じつはすごい栄養!皮ごと調理をすると体が喜ぶ“意外な野菜”【コレステロールを下げる食材の知識】
玉ねぎは皮を剥いてから調理をする人も多いのでは? じつは皮にはコレステロールを下げる効果があるんだそう。今回は管理栄養士の関口絢子さんに、玉ねぎを皮ごと使ったレシピ「皮ごと玉ねぎのステーキ」を教えていただきます。
教えてくれたのは……管理栄養士・関口絢子さん
料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。「健康な体と豊かな心を育む食卓」をテーマに、季節の体の変化や旬の食べ物にフォーカスした食の知恵をお届けします。YouTubeでも体に優しいレシピや知識を発信。
玉ねぎを皮ごと調理
今回は、玉ねぎが主役の絶品ステーキをご紹介します。皮ごとじっくり加熱することで生まれる成分や効果がすばらしいんです。玉ねぎの皮に含まれる有効成分がとても重要なので、皮は取らないで使ってください。
「皮ごと玉ねぎのステーキ」のうれしい効果
玉ねぎを皮ごと焼いていると、皮から成分が溶け出して、水が茶色くなります。これは有効成分のケルセチンです。ケルセチンは脂溶性なので、油と一緒に蒸し焼きにしていくことで溶け出しやすくなり、吸収もよくなります。脂質を含むチーズとよい組み合わせなので、最後にのせてください。カルシウムやたんぱく質もプラスされ、骨の健康にも有効です。
玉ねぎには、以下のようなうれしい効果が期待できます。
・プロピルメルカプタン:玉ねぎを加熱をすると硫化アリルが分解されて、プロピルメルカプタンという成分に変わり、甘味が増す。血糖値の低下や中性脂肪の減少、コレステロール値の低下など生活習慣病の予防に役立つ。胃粘膜を保護するので、胃腸が疲れたときにもおすすめ。
・ケルセチン:高い抗酸化作用があり、抗炎症作用そして血圧低下作用、さらに血流を改善して動脈硬化を予防したり、コレステロールを下げる効果がある。
「皮ごと玉ねぎのステーキ」のレシピ
ケルセチンは普段、捨ててしまいがちな皮に最も多く含まれています。じっくり焼くと溶け出してきます。
材料(2人分)
・玉ねぎ……1個
・オリーブ油(好みの油で代用可)……適宜
・水……100c c
・しょうゆ……大さじ1
・みりん……大さじ1
・おろししょうが(にんにくで代用可)……大さじ2分の1
・ピザ用チーズ……適量
・刻んだ青ねぎ(パセリで代用可)……1本
刻んだ青ねぎ以外でも、大葉や刻んだ海苔、かつお節などでもおすすめです。今回は、チーズや青ねぎ、しょうがなどを使っていますが、冷蔵庫にない場合は玉ねぎだけでも楽しめるレシピになっています。
作り方
1.玉ねぎは1枚目の薄い皮だけをはがして、水でよく洗います。玉ねぎの皮をつけたまま、包丁で半分に切ります。皮についた根本の部分と上の部分のみ、包丁でそぎ落します。
2.フライパンを中火にかけ、オリーブオイルをひきます。玉ねぎの切り目を下にしてフライパンに入れ、焼き色をつけます。
3.玉ねぎに焼き色がついたらひっくり返します。水を加えて、ふたをして30分程度弱火で加熱して、蒸し焼きにします。
※水がなくなってきた場合は、足して調節をしてください。甘みが増すので、ぜひ時間をかけて調理してみてください。
4.30分ほど加熱すると、煮汁にケルセチンが溶け出してオレンジ色っぽくなってきます。煮汁を大さじ1程度残し、残りは火にかけて飛ばしてください。フライパンにしょうゆ、みりん、しょうがを加えます。玉ねぎの上にも煮汁をかけて、中にも味がしみるようにします。
※煮汁がないと味つけが濃すぎてしまうので、水分が少し残っている程度にしてください。
5.火を止めて、竹串などを使い、玉ねぎのやわらかさを確認します。玉ねぎの上にチーズをのせ、フライパンにふたをして余熱でチーズを溶かしていきます。
※チーズが溶けにくい場合は、フライパンを再加熱して溶かしてください。
6.皿に盛りつけてしあげに青ねぎをのせ、できあがりです。食べるときは、玉ねぎの皮を外して食べてください。
チーズがのっているので、まるでオニオングラタンスープを食べているような一品です。「今日何作ろうかな」と悩んだら、メインが玉ねぎの野菜料理としてぜひ試してみてください。パンにもご飯にも合うと思います。
※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。
ayako/ライター