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【清水区・あかりの博物館】1000点超“あかり器具”の宝庫 亡き夫のコレクションを守る

テレしずWasabee

テレしずWasabee わさびー

静岡市清水区由比の旧東海道沿いにある「あかりの博物館」。約1000点もの“あかり”にまつわる器具が展示されたこの場所では、火起こしから現代の電球まで、あかりの進化の歴史を体験できます。

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あかりの博物館(静岡市清水区由比寺尾)

いつも見慣れた街並みも、裏を探ればそこはまるで別世界。静岡県民必見の裏スポットをめぐります。今回は宿場町として栄えた、由比。かつて多くの人が行き交った旧東海道を散策します。

旧東海道で見つけた あかりの世界

JR由比駅から旧東海道を南へ歩いていくこと約10分。ある看板が目に入りました。

「旅人さん、ひとやすみして。昔のあかりに『やすらぎ』を求めてみませんか。江戸、明治、大正のあかりを灯しております」と書かれています。

そこは「由比宿東海道あかりの博物館」という展示施設でした。

外観は、宿場町らしい風情の古民家です。

館内に入ると、そこはまるで別世界。

レトロな照明器具がたくさん天井から下がっていました。ここには約1000点ものあかりにまつわる器具が展示されています。

紫色の作務衣で迎えてくれたのは、笑顔の館長・片山嘉子さん。

この博物館は、嘉子さんの夫が集めたコレクションから始まったそうです。

あかりの博物館 ・片山嘉子館長:
主人が電気工事の仕事をしていたんです。それであかりに興味を持って、いっぱい集めたんです。昔のものはとっておかないと無くなってしまう。だから誰かが管理しないとダメなんです

2014年に夫の光男さんが亡くなった後も、嘉子さんが一人で「あかりの博物館」を管理し続けています。

古代から現在のあかりまで

あかりといっても単に暗闇を照らすだけのものではありません。

明るさとともに、体を温めるために使った薪。

古代から使われてきた、薪から展示がスタートします。

そして動植物のあぶらを燃料にした火皿。江戸時代のちょうちん、現在使われている電球に至るまで、進化の歴史を見ることができます。

「火打石」で火おこしを体験!

館内で特に印象的だったのは、あかりの原点とも言える「火打石」。

電気やガスがなかった頃、あかりを付けるのに必要だった火おこしの道具です。

火打石

嘉子さんに教えてもらいながら、実際に火おこしを体験できます。

カチッカチッと石と金属をすり合わせると、小さな火花が散ります。

そこから火種を作り、「附木(つけぎ)」と呼ばれる昔のマッチに火を移していきます。

火打石の火花からできた火種

手慣れた様子で嘉子さんが火をつけると、あっという間に炎が上がりましたが、これが自分でやってみると意外と難しいのです。

センスが求められるのか、なかなか火が付かず何度もトライしました。

ようやく火花が飛んだ瞬間は感動します。

附木に火を移す

現代の私たちが当たり前に使っている明かりも、昔は付けるまでが大変だったことを実感できる貴重な体験です。

これもあかり? 庭には「信号機」

博物館の庭に出ると、そこには驚きの展示物が。

なんと実物と同じ信号機が設置されていました。

実物と同じ信号機

歩行者用と車両用の信号は実際に点灯します。

普段は高い位置にあって、近くで見ることのできない信号機を間近で観察すると、驚くのはその大きさです。

歩行者用信号機

高い位置にあると大きくは見えませんが、下ろすと思っていたよりもはるかに大きく存在感があります。

信号機(青)の部分には、200個の電球が使われているとのこと。

なるほど、これもあかりの歴史の一つですね。

車両用信号機

展示室にある“余分なもの”コレクション

「あかりの博物館」にはあかり以外の展示もあるんです。

裏の建物の中に入ると、そこには昭和レトロな世界が広がっています。

あかりの博物館 ・片山嘉子館長:
主人が全国各地にあかりの展示品を買いに行っても、目当てのものがないと“余分なもの”を買って帰ってくるんです

嘉子さんの夫・光男さんは、何も買わずに帰るのは嫌だったため、代わりに買ってきた“余分なもの”が数々あり、そのコレクションなのだそうです。

駅弁のお茶の瓶

駅弁のお茶の土瓶、薬売りが持って来る家庭用常備薬のパッケージ、昔のタバコ。

めんこ、赤電話、そしてレトロなブラウン管テレビとその台座まで。

赤電話

特に目を引くのは弁当箱のコレクション。

かなり“あかり”から離れていますが、充実しています。

「鉄人28号」「スーパーマン」「ドクタースランプアラレちゃん」「ジャイアンツ」など、今では見かけなくなった銀の弁当箱や水筒が並んでいます。

昔の弁当箱

さらに自転車が天井からつるされているという、ユニークな展示方法も。

空間を余すことなく使っています。

レトロな自転車

あかりの博物館 館長・片山嘉子さん:
一生懸命集めてきたから主人に言わせると、全部が記念になるものだと

そんな光男さんの思いを理解して、増え続けるコレクションを嘉子さんは温かく見守ってきたそうです。

昭和レトロコレクションは、あかりの博物館と一緒に常時楽しむことができます。

旧東海道沿いにたたずむこの博物館は、あかりの歴史だけでなく、昭和の記憶もよみがえらせてくれる特別な場所です。

片山さん夫婦の大切なコレクションに囲まれ、訪れる人々は心温まる時間を過ごせることでしょう。

■店名 由比宿東海道あかりの博物館
■住所 静岡市清水区由比寺尾473-8
■営業時間 10:00~15:00
■定休 月・火・年末年始 ※臨時休業あり
■問合せ 054-375-6824
■入館料 大人500円 小中学生200円※保護者同伴の場合は中学生以下無料

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