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ボロアパートから始まるアラフォー男の“夢想”転生!少スタッフ低予算で作り上げた奇跡の特撮ヒーロー映画『四畳半のジェメオス』

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ボロアパートから始まるアラフォー男の“夢想”転生!少スタッフ低予算で作り上げた奇跡の特撮ヒーロー映画『四畳半のジェメオス』

日本の特撮ヒーロー史に新たな1ページが刻まれる。9月28日より劇場公開の『四畳半のジェメオス』は、監督・脚本・企画・製作・美術・撮影・編集・VFXの田邉明宏と、SNSで募集した映像制作未経験者4名というチームによって制作された、異例の低予算ヒーロー映画だ。

『四畳半のジェメオス』©DTR PROMOTION Akihiro Tanabe

低予算でも特撮映画は作れる!

特撮ヒーローの誕生から半世紀超。幾度か谷間の時代もあったが、いまでは子どもも大人も楽しめる、そして日本が世界に誇る一大エンターテインメントになっている。いわゆる“ニチアサ”に限らずオリジナル単独作も作られるようになり、地方自治体が町興しにオリジナルのヒーローを……なんて例も珍しくなくなった。

お茶の間から世界に羽ばたき、再びお茶の間に帰還した特撮ヒーロー。しかし膨大なプロップをはじめ制作のハードルは高く、志ある国内のクリエイターたちが気を吐いてきたが、それでもテレビ局や製作会社主導の作品がその大半を占めてきた。そこに登場したのが、この『四畳半のジェメオス』だ。

『四畳半のジェメオス』©DTR PROMOTION Akihiro Tanabe

夢を持つこと、まだ遅くないですか――?

30代以降、多くの人は夢を追えなくなる。
周りの視線に耐え切れないからだ。

将来のために仕事をして飯を食う。
守るべきものを持てた者は人生に意義を見いだせる。
持てなかった者はどうだろうか?

今ここに!全ての壮・中高年に見てほしい特撮ヒーローが爆誕!!
劇場で君を待ってるぞ!!

※ちびっこは夢を持ち、生活に揉まれ、人間関係に悩み、人の怖さを知り、何かを悟り、それでも何かを諦めたくない時に見てね!

『四畳半のジェメオス』©DTR PROMOTION Akihiro Tanabe

冴えないオジサンよ、四畳半部屋からVRを使って世界と戦え‼

本作の主人公は、夢を目指し上京するもフリーター生活を続けている35歳、島崎広。ぼんやりとしたバイト生活に漠然とした焦りを感じながらも安易な自虐に逃げていた島崎だったが、ある日そんな彼のもとに“未来からの贈り物”が届く。それは現実世界に自分のアバターを生成し、自由に操ることができる「ジェメオス ギア」というものだった。

『四畳半のジェメオス』©DTR PROMOTION Akihiro Tanabe

アバターをイケメンに設定し、あんなことやこんなことをして楽しんでいた島崎。しかし、いつの間にか世界の危機に巻き込まれることとなり、イケメンからヒーローに<二段変身>して戦うことになるのだが……。ライバルの登場に恋の行方、振り回される島崎は一体どこに向かうのか――?

『四畳半のジェメオス』©DTR PROMOTION Akihiro Tanabe

「ボロアパートから始まるアラフォー男性の夢想転生」

……とでも例えたくなる、いま流行りの異世界モノとも親和性のある設定だが、あくまで主人公は中年手前のフリーターのまま。VR上でだけ理想の自分になれるというお手軽さゆえのジレンマは、数多あるご都合的な物語とは一線を画す説得力と、身につまされる悲哀がある。

『四畳半のジェメオス』©DTR PROMOTION Akihiro Tanabe

島崎ほど冴えない主人公も珍しいが、演じる清水剛の朴訥な魅力と相まって、多くの観客が感情移入できるだろう。そして、彼が操ることになるアバター(演:谷佳樹)の教科書のようなイケメンぶりも、残酷なまでの対比によってその後の展開への興味を煽る。

『四畳半のジェメオス』©DTR PROMOTION Akihiro Tanabe

とくに島崎と同世代の観客は、彼とのシンクロ度が高ければ高いほど悶絶するかもしれない。それでも、何に目配せするでもなく「遅くないんだ」と全力で訴えかける本作が、無条件に背中を押してくれるはずだ。

『四畳半のジェメオス』©DTR PROMOTION Akihiro Tanabe

『四畳半のジェメオス』は池袋シネマ・ロサ(東京)にて2024年9月28日(土)~2024年10月4日(金) 1週間レイトショー、シアターセブン(大阪)にて2024年10月12日(土)~2024年10月18日(金) 1週間上映

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