【多摩市】聖蹟桜ヶ丘駅周辺 案内板で歴史名所を解説 地元有志が制作
聖蹟桜ヶ丘駅周辺の観光を盛り上げようと活動する「せいせき観光まちづくり会議」がこのほど、同地域にある歴史遺産や名所を解説する案内板を完成させた。順次、各名所に取り付けていき、市内外の人に魅力を知ってもらう狙いがある。
映画がきっかけ
同会議(上村茂座長)は京王聖蹟桜ヶ丘駅周辺の関戸や連光寺、桜ヶ丘、一ノ宮などにある観光資源を発掘し、広めることで活性化をめざすために2005年に活動を始めた。同年、聖蹟桜ヶ丘を舞台に作られたとされるジブリ作品「耳をすませば」が映画公開10周年の年に、桜ヶ丘商店会連合会と多摩大学の学生が協働で10周年記念イベントをしたことがきっかけだった。
このイベントが盛況で、全国的な話題にもなったことから継続的な取り組みを進めていこうと、同作品にちなんだまちづくり活動を行うことになった。発足時、座長を務めた森田利夫さん(現在は相談役)を中心に商店主や地元有志らで同会議が結成された。
同作品の周年ごとに、記念上映会・イベントやスタンプラリー、シンポジウム、ハートフルコンサートなどを開催してきた。
遺産を観光資源に
同時に、聖蹟エリアにある鎌倉時代以来の歴史ある史跡などにも着目し、市内外の人に広く知ってもらう活動を展開してきた。「関戸コース」「連光寺コース」「一ノ宮コース」といったエリアごとの散歩マップや「歴史の散歩道関戸〜寄り道」といったガイドブックを制作した。
また、18カ所の観光スポットが載った「せいせき桜ヶ丘観光案内MAP」も作り、2022年にはこのMAPの案内看板を聖蹟桜ヶ丘駅の交番前に設置した。
関戸の渡し跡など
今回、この案内MAPに掲載された「関戸の渡し跡」「関戸古戦場跡」「徳川家康御尊柩休憩場所」「横溝八郎の墓」「原峰公園」など8枚を制作した。森田さんらはこの案内板を各名所をまわって取り付けている。上村座長は「『耳をすませば』をきっかけに聖蹟に住み始めた人も、今ではその歴史に興味を持っている人が増えた。このあたりに住んでいる人で歴史や名所がある場所だということを知らない人もいると思う。小学生など市民の方や聖蹟を訪れる方に魅力を伝えることができたら」と話していた。
森田さんは「二次元コードを付けてシンプルな案内板にした。今後も案内板を増やしていく予定」と展望を語った。