町の課題などを訴えた。
トップ当選は前回2位の田中俊一氏(74・公明)。候補者で唯一の500票超えと、手堅く支持を集めた。田中氏は「町がさまざまな問題を抱えている中で支持をいただいた。今まで以上に一票の重みを受け止めている」と選挙戦を振り返った。「気候変動に対応した空調服や高齢者向けのシニアカー貸し出しを導入するなど、暮らしやすい町づくりをしたい」と抱負を述べた。
新人は堀杏奈氏(41・無所属)が345票を獲得して3番手で当選し、「率直に驚いている。一票を投じていただきありがたい」と述べた。7年前に都内から移住した堀氏。投票率の低下に触れ、「町議会への関心が薄れている印象。皆さんにより伝わる町政にしていきたい」と、今後の決意を新たにした。
新人の齋藤伸子氏(75・共産)は231票を集め、他の新人2氏を退け最下位で当選した。
党派別でみると真鶴町も公明と共産が各1人、女性は3人が当選した。投票率は59・30%で、前回選挙を7・60ポイント下回り過去最低だった。