那智勝浦の天びん五目釣りで季節外れのウメイロが連発【和歌山】多彩な美味魚が続々
癒しを求めて晩秋の天びん五目にチャレンジ。大アジ、ウメイロ、尾長グレなど旨い魚が続々登場！
何が釣れるかわからない五目釣り
五目釣りで色んな魚を楽しみたいと11月22日に那智勝浦の良丸さんを訪れた。夏に同行した李さんがまた行きたいと言っていたので予約したのだが、最近の釣果はキハダばかり。南紀ではキハダフカセが好調でキハダとトンボ（ビンチョウ）で賑わっている。
良いことなのだが、天びん五目の情報がなく、船長も自信なさげ。キハダフカセが開幕して以降１ヵ月以上も五目釣りはしていないというから、仕方ない。
「ぼちぼち大アジが釣れるはず、アジに行ってその後は何か釣れるものを狙いましょう」と沖船長。トモに私が、ミヨシに木村さんと李さんが釣座を取って、午前6時に河岸払い。何が釣れるのだろう？ワクワクすっぞ！
大アジ狙いからスタート
夜明けの時合いは大アジ狙い。港を出て北上し水深38mのポイントでスタートとなった。カゴにオキアミを詰め、3本バリにもオキアミを刺して投入する。さぁ大アジは釣れてくれるだろうか。
私以上に緊張している沖船長が不安な目で穂先を見つめる。反応は底から5mというので、着底させたカゴを巻き上げてしゃくってマキエを出す。
40cm級の大アジが船中連発
仕掛けが馴染んでしばらくすると穂先が押さえ込まれる。送り込んで優しくアワセを送る。ロッドが弧を描きキューと締めこんでくる。これは大アジの手応えなので慎重に浮かせる。天びんを引き上げ、ハリスを手繰ると一番下のハリに大アジ。抜きあげて35cmをキャッチ。
ミヨシでも同サイズが上がったようだ。締めてバケツに放り込み、直ぐに仕掛けを入れ直して38cmを追加。
ポイントを外れたので潮上に上る間にミヨシを見に行くと2人共大アジを仕留めていた。特にアジが食べたいと言っていた木村さんは43cmを仕留めてご満悦。
ゲスト混じりにアタリ連発
時合いに数を稼ぎたいのだが、2流目は口切れ連発。やはり口が弱い上にサイズが良いので口切れが起こる。潮上に戻る間にクッションを長くするとバラシがなくなり3匹を追加。
ゲスト続々
しかし、マキエが効き過ぎたのかツバスが乱入し、仕掛けをひったくる。複数掛かるとドラグが滑って浮いてこない。ドラグを締めて強引に浮かしツバス2匹を抜きあげると最後は大アジで、急に慎重になる。
ミヨシの李さんはヘダイを抜きあげて「これなんですか～」と一言。船長からタナが深いと指摘を受けたが、そのまま続けていたようだ。
続いて仕留めた魚はメイチダイ！羨ましくって私も深めを狙ってみたところ50cm級のイトヨリをキャッチ。3人とも狙うタナが深めになってチャリコと遊んでいる間にアジの時合い終了（汗）。
ジギングでハマチ登場
イサギを狙いに行きましょうと船長。磯釣りで有名なカツオ島の沖合いに向かう途中に寄り道。水深50mに青物っぽい反応があるという。船長にジギングしても良いかと聞くともちろんOK。秋にはシオが回遊するので、ジギングタックルを持ち込んでいたのだ。
早巻きにヒット
ボトムからワンピッチで誘うがバイトなし。再びボトムを取って10mを早巻きするとガツンと乗ってきた。心地よいドラグ音を聞きながら引きを楽しんでハマチをキャッチ。
これを見て李さんもジギング開始。2人とも狙いはシオだが、残念ながらハマチがダブルヒットしただけに終わった。ハマチはイワシを食いまくって丸々とした旨そうな体型をしていた。
想定外のウメイロが連発
カツオ島沖のポイントで真面目に天びん五目釣りに戻る。指示ダナの35mでステイしていると前アタリの後に穂先を引き込む本アタリ。優しくアワセを入れて上がってきたのは30cm級のイサギ。
よしよしイサギも居ったなと思っていると何やらミヨシが騒がしい。船長が興奮気味に戻ってきたので、聞くと木村さんが大型ウメイロを仕留めたらしい。ウメイロは無理だと船長も私も思っていたが、ここからウメイロが連発する。
低い水温でも連発の不思議
仕掛けを指示ダナで落ち着かせると強烈な引き込み。合わせて巻き上げると中層から大人しくなる。
これはウメイロの引きだと海中を覗き込むと天びんの下にフラッシュイエローの魚。群青の海からこの魚が浮いてくるのはとても美しくて好きだ。
慎重に抜きあげて36cmウメイロをキャッチ。次の流しでは小型の2連もあった。水温21度は、ウメイロを狙うには低いのに海は不思議だ。
口太グレが登場
ウメイロやイサギを追加していると引き上げても弱らない魚がヒット。これは尾長ではないかと船長がタモを構えて待ってくれたが、浮いてきたのは口太グレ。それを見た船長は「ブトかぁ〜残念」とタモを引っ込めてしまう。
元磯釣師である私にとっては、この時期の口太グレはうれしい魚なのだが、南紀の船長は総じて口太グレの評価が低い（笑）。それでは、船長の愛する尾長を狙って舵取崎沖のポイントへ移動。
尾長グレ狙いのポイント
実は、李さんも木村さんも、もちろん私も尾長を釣りたい。狡猾で引きが強く、釣るのが難しい。そして非常に美味しい。天びんカゴフカセで尾長を狙う場合に気を付けていることが何点かある。まずハリスを長くする。
イサギ狙いでは3ヒロだが、尾長を狙う場合は4ヒロ（6ｍ）以上とする。そして無暗にカゴを振らない。これは、尾長はカゴ（異物）を嫌うからです。サシエをカゴから離してやって余計な動きをしないように気を使っている。
40cm超え尾長グレを連打成功
40mから25mまで駆け上がる岩礁帯がポイントとなる。潮に乗せて瀬の頂点にある反応に合わせていくとズキュンと引き込まれる。強くアワセを送りリールを巻くが、ドラグが滑って巻けない。
ロッドを曲げて抵抗を増して尾長の疾走を止めて、隙を見て浮かせにかかる。何度も抵抗にあってその度にドラグが滑ったが、やがて天びんを回収してハリスを手繰る。尾長はここからがしぶとい。
船の下に隠れるように走るので腕を突き出すようにして浮かせる。左側でタモを構える船長が見えるのか、執拗に右に逃げる。時間をかけるとハリスを噛み切られるので、タイミングを計って左に誘導すると船長が素早くタモに入れてくれた。
グッドコンディションの42cm尾長をキャッチ。次の流しでも同サイズを浮かせたが、最後の抵抗でハリス切れ。悔しい思いをした次の流しでは41cmをキャッチした。
簡単には獲れない好敵手
ミヨシの２人にはアタリがないので、ハリスを長くしてタナではカゴを振らないようにアドバイスしたところアタリが出るようになった。尾長の時合いは短い。アタリが出るようになると連発するのだが、5回も流すとピタッと止まってしまう。
この日もそうで、私が1匹目を釣ってから毎流しのようにアタリがあって、私は4回のアタリで2匹をキャッチ。李さんも40cmをキャッチしたが、残念ながら木村さんは2バラシのみとなった。
1つは船底に潜られ、1つはハリスを飛ばされたようです。食わすのもコツが要るのですが、獲るのも一筋縄ではいかないあたりが、船長は好きなのだろうか。
最終釣果と今後の展望
正午過ぎにストップフィッシング。私は、大アジ6匹、ウメイロ9匹、イサギ8匹、尾長2匹、口太2匹、ハマチ2匹とイトヨリダイをキープしてクーラーは満タン。
同行の2人は長い仕掛けに戸惑って後半は伸び悩んだようですが、十分に満足して釣行を終えた。
今後の展望
ただいま良丸ではキハダフカセが絶好調。大アジは年内一杯釣れるし、アジ時合い後は尾長グレとの交戦はいかがだろうか。トロフィーサイズを狙ってキハダフカセも良し、癒しを求めて天びん五目も良し、深海釣りで鍋ネタのアコウダイも良い。
＜田中こうじ／TSURINEWSライター＞