世界を魅了するブルゴーニュのエレガンス「ドルーアン」
テロワールの個性を尊重、そのエレガントな味わいで〝ブルゴーニュらしさ〟を体現する名門「メゾン・ジョゼフ・ドルーアン」。
シャブリの名声をさらに高めいち早くビオディナミに着手するなど挑戦と進化を続けてきた。
4代目当主のフレデリック・ドルーアン氏が来日現在のメゾンの取り組みと、フラッグシップである『ボーヌ プルミエ・クリュ クロ・デ・ムーシュ』の魅力について語ってくれた。
text by Kimiko ANZAI
photographs by Kentaro TAKIOKA
星付きレストランの 多くがオンリストし、世界的評価が高いのが1880年創業の名門「メゾン・ジョゼフ・ドルーアン」だ。4代続く家族経営のメゾンで、100ヘクタールの自社畑を所有。それぞれのアペラシオンの個性を生かした味わいがワイン愛好家を魅了している。大きな特徴は、エレガントさが 際立っていることだろう。
ドルーアンといえばシャブリの立役者としても知られる。かつてフィロキセラによって 大きな打撃を受けたシャブリ地区を1960年代に3代目のロベール氏がその可能性に着目、特級畑と1級畑を含む38ヘクタールの畑を取得し、高品質のワインを生み出したことで、シャブリの復興に大きな役割を果たしたのだ。
メゾンには『モンラッシェ』や『ミュジニー』など優美なラインナップがそろうが、注目すべきはやはりフラッグシップの『ボーヌ プルミエ・クリュ クロ・デ・ムーシュ ブラン』と『ボーヌプルミエ・クリュ クロ・デ・ムーシュ ルージュ』だろう。ブランはフレッシュ感に満ちてリッチ、白い花やレモンの香りがやさしく心に響く。ルージュは赤い果実のアロマがチャーミングで、ふくよかな 果実味とシルキーなタンニンが印象的だ。どちらも奥行きのある味わいで、ガストロノミックな 料理に寄り添ってくれる。
このドルーアンならではの優雅さについて4代目当主のフレデリック・ドルーアン氏に尋ねると、こう答えてくれた。
「実は、私たちには大切にしていることが5つあります。①ワイン 造りに情熱を持つこと。②家族の調和を大切にすること。私たちは試飲も家族全員で行います。③大胆さを持つこと。リスクのあるオーガニックに転換したのもその表れです。④再生の力を信じること。これは自然に目を向け、地球と共存していくことを意味します。そして⑤は常に秀逸さを追求すること。この理念を大切に、美しいワインを造りたいと思っています」
確かに、ドルーアンはサステイナブルの先駆者でもある。1988年にオーガニックに、’97年にはビオディナミに転換、気候変動に向き合いつつ、日々の努力を重ねている。近年ではワインの 輸送を飛行機から船に変え、二酸化炭素排出を30パーセント削減させた。来年はより軽量化したボトルを使用するという。
「家族経営だからこそ、シャブリへの進出やビオディナミへの 転換など、多くのリスクを背負いながらも挑戦することができました。スタッフがファミリーの 一員として 誇りをもって働いてくれることもうれしい。皆で一丸となって、高品質のワインを 皆さまにお届けします」
ドルーアン氏はそう言って笑顔を見せた。
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