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仙川・つつじヶ丘さんぽ~真の「住んで楽しい街」へと変革中~

さんたつ

住みたい街として注目度急上昇の仙川。再開発で便利になっただけでなく、新旧の店や住人が混在する相乗効果でますます魅力が増しているようだ。 駅前に渋い風情を残す隣のつつじヶ丘も趣味性の高い店が毎日を楽しくさせる。

発展を遂げた街に個性を与える新旧の風

建て替えが進む都営仙川アパート。
安藤忠雄が設計したマンションや複合施設が並ぶ、通称安藤ストリート。
2021年完成、隈研吾設計の桐朋学園宗次ホールは街の新たなシンボル。

街の穏やかな雰囲気が気に入って、東京初進出を仙川に決めたという『をかしひつじや』。素朴だけど今どきのおしゃれ空間は、まさに今の仙川にぴったりだ。同じように老舗眼鏡店の『スイス堂』は、昔ながらの商店街「ハーモニータウンせんがわ」にありながらセンスの良さがにじみ出ている。「我々の感性に響くものをセレクトしたい。でも、常連も大切にしたいので、入りづらくないように。年配の方にも徐々にポップなフレームを勧めて、最初は『無理よ〜』って言いながらも次第にかけてくれるようになりました」と笑う3代目の西根大介さん。

こんな感じに街全体に新旧がうまくなじんでいて、老若男女がいきいきしているのだ。「住みたいなぁ」と思わずにはいられない。新しい住人がどんどん増えているのも頷(うなず)ける。

実篤公園にある湧き水の池はまるで別世界のよう。

最近は書店がない街も珍しくないのに、2022年オープンのシェア型書店『センイチブックス』を合わせて仙川には5軒も。棚主は地元出身者が多いが、職種や本のテーマも多彩。文学に親しむ子供が多いからなのか、子供の棚主もいる。さらに街中には、「まるで図書館のように静かに過ごされるお客さんが多いんです」と、店主の水田淳さんが話す『いざかやメネフネ』もあり、本好きにはうれしすぎる環境だ。

再開発が進んだ仙川駅前で愛される1963年創業の大衆酒場『きくや』。
国分寺崖線へ続くつつじヶ丘方面を見下ろせる坂道。富士山が望めることも。

一方、「仙川は家賃が高いから、こっちのほうが個人店はチャレンジしやすい」と話すのは、仙川〜調布周辺で物件を探してつつじヶ丘に決めたという『ガレージビル』の大塚康之さん。同じような理由で2023年にオープンした『ShunonePIZZA』ではタートルズ愛に圧倒され、『OITO』ではユニークな植物たちに目がくぎ付け。商店街の途中の地下スナック街には、人生経験豊富なマダムたちが店に立っていて朝まで大盛況らしい。夕方6時にピークを迎える飲み屋や気鋭のパティスリーも。

昔の風情が残りながら、仙川とはひと味違う面白い店も増えていて、これからのつつじヶ丘も楽しみだ。

つつじヶ丘・富士見街商店街の一角に、昭和の趣を残すこぢんまりとした飲み屋街が。

仙川の新・手みやげはここ! 『をかしひつじや』[仙川]

はかりや木箱は、厚木市の老舗駄菓子屋から受け継いだもの。和菓子は自社の職人が製造し、量り売りの駄菓子は各地の老舗菓子店から仕入れている。
羊かん(MATCHA、SODA、AZUKI) 各450円。

福岡の和菓子屋が手掛ける駄菓子屋の東京1号店として、2023年5月オープン。コンセプトは「大人が楽しめる駄菓子屋」で、煎餅や焼き菓子などを1g 3円で量り売り。パッケージやオリジナルグッズもかわいくて物欲が止まらない!
どら焼き194円、きなこ棒193円(2本)ほか。

・10:00~18:00、不定休
・☎なし
・Instagram:hitsujiya_tokyo

『センイチブックス』で本棚を通して誰かとつながる[仙川]

本と新しい価値を意味する「+1」に出合う場所。「個性が光る本棚から刺激をもらえたり、人と人がつながってイベントや新しい文化が興ったり可能性は無限です」とは、発起人の深谷美南子さん(左)と鯉沼由佳さん。

・12:00~16:00(土・日・祝は~18:00)、火休
・☎なし
・Instagram:senichibooks

『SETAGAYA Qs-GARDEN』新しいコミュニティスペースが誕生[仙川]

ラテ550円、スコーン350円。

旧第一生命相娯園グラウンドが、多世代の交流の場として生まれ変わった。中央には芝生広場があり、昭和12年(1937)築の『光風亭』を利用した『Qs ANOTHERHOUSE』でひと休みもできる。

・10:00~17:00、月・火休(祝の場合は翌休)
・☎なし
・Instagram:qs_another_house

『スイス堂』仙川住民の間でおしゃれ眼鏡が浸透中[仙川]

フランスの「ラザール・ストゥディオ」や「レスカ」など、注目ブランドも。5万円~。

70周年を迎えた2018年に店舗リニューアル。初代の頃のロゴを復活させた看板もかっこいい。若手スタッフたちのセンスで買い付けてきたこだわりの眼鏡にファンが多く、推しのメーカーのフレームを全種類揃える受注会など新しいことにも挑戦中。

・10:00~19:00、水休
・☎03-3308-0001

『OITO』多肉植物の寄せ植え体験が楽しい![つつじヶ丘]

世界で1つだけの寄せ植えが完成。

鉢に入るだけ何種類も選べる寄せ植えのワークショップが人気。初めてでも店長の阪田里咲さんが優しく教えてくれるから大丈夫。部屋のアクセントになる個性的な枝ぶりや珍しい種類を揃えた観葉植物も自慢。

・11:00~19:00、月・火休(祝の場合は営業)
・☎なし
・Instagram:oito_green

トレインビューのポップなピザ屋『ShunonePIZZA(シュノン ビザ)』【つつじヶ丘】

カプリチョーザとボロネーゼのハーフ&ハーフ1320円、ブラッドオレンジ410円。
チーズドッグ890円。

大好きなタートルズがピザ好きだからピザ屋になった店主の大谷俊輔さん。耳がふんわりした生地が特徴で、週替わりを含め20種類前後メニューを用意し、1人用サイズがあるのもうれしい。

・11:30~21:00(土・日・祝は10:30~20:30)、月休
・☎042-426-9368
・Instagram:shunonepizza

『いざかやメネフネ』ひとりの世界に浸りながら一献[仙川]

豚の肩肉の粕漬け焼き680円。
コショウダイの皮付き刺し身湯霜造り650円。

「自分を労いながらゆっくり過ごしてほしい」と、店主の水田さん。豚の肩肉の粕漬け焼き680円は、時間がたってもおいしいように調味されている。自ら手を入れたというアンティークに囲まれた内装も実に居心地いい。

・17:00~21:00LO、日休
・☎090-9130-3635

『籠屋 仙川店』ビギナーも大歓迎の地元民憩いの場[仙川]

左から日本酒「磐城壽」(福島・山形)1650円、芋焼酎「心水」(宮崎)1705円、籠屋ブルワリー「華休」580円(缶)。

明治35年(1902)創業、狛江の地酒屋の支店が2022年にオープン。開放的な角打ちスペースがあり、新参者も入りやすい。自社「籠屋ブルワリー」のクラフトビールや厳選した日本酒や焼酎が楽しめる。

・13:00~21:00(土・日は12:00~20:00)、月・火休
・☎なし
・Instagram:kagoya_sengawa

『ガレージビル』音楽とビールは最強タッグ[つつじヶ丘]

砧(きぬた)のライオットビール900円や木更津のソングバード1000円など国内外のビールを用意。

80年代頃までのロックやジャズ、ソウルなどの中古盤が約1000枚。クラフトビールを片手にレコード探しに没頭できる。「都心と違ってお客さんとじっくり話せるのがいいね」とは、店主の大塚康之さん。

・17:00~21:00(金は~22:00、土は15:00~22:00、日は15:00~21:00)、水休
・☎042-498-5367

取材・文=井島加恵 撮影=高野尚人
『散歩の達人』2024年4月号より

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