百合丘小児童 「大きな絵」を万博へ 県代表で展示「いのち」題材
百合丘小学校(麻生区/長嶺祐介校長)の児童が、4月に開幕する大阪・関西万博で展示される「世界一大きな絵」の制作に、神奈川県代表として取り組んでいる。5m×5mの布に描くのは「いのち」を題材としたイラスト。作品は3月7日に完成予定で、8月に万博会場で飾られる。
これは、特定非営利活動法人アース・アイデンティティー・プロジェクツ(東京都)が主催するプロジェクト。国や宗教、人種を超えた、世界中の子どもが描いた絵を合わせて一枚の絵を完成させることで、平和に対する意識を育てることを目的にしている。
五輪など世界規模のイベントに合わせて行われており、今回は4月から10月に開催される大阪・関西万博で実施される。47都道府県から「いのち」を題材にした作品を募り、集まった作品をつなぎ合わせ「世界一大きい絵」が完成する予定だ。
この企画が進んでいることを知った同校PTAの茨木泉さんを中心に、同校でもプロジェクトに挑戦することに。地域活動やボランティア活動が盛んな同校の強みを生かし、子どもだけでなく、大人も協力できることをアピールすると、県代表として選出された。茨木さんは「想像力、創造性を大切に、子どもたちが命について考えるきっかけになれば」と思いを語る。
豊かな発想力
2月初旬、同校の家庭科学習に協力する「ミシンボランティア」の保護者たちが5m×1mの布を5枚縫い合わせるところからスタート。完成した大きなキャンバスに、特別支援学級の子どもたち10人ほどで、作品全体の土台となる「丘」の部分を描いた。
その後、児童有志が中休みや放課後の時間を利用して制作に参加。アクリル絵の具やマーカーを使って「いのちあるもの」を表現した。人や動植物のほか、川や太陽、ヘビに見立てた電車などを描いた子もいたという。茨木さんは「子どもの発想の豊かさを実感した」と感嘆する。
2月21日の中休みには30人ほどの児童が絵を描きに訪れた。中には移動教室の帰りにふらりと参加する姿も。3年生の山口暖瑠日さんは「初めて来たときには既に絵で埋まっていた。いろいろな『いのち』があるんだと思った」と話した。
3月7日には、タイトルと共に完成品が校内で披露される。8月に万博会場で展示される予定。