川で魚を食べる鳥の正体は?広島市中区で“ねぐら”を発見 深刻化する漁業被害とは|地球派宣言
先月上旬、広島市中区の三篠橋で撮影された映像に映っているのは、水中にもぐって次々に獲物を捕らえていく鳥の姿。
一体、この鳥の正体は……?
野鳥の観察歴50年。日本野鳥の会の茶村真一郎さんに聞いてみると、この鳥は、カワウとのこと。
広島湾周辺には、カワウの「ねぐら」や「巣」が複数あって、数多く生息しているのだそう。
そこで、白島の「ねぐら」があるという場所に案内してもらいました。
カワウの「ねぐら」があるのは、川の中州。
外敵などから身を守るために、陸から離れた場所を選ぶことが多いのだそうです。
ねぐらには、羽を休めるカワウの姿がありました。
茶村さんによると、夜にねぐらで休んだカワウは、朝になると群れになって、海にエサを探しに飛んでいくとのこと。
白島周辺では、飛んでいる姿がよく見られるそうです。
また、川では、この時期アユなどを食べています。1日およそ500gを食べるというカワウ。
たくさんの魚を食べるため、ある問題が起こっています。
広島県水産課の半田浩之さんは、アユやメバルなどの漁業被害が大きくなっていると言います。
その被害総額は、年間で2億3000万円(令和3年度 調査)にのぼるなど、カワウによる被害は深刻です。
1970年代は、絶滅の危機にあったカワウ。現在は回復し、県内のカワウの生息数は、夏におよそ3000羽。
冬になるとその倍以上の7000羽にもなると言います。
広島県では、水産被害の軽減を図るとともに、カワウの個体数を安定して維持することを目指しています。
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2024年7月3日放送)