宮城の小麦粉は超うまい説 → もしやうどんも超うまい?【家そば放浪記】第262束:ヨークベニマルで買った、はたけなか製麺『東北 地そば』213円(1人前106円)
出たな、はたけなか! そのパッケージを手にした時、私はファイティングポーズをとった心の中でそう叫んでいた。
「はたけなか製麺」。家そば放浪記ファンであれば、きっと何かしらの思い出があるはず。「記録」よりも「記憶」派の製麺所だ。
なにせ今までの戦歴は、「殿堂入り」が1回(しかも1食80円の激安そば)。松(文句なしの外)が2回。竹(外)と梅(家)が共にゼロで、茸(きのこ / 家でも外でもない or ジャッジ困難)が3回という、ホームランかファールの2択という、野球漫画のクセツヨキャラのようなバッターなのだ。
そんなはたけなか製麺が放つ今回の作品は、極めてシンプルに『東北 地そば』。
過去に『超粗挽 汁にそば粉が落ちる蕎麦』なる魔球のような蕎麦を出してきたメーカーとは思えない直球すぎる商品名だ。
ちなみに商品の説明としては、「厳選した会津産蕎麦粉を練り込みました」てな感じ。
はたして今回の打席は……
デカい鍋に湯を沸かし……
3分ほどゆでて……
ハイ完成。
して、そのお味は──
ちょっとまってくれ。まて。まてまてまて。
これまたウマイぞ。
小麦粉先行の蕎麦なのに、やたらとウマく感じるぞこれは。
というか、めちゃくちゃ小麦粉にこだわってる感じがする……とパケの原材料名を見てみたら、ものすごい自信満々に「宮城県産」と書いてある。
宮城って小麦粉がうまいのかな……。そういえば、前回の蕎麦の小麦粉も宮城県産だった。もしや宮城って、小麦粉がウマイ=うどんもウマイのでは……。
それはさておき、もちろん会津(宮城)の蕎麦粉の味もするのだけれど、決め手は塩っけな気がする。
絶妙な塩っけがウマさを決定づけ、なんとも満足な気分にさせてくれるのだ。
「家そば」か「外そば」なら、まあ外であろう。
野球で言うなら、「センター前ヒットか」というような超ライナーがそのままバックスクリーンに直撃したような軌道。「え? ホームラン?」みたいな。
極めて家っぽい外であるけど、この「ウマイ」と感じた気持ちは、外のお店で味わう「ウマイ」と同じような「ウマイ」であった。なので断じて外である。
「冷」でもじゅうぶんウマイということは、温でも当然のようにウマイということ。そろそろ年越しそばの蕎麦を何にしようか考える頃合い。
宮城の小麦粉が使われた会津の「地そば」は、大晦日の「天ぷらそば」でも十分に耐えうるであろうポテンシャルを秘めていた。
ちなみに、20分ほど経って乾いた「置き蕎麦」状態で、冷の「とろろそば」で食べてみたところ、細さといい、味といい、とろろと劇的に合うことが判明したことも付記しておきたい。
執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24