矢作建設、労働災害を減らすための取り組み
2月24日放送の「L is B presents 現場DX研究所」(文化放送 毎週月曜日20:00~20:30)は、矢作建設工業株式会社建築事業本部DX推進部の籠橋英仲氏をゲストに迎え、労働災害を減らすための取り組みや今後のビジョンについて詳しくお話いただいた。
松井佐祐里アナ(パーソナリティ)「まずは企業プロフィールを紹介致します。矢作建設工業株式会社は1949年設立された、名古屋市に本社を置く、名古屋鉄道グループの総合建設会社です。建築・土木・鉄道・不動産と幅広い分野での実績を活かし、多角的な事業を行っています。専門事業領域を有する連結グループ全8社の強みを活かし、多様化する顧客ニーズに幅広いソリューションを提案。建設という事業を通じて、もっと豊かで、ずっと安心できる暮らしを社会に提供しています。籠橋さんが取り組んでいるお仕事内容を教えてください」
矢作建設工業株式会社建築事業本部DX推進部・籠橋英仲氏「DX推進部というものがありまして、そこでは、BIMの推進と現場の方が使うICTツールの選定と導入後は、社内データを有効に活用していく業務に取り組んでいます」
L is B代表・横井太輔氏(パーソナリティ)「力を入れている取り組みは何ですか?」
籠橋「労働災害事例の自動発信システムの開発です」
横井「詳しく教えてください」
籠橋「建設業の長年の課題に労働災害の発生というものがあります。工事の進捗に合わせて適切な安全情報を自動で発信するというシステムになります。過去の労災事例を社員自ら検索するというような仕組みもあったのですが、若手社員にとっては、適切な事例を探すことが難しかったり、探す時間を確保できないというのが実情です。L is Bさんの力を借りて進めているこのシステムは、日々入力する日報や協力業者が業務調整のために入力している情報を読み取って、AIによって工事の進捗状況や最適な労働災害事例を選定して、最適な人員に向けて発信するというものです」
横井「工事が始まった時に、こういう労働災害に気をつけましょうという情報が自動的に発信されてくるということですよね」
籠橋「みんなに送るのではなく、適切な情報を適切な人員のところに届けるというのが肝かと思ってます」
横井「BIMやICTの活用で代表的なものを教えてください」
籠橋「BIMの活用では、マンション物件での設計施工一貫でのBIM活用というものに取り組んでいます。これは設計から施工まで一貫してBIMというものをフル活用していくという活動になります。設計段階では設計者がBIMモデルを作ります。次の施工準備段階では、そのBIMモデルを引き継いで、施工図の作成を行っていきます。最後に、施工段階では、そのBIMモデルを使って、例えばコンクリートの数量を出していくとか、難しい納まりがあったらその部分を画面上でBIMモデルを見ながら、みんなで深く理解しながら施工を進めていきます」
松井「DXを進めていく上での課題は何だと思いますか?」
籠橋「まずは、DXの認知度を高めなきゃいけないと思ってます。DXはデジタル技術を入れていくとか、トランスフォーメーションしていくということですが、社員1人1人が変わるとか、デジタル技術を使って変えられるところの意識を持つところがまず第1なのかなと思ってます。それが実現すると、ようやく変えるという部分に対して前向きになるので、実際DXが進んでいくのかなと思ってます」