<クチだけ義両親>「車、買ってやろうか?」義父の言葉に目輝かせる夫⇒ありがとう!【まんが】
私はワカナ。夫のリョウと2人の娘・マイとミクと4人で暮らしています。大学の同級生だったリョウとは、20代半ばで授かり婚をしました。そのときに生まれたマイも、もう5歳。その2年後にはミクも生まれ、とても幸せな毎日をおくっています。義両親とはほどよい距離をとりながらお付き合いしてきました。言い方は悪いですが、義両親は「感謝泥棒」だと私は思っています。「感謝泥棒」って、どういう意味かって? それは“相手を喜ばせるようなことを言っておきながら、あとで平気で約束を反故にする”こと。ウチの義両親の言動を見ていたら、すぐにわかりますよ……。
5年前――。生まれたばかりのマイを連れて、近くに住む義実家に遊びに来ていたときのことです。
私たちはいわゆる授かり婚です。リョウがまだ社会人となって日が浅い頃に私が妊娠したので、お恥ずかしい話ですが毎月の家計は大赤字。生活費だけで精一杯で、車の購入なんて夢のまた夢でした。
車があれば私たちの生活はより充実したものになるでしょう。私たちは期待に胸を膨らませました。「いつか乗れたらいいね」と夫婦で話していた憧れの車も、孫のためだったら買ってくれるのではないかと、私もつい甘い期待をしてしまったのでした。
孫に「ハワイ旅行のお金を出してあげる」と言っている義両親の姿を見て、私は5年前の出来事を思い出していました。 義両親は孫の面倒をよく見てくれるし、私のことも気にかけてくれて関係は悪くはないのですが……5年前の私はまだ、義両親の悪い癖に気がついていませんでした。 授かり婚でたくさんのお金が急に必要となった私は、当時、車を買ってくれると言われて大喜び。「先々のことを考えて大人数で乗れるものを」と具体的な話までしてもらい、さっそく車を見にいこうと考えたのでした。
ウキウキで試乗!見積もり持って行くと「また今度な!」逃げる義父
そのときは私もリョウの言う通りだなと思いました。マイのことを溺愛している義両親なら、一緒にお出かけするためにも車を買ってくれると思っていたのです。
その後、私たちはさっそくいろいろなメーカーのホームページを見たり、ディーラーを巡って試乗したりしてみました。
私たちはいくつか試乗して、やっとどの車にするかを決めました。私たちの世代が乗るには少し贅沢な車なので、義両親がお金を出してくれるというのはとてもありがたいです。これで日々の生活も便利になるし、遠くまでお出かけもできる! 夫婦ともにテンションが高まっていました。
5年前の私たちは、車が決まれば義両親がお金を用意してくれて、あとは納車を待つだけ……などと短絡的に考えていました。 今ならば、それまでにも「感謝泥棒」をしていたあの義両親が、そんなに虫の良い話を受け入れるわけがないとすぐにわかります。 しかし当時は、私もリョウもまだ義両親の正体に気がついていなかったのです。購入が目の前まで迫ってきて気持ちが高ぶるなか、思ってもみなかった反応をされて困惑してしまいました。
義母「親をアテにしたらダメよ」なら、はじめから期待もたせるな!
車のある生活がすぐそこまでやってきて夢を膨らませていた私たちとしては、期待が大きかった分とてもショックでした。帰宅してからも、リョウは文句を言い続け、購入する予定だった車のパンフレットもビリビリに破いてしまうくらい怒っていました。
ふと私の頭の中に、買ってくれると言ったときの義両親の表情が浮かびました。私やリョウが「ありがとう」と言ったとき、義両親は優越感に浸ったような、なんとも言えない満足気な表情をしていた気がします。まさかとは思いますが、私たちの感謝する顔見たさに言ってただけなのでしょうか?
義両親を疑った自分を責めるなんて、あれから5年たった今の私ではまったく考えられないことです。 義両親は「家のリフォーム代が必要だから車は買えない」と私たちに言ったにもかかわらず、お正月をヨーロッパで過ごす計画をたてていました。つまり、お金がなくて買えないというのは真っ赤な嘘。しかも車購入を断ってそんなに日も経っていないなかで私たちにそのことを話すなんて、気が知れません。 自分たちのお金でないので強くは言えませんが、「だったら初めから車を買ってやるなんて言わないで」というのが正直なところです……。
策略知り「やられっぱなしでたまるかッ!」感謝はハワイのあとで~
「ブランド品買ってきてあげる」と言う義母に苦笑しながらお礼を言う私を見て、義両親は満足気な表情を浮かべていました。その後、トイレから戻ってきた私に気づかず話している義両親の会話を聞いて、ついに2人の策略を知ることになるのです。
あれから5年、私たちはだいぶ強くなりました。自分たちファーストな義両親は、5年間のうちに小さなお願いをどんどんしてくるように。きっと自分たちに威厳があれば、私たち夫婦が思い通りに言うことを聞くと思っていたのでしょう。あのとき「一度言ったんだから」と責めることなく、自力で車を買ってよかったと思います。
「感謝泥棒」という、よくない癖をもつ義両親も問題ですが、一番の反省点はやはり自分たちの問題にもかかわらず誰かをアテにしてしまったこと。まだ若かったとはいえ、他人が何かしてあげると言ったことは話半分で聞いておかなければなりませんね。 少なくとも私たちの場合は、「アテにするな」が義両親の本音だったのですから……。苦い経験でしたが、いい教訓となりました。 義両親もそんな癖があるとはいえ、実害がでてくるような悪い人でもありませんし、ほどほどの距離を保ちながら上手くやっていきたいと思います。