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【全国高校総合文化祭で注目の静岡県勢】インターハイはスポーツだけじゃない!文化部の熱い戦いにもドラマが。この夏期待の部門を紹介します!

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静岡トピックスを勉強する時間「3時のドリル」。今回のテーマは「全国高校総合文化祭で注目の静岡県勢」。先生役は静岡新聞教育文化部長の橋爪充が務めます。 (SBSラジオ・ゴゴボラケのコーナー「3時のドリル」2024年7月17日放送)

(山田)今日は全国高校総合文化祭の話題ですね。昨年も取り上げてくれましたね。

(橋爪)今年もこの季節が巡って参りました。文化部のインターハイ「全国高校総合文化祭」、通称「総文祭」です。毎年7月下旬から8月上旬にかけて、全国の47都道府県が持ち回りで開催します。今年は岐阜県なので、静岡県からは昨年の鹿児島県よりだいぶ近くなりましたね。

総文祭は22部門ありまして、静岡県はこのうち17部門に参加します。昨年もお話しましたが、順位付けをする部門と、展示や発表だけの部門に分かれます。現在、下取材を進めていますが、今日はこのうち、上位入賞が期待できる部門や個人をご紹介します。リスナーの皆さんには、彼らの成績や活躍にぜひ、ご注目いただきたいですね。

(山田)まずはどこから行きましょうか?

悲願の全国優勝なるか。将棋の佐々木香歩さん(日大三島高)

(橋爪)まずは将棋部門。昨年のこのコーナーでも紹介した女子個人戦に出場する日大三島高3年生の佐々木香歩さんです。昨年の総文祭では2年生で準優勝でした。

(山田)すごいじゃないですか!

(橋爪)実は佐々木さん、1年生だった一昨年の東京大会では団体戦に日大三島高チームで出場して、このときも準優勝しています。

(山田)1年生から力があって、昨年は個人で全国2位だったと。

(橋爪)1年、2年で準優勝と来ていて、3年生の今年はいよいよ集大成。残るのはもう一つしかないですから、期待ですね。

(山田)総文祭でも活躍が期待されますけど、今後も楽しみですよね。もしかしたらということもありますよね。

(橋爪)高校ではすでに活躍されてますけど、その後の人生の中で「プロ」と名がつくようなところに挑戦してくれると嬉しいなと思います。日大三島囲碁将棋部の顧問池野千尋先生によると、プロ棋士との練習対局も行って、腕を磨いているそうです。全国大会ではこれまで届かなかった場所にたどりついてほしいですね。

(山田)全国優勝してもらいたい。

(橋爪)同じ将棋部門では団体戦にも注目していただきたいです。女子の部は昨年全国3位だった富士見高が出場します。メンバーの3年生天野詩音さんは昨年も出場しているので経験値があるのではないかと。男子の部の静岡高も一昨年3位でした。ぜひ頑張ってほしいですね。日程は8月1日〜2日、高山市で行われます。

(山田)はい、将棋部門でした。続いては。

(橋爪)続きまして小倉百人一首かるた部門。

(山田)これも何か白熱しそうですね。

(橋爪)まずチーム編成について説明します。県内から強い個人8人を集めて選抜チームをつくり、県代表にしています。その中から1試合ごとに5人選抜して5対5で戦います。

(山田)面白い。監督もいるんですか?

(橋爪)います。映画にもなった「ちはやふる」という作品をご覧になったことありますか?

(山田)もちろん。

(橋爪)本当にあのまんまです。今年は浜松西2人、浜松北1人、沼津東1人、富士1人、磐田南1人、静岡東1人、静岡雙葉1人でチームを組みます。全員女性です。

(山田)中部、東部、西部とバランスが取れている感じですね。

(橋爪)そうですね。いずれもかるたの強豪校です。3、4チームによる予選リーグがあって、成績上位の16チームが2日目のトーナメントに進みます。静岡県代表は総文祭では2年連続決勝で東京に敗れて惜しくも準優勝です。今年は勝ちたい。

(山田)勝ちたいですね。何かスポーツの話をしているみたいですね。

高校生相手に負けなしのかるた女王にも注目!

(橋爪)ここで注目なのは、主将を務める浜松西高3年生の澤村夢菜さん。この方の名前をぜひ覚えてください。昨年、異例の2年生で主将でした。

(山田)へぇー、強いんだ。

(橋爪)強い。2年連続で主将ですよ。浜松西高の百人一首部の藤田信行先生によると、高校入学以来、高校生相手の対戦では無敗。

(山田)高校生を相手に負けを知らない!強いね。

(橋爪)70戦ぐらいやっていて1回も負けていないという話でした。先生いわく、百人一首に対する情熱が人一倍で、トップレベルの選手の研究を欠かさない。それがこのような結果につながっているのではないかということでした。

(山田)百人一首で強くなるには必要なことがたくさんありますよね。反射神経とかもそうですし。

(橋爪)勝負勘とかもね。まさにスポーツですね。

(山田)本当ですね。

(橋爪)ライバルは東京をはじめとした首都圏の都県だと思います。静岡県は2000年代初めごろまでは「かるた最強県」だったんです。例えば総文祭とは別の全国高等学校選手権大会では富士高が10連覇したり、長泉高や大井川高、静岡雙葉高も連覇を果たしています。

今は関東の学校が強くなっています。昨年の全国高等学校選手権大会で優勝した関東一高(東京)は部員が100人近くいるそうで、そもそも層が厚い。

(山田)えー、100人⁉

(橋爪)そうらしいです。本県チームは澤村さんに加えて、沼津東高の成田夏帆さんも2年連続出場。昨年の悔しさを知る2人を軸に、ぜひ「打倒東京」を果たしていただけたらと思います。

(山田)昨年の悔しい負けを財産としてですね。

(橋爪)はい。5人のうち3人が勝てばいいので、悔しさをかみしめている2人で2勝して、残る3人で1勝すれば…。そんなに甘くはないでしょうけど(笑)。

放送、日本音楽、自然科学の各部門も有望

(山田)続いては。

(橋爪)ちょっと耳慣れないでしょうが放送部門。朗読種目に出場する東海大静岡翔洋高3年生の長谷川聖花さん。

(山田)なぜ注目なのでしょうか。

(橋爪)長谷川さんは、昨年12月に京都市で行われた第15回古典の日朗読コンテストで「紫式部日記」を朗読し、大賞に次ぐ文部科学大臣賞に輝きました。

(山田)ちょっと待って。朗読ってそんなに難しいものを読むんですか?

(橋爪)このときは古典を朗読するというレギュレーションだったので。だから、全国2位の実績を既に持っているんですよ。

(山田)期待ですね。

(橋爪)動画を見たんですが、本当に滑らかで力が抜けていて、スーッと言葉が頭に入ってくる。変な力みが一切なくて、声に「ウィスパー」的な要素が適度に混じっているのが心地いい。そんな声でした。

(山田)子供への朗読も、力みすぎずにフラットに読まなければいけないと言われていますよね。僕なんかは力んでしまっていて駄目らしいです(笑)。上手な方はそうやって読むんだね。

(橋爪)総文祭の朗読種目は地元に関係した作品を2分間読むというレギュレーションなんです。長谷川さんは、浜松市の作家いぬじゅんさんによる「無人駅で君を待っている」を読むそうです。期待したいですね。

(山田)楽しみですね。

(橋爪)続きまして日本音楽部門です。「箏」種目に出場する三島北高。三島北高は総文祭の常連なんですけど、2022年は優秀賞の文化長官賞に選ばれて、国立劇場で演奏するという栄誉に輝きました。

(山田)じゃあ、強いんですね。

(橋爪)2023年はそれがかなわなかったので、今年は捲土重来を期しています。先ほど長谷川さんが朗読で出場した古典の日朗読コンテストの話をしましたが、この大会は全国高校生伝統文化フェスティバルという名称でも行われていました。三島北高の箏はこちらにも出場していて、総文祭ではその時にも演奏した新実徳英作曲「オデュッセイア」を再演します。8分半もある長い曲で、これを16人で演奏するんですが、かなり体力も消耗するそうです。大変だと思いますが頑張ってほしいです。

さて、自然科学部門も県勢は毎年良い成績を収めています。今年も常連とも言える科学技術高自然科学部が物理部門で「ペットボトルフリップの運動解析」というタイトルで発表します。私はタイトルしかわかりませんが(笑)。

磐田南高地学部も地学部門で「遠州灘鮫島海岸のジルコンの起源および性質の推定」というテーマで挑みます。取材の中では、この2校もかなりいいところまで行くのではないかと言われています。

(山田)これはプレゼンをするんですか?

(橋爪)プレゼンします。この2校は研究の積み重ねがありますからね。

(山田)日ごろの成果が出ますね。

(橋爪)磐田南高は遠州灘を長年研究のフィールドとしているので、テーマの選び方や深め方を熟知していると思います。良い結果になるのではないでしょうか。

保護司の源流は静岡にあった!浜名高がプレゼンへ

(橋爪)最後にもう一つだけいいですか。

(山田)どうぞ。

(橋爪)郷土研究部門の研究発表の部に日大三島高と浜名高、ポスター発表に沼津城北高が参加します。このうち浜名高は公共・政策でエントリーしていて、15分のプレゼンを行うんですが、「静岡における更生保護事業の始まり 金原明善と川村矯一郎に学ぶ」と題して発表します。

(山田)ほう。

(橋爪)これは保護司の源流についての話です。金原明善というと天竜川の治水で知られていますが、更生保護の分野でも足跡を残しています。日本の中で他に先駆けて施設や仕組みを静岡で作ったんですが、そういう話を共同研究の中でするようです。

最近悲しい事件があり、保護司を巡ってざわついているじゃないですか。そういう中で、地元の歴史として高校生がこれを8月に全国大会で発表することは大変意義があることだと思います。この研究は昨年8月に行われた全国高等学校社会科学/郷土研究発表大会で最優秀に選ばれています。

(山田)なるほど。テーマとしてもとても良いということですね。

(橋爪)はい。盛りだくさんでお送りしましたが、ぜひいろいろと注目していただきたいですね。

(山田)個人的にはかるたが楽しみですね。

(橋爪)「打倒東京」を果たしていただけたら。悲願達成で頂点にたどり着けるかというね。

(山田)やはり夏と言ったら高校野球とか、高校総体と言ったらスポーツのインターハイという感じになりますけど、文化部もね。

(橋爪)そうです。スポーツだけではなくて文化部も応援していただきたいなと思っています。

(山田)今日の勉強はこれでおしまい!

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