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バサジィ大分 今季のキープレーヤー 勝利のスイッチを押す男、吉田圭吾 【大分県】

オー!エス!OITA

写真/オー!エス!OITA SPORTS

 Fリーグ開幕を目前に控え、今季のバサジィ大分をけん引するキープレーヤーを2回に分けて紹介する。初回は4季ぶりに復帰し、キャプテンに就任した吉田圭吾。アグレッシブな守備でチームに火を付ける男が、自らの基準で大分を勝てる集団へと導く。

 

 今季のバサジィ大分は、大規模なチーム刷新に踏み切った。新たに12人が加わり、戦力的にもメンタル的にも「再構築」を求められるシーズンとなる。その中心に立つのがキャプテンの吉田圭吾だ。

 吉田はバサジィ大分に4季ぶりに復帰。昨季はバルドラール浦安の一員としてタイトル獲得に貢献し、その経験とプレー強度を携えて古巣に帰ってきた。再び袖を通すオレンジのユニフォームには、ただの懐古ではない、明確な意志と責任が宿っている。

 

 チームは開幕を控え、3日間で3試合の強化試合を行った。シュライカー大阪に4-1で勝利し、名古屋オーシャンズには3-6で敗れるも、サテライトチームには4-2で勝利。合計11得点という数字は、攻撃面での一定の成果を示しているが、吉田が最も重視するのはやはり守備、特に「アグレッシブなディフェンス」の徹底である。

 「僕がスイッチを入れる」。この言葉に、キャプテンとしての信念が詰まっている。自ら前線からプレッシャーをかけ、ボールを奪い切って速攻に持ち込む。そんな守備から攻撃へと転じるスイッチを、自らのプレーで入れること。それが吉田の役割であり、自分が体現することで「これがバサジィの基準」というラインを示す覚悟がある。

 

今季のキャプテンとなった吉田圭吾

 

 実際、吉田のアグレッシブさは練習から際立っている。ピリつく空気を恐れず、練習中にもチームメイトに高い基準を要求する。だが一方で、プライベートでは和やかに接し、チームの雰囲気づくりにも目を配る。この絶妙な緊張感と安心感のバランスこそ、吉田がキャプテンに選ばれた最大の理由である。

 特に今季の大分に必要なのは、「精神的な強さだ」という。「浦安にあって大分にないものは根性だった」と語る言葉は、技術や戦術を超えた覚悟の重要性を物語っている。近年は精神論が敬遠されがちだが、勝利のためには心の強さも欠かせない。吉田はそれをチームに注入するために帰ってきた。

 

 現在の仕上がりは「60〜70%」と自己評価するが、残された時間での修正と向上に一切の妥協はない。アグレッシブに、緻密に、そして精神的にもタフに。吉田が定めた「基準」は、今季のバサジィを勝てる集団へと押し上げていく。そしてその先にあるのは、悲願の初優勝という確かな目標だ。吉田の背中に、チームが追いつき、追い越すとき、バサジィに新たな歴史が刻まれることになるだろう。

 

「チームに根性を注入する」と語った

 

 

(柚野真也)

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