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オリンピック報奨金高い国は8000万円越え!?もらえない種目も

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2024年7月26日からパリ五輪が開催されます。オリンピックで気になるのは、メダルを勝ち取った選手に贈られる報奨金です。国の名誉でもあるオリンピックメダルにどの程度の「ご褒美」を用意しているのでしょうか。国別にまとめてみました。

国別オリンピックの報奨金、高い国は8000万円越え!?

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オリンピックのメダルに対する報奨金の額は、国によって差があります。

『日テレNEWS』によれば、世界で最も報奨金の高い国はシンガポールであり、金メダルに約8480万円、銀メダルに約4240万円、銅メダルに約2120万円の報奨金を用意しているとのことです。

次いでカザフスタン、マレーシア、イタリアの報奨金が高く、これらの国でも金メダルの報奨金は2000万円を超えています。

なおオリンピック強豪国となるアメリカの報奨金は、金メダルが約430万円、銀メダルが約260万円、銅メダルが約170万円となり、後述する日本と同程度の水準となっています。

日本の報奨金の水準は?

日本での報奨金の額は、日本オリンピック委員会(JOC)により、金メダル500万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円と定められています。

なおパラリンピックの場合は、日本障がい者スポーツ協会(JPSA)より、金メダル300万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円が贈呈されます。

種目によって差がある。その理由は?

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日本の選手がオリンピックでメダルを取ると、金メダル500万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円が贈呈されますが、これはあくまで日本オリンピック委員会(JOC)が支払う公的な報奨金です。この他に各競技団体やスポンサーからも報奨金が支払われるため、実際に貰える額はさらに多くなるのが一般的です。

たとえば、卓球で金メダルを取った場合、日本卓球協会より、シングルスで1000万円、ダブルスは一人あたり500万円、団体で1人あたり400万円の報奨金が贈られます。体操の場合、日本体操協会が、金メダル50万円、銀メダル30万円、銅メダル20万円の報奨金を用意しています。

格差がある理由は?

競技団体の報奨金は、スポーツ種目毎に格差があり、中にはまったく報奨金を用意していない競技団体もあります。たとえば柔道(全日本柔道連盟)や水泳(日本水泳連盟)などは、メダルをとっても報奨金はゼロとなります。

報奨金に格差がある理由については諸説ありますが、競技団体の財源的な事情が関係しているといわれることが多いようです。また報奨金には、選手を鼓舞しその種目の人口を増やす狙いもあるため、メジャーな競技よりもマイナーな競技のほうが報奨金が高くなりやすい傾向があります。

報奨金には税金はかかるの?

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日本オリンピック委員会(JOC)と日本障がい者スポーツ協会(JPSA)から支払われる公的な報奨金に関しては、所得税法上「全額非課税」の扱いとなります。メダリストの栄誉を称える観点から非課税の措置がとられているのです。

競技団体の報奨金は一定額まで非課税

競技団体の報奨金の場合、金メダル500万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円までが非課税扱いとなり、超過した額は課税対象となります。

たとえば卓球のシングルスで金メダルをとると、日本卓球協会より1000万円の報奨金が支払われ500万円分超過します。この超過した500万円にのみ税金が発生する形となるのです。

一般企業等からの報奨金は課税対象

選手が所属している企業、スポンサー企業、自治体等がメダルを取得した選手に独自の報奨金を贈ることがあります。こうした一般企業などからの報奨金は課税対象となります。所得区分では「給与所得」もしくは「一時所得」として扱われます。

今年は世界陸連から賞金が出ることも決定

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陸上競技の国際統括団体である世界陸連(WA)は、今年2024年に開催されるパリ五輪から、金メダリストに対して報奨金5万ドル(約760万円)を支払うことを発表しました。国際競技団体が金銭での報酬を贈与するのは、今回が史上初の試みとなり、選手にとっては新たな収入源となるため、モチベーションアップや競技の盛況が期待されています。

また、今回は金メダルのみの報奨金となりますが、次回の2028年ロサンゼルス五輪では「銀メダリスト、銅メダリストにも報奨金を送る予定になっている」とアナウンスされています。

なお、こうした世界陸連の試みは、賛美する声もある一方で、「オリンピズム(※)の価値を損なう」「下位選手を無視するもの」など、反発する声も一部から挙がっているようです。

※オリンピズム:「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍などさまざまな差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」というもの。オリンピック精神。

以上、オリンピックメダルの報奨金について解説しました。国によっては一生を左右するほどの大金を金メダルの報奨金として用意している国もあり、選手たちの金メダルにかける情熱もはかり知れません。このようなメダルの金銭事情も絡めて競技を観ると、今年のパリ五輪はまた違う視点でオリンピックを楽しめるかもしれません。

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