冬に味わう釜石はまゆりサクラマス!フェア開催中 あったかメニューが勢ぞろい
釜石湾で養殖される「釜石はまゆりサクラマス」を味わえるフェアが14日から、釜石市内で展開されている。2023年度に続く第2弾企画で、冬季開催の今回は「あったか」がキーワード。飲食店や旅館など19店舗が、鍋や揚げ物など工夫を凝らした多彩なメニューを提供していて、27日まで楽しめる。
釜石でのサクラマスの養殖は2020年に試験的に始まり、22年に事業化。23年は160トン、24年は145トンを水揚げし、安定的な生産を維持している。そして、養殖生産量としては日本一。水揚げは例年6~7月だが、冷凍による長期保存でシーズンを問わず食べられる。
そんな強みを地域内外に発信し、消費拡大につなげようと、フェアを企画。初開催時は、養殖魚ならではの“生食”に注目したメニューがいくつも提供されたが、釜石産は「脂がのっているのにさっぱりとしていて、焼き料理にもいい」との声もある。
同市大町の三陸居酒屋「漁火(いさりび)」では、野菜もたっぷり食べられる「サクラマスのちゃんちゃん焼き」を提供する。サクラマスの切り身、キャベツ、ネギをアルミホイルに包み、卓上に用意されたカセットコンロで焼いて味わう一品。みそとバターの“黄金コンビ”で濃いめの味付けにしており、具材としっかり絡めて食せば、ご飯はもちろん、お酒も進む。
マスを使うのは初めてだったという店主の東裕也さん(39)は「サケや他のサーモン系に比べると、火の通りが早く、身もやわらかい。味もあっさりしていたから、バターを加えた。コク、濃さ、おいしさが増す」と、工夫の様子をうかがわせた。卓上に置かれたコンロで客が自ら食材を焼いて「熱々を食べる」のが、同店の売り。三陸、釜石産の食材に付加価値を持たせたいと、アイデアを込めた料理を提供していく構えで、「とにかく楽しんでもらえたら」と目を細めた。
他店ではパスタやみそ鍋、ムニエル、フライなど多彩な料理がテーブルに並ぶ。価格も400円台から6000円台までと幅広い。
フェアは市水産農林課が主催。水産振興係の萬大輔係長は「養殖魚ということもあって生食系で押してはいるが、加熱してもおいしいことを知ってほしい」とアピール。旬はあるが、通年で味わえるよう特産品化に取り組んでおり、「冬メニューで違った魅力を打ち出し、ファンになってもらえたら」と期待する。