町田法人会 宮城の町支援に「感謝状」 東日本大震災直後から交流
町田市の企業を中心に2千を超える事業者が名を連ねる公益社団法人町田法人会が先ごろ、宮城県山元町から功労者表彰を受けた。2011年に起こった東日本大震災によって被災した町に対して地元で育った花をもって市民と共に訪問し続け、今年完成した施設にはベンチを寄贈。長きにわたる支援に感謝の言葉が寄せられた。
町田法人会は税の啓発や租税教育などを進める団体で、市内の事業者らが所属する。山元町への支援は現在、法人会の相談役を務める青木幸雄さんが現地に住む知人を通じて、被害を受けた地域のダメージを知り、「何かできないか」と法人会の仲間らに相談したのが始まりだった。社会貢献活動の一環として支援することが決まるとさまざまな方法を模索するなか、震災からおよそ1年が経過した当時、住民らの心のケアが大切と判断。「被災地に花を咲かせよう」という合言葉のもと、町田市などの協力を得て、下小山田町で育った花をもって市民らと共に訪問。現地で植栽したという。「震災翌年から取り組みをスタートさせた。大型バスに乗ってみんなで山元町へ向かったところ、多くの町民に歓迎してもらえ、終始なごやかな雰囲気のなか交流をしながら花植えを行うことができた」と青木さんは当時を振り返る。
以後、コロナ禍となり中断するまで計9年にわたって活動は続いてきたといい、「訪問するたびに皆さん、明るくなっていった。繰り返し参加してくれる市民が多く、個別に現地の方とつながる人も少なくないようです」と笑顔をみせる。
「節目として」
一方、コロナ禍以降中断していた支援活動が動き出したのは今年。山元町に子どもたちの憩いの場となる施設がリニューアルオープンするにあたって、法人会は「コンクリートベンチ」を寄贈。今夏行われたセレモニーには青木さんが法人会を代表して参加し、10月に功労者表彰を受けるに至ったという。
青木さんは「支援活動の10回目の節目としてベンチを贈ることになった。今後も交流が続けばと思う」と話し、山元町の担当者は「町田の皆さんには感謝しかない。被災直後は他の自治体からの支援もあったが、ここまで長く関わってくれたのは町田の方々だけ。これからもつながっていければ」としている。