【京都散歩コース】二条城・京都御所~幕末の歴史舞台になった城郭と御所をめぐる
幕末の動乱期の中心地だった二条城と京都御所など、幕末史に思いを馳せることができるコース。ユネスコ世界遺産にも登録されている二条城は、徳川家康が京都御所の守護と将軍上洛時の宿所として築城。徳川家康と豊臣秀頼の会見から15代将軍徳川慶喜の大政奉還まで、徳川将軍家の栄枯盛衰を見守ってきた。明治時代になり、東京に遷都されるまでの約350年間は天皇の住居だった『京都御所』。周辺は宮家や公家の屋敷街だったが、京都御苑として整備され『京都迎賓館』も建てられた。周囲には、平安京遷都に貢献した和気清麻呂を祀る護王(ごおう)神社や、紫式部が「源氏物語」を執筆したと伝わる旧宅跡に立つ廬山寺などもある。【『散歩の達人 歩きニストのための京都散歩地図』より】
【散歩コース】
スタート:京都駅前バス停から市バス9・50系統で二条城前バス停まで17分・230円
市バス二条城前バス停(3分/0.2㎞)→二条城(24分/1.3㎞)→京都御苑(17分/0.9㎞)→護王神社(11分/0.6㎞)→京都御所(14分/0.8㎞)→京都迎賓館(8分/0.4㎞)→梨木神社(5分/0.3㎞)→蘆山寺(12分/0.6㎞)→市バス河原町今出川バス停
→ゴール:河原町今出川バス停から市バス205系統で京都駅前バス停まで25分・230円
今回のコース◆約5.1㎞/約1時間40分/約6700歩
二条城/国宝やユネスコ世界遺産などに登録される城郭
慶長8年(1603)に、京都御所の守護と江戸幕府初代将軍徳川家康の上洛時の宿所として築城。国宝である二の丸御殿は、障壁画や欄間彫刻など、豪華絢爛(けんらん)な桃山文化の遺構が見られる。
二条城
住所:京都府京都市中京区二条通堀川西入る二条城町541/営業時間:8:45~16:00(二の丸御殿は~16:10)/定休日:無(二の丸御殿は1・7・8・12月の火)
京都御苑/京都の中心にある緑豊かな公園
京都御所の外苑で、公家町跡を整備して公園に生まれ変わった。約65万㎡の広大な敷地内には『京都御所』や『京都迎賓館』などがあり、九門五口の出入り口がある公園としても親しまれる。梅や桜、紅葉など、四季折々の景色が見られ、野鳥も多く飛来する。
●苑内自由。京都市上京区京都御苑3。☎075ー211ー6364。
護王神社/スポーツ選手からの信仰が篤(あつ) い足腰を守護するイノシシ神社
平安京遷都に貢献した和気清麻呂を祀る。清麻呂がイノシシに危機を救われて足萎(な)えが回復した逸話から足腰守護の御利益があると信仰が篤い。狛犬ならぬ狛イノシシ(霊猪)が出迎える。
護王神社
住所:京都市上京区烏丸通下長者町下る桜鶴円町385/営業時間:9:00~17:00/定休日:無
京都御所/古来の内裏の形態を今日に伝える歴代天皇の皇居
東京遷都まで皇居として使われていた。現在の建物は安政2年(1855)に造営されたもので、一部は平安朝の建築様式。京都仙洞(せんとう)御所には庭園や茶室が残る。
京都御所
住所:京都府京都市上京区京都御苑3/営業時間:9:00~16:20(季節により異なる。京都仙洞御所は要予約)/定休日:月(祝の場合は翌)
京都迎賓館/日本が誇る匠の技が生かされる
平安遷都1200年を記念して、2005年に開館。海外からの賓客をもてなす現役の迎賓館で、一般にも公開。建物や調度品には、数寄屋大工や蒔絵など、日本の伝統的技能が用いられている。
京都迎賓館
住所:京都府京都市上京区京都御苑23/営業時間:9:30~15:30/定休日:水
梨木(なしのき)神社/名水とハギの名所で知られる
明治維新の功労者である三條實萬(さねつむ)・實美(さねとみ)親子を祭神とする神社。京都三名水の一つ・染井の井戸があり、水は甘みがありまろやか。ハギの名所で秋には約500株の花が咲く。
梨木神社(なしのき)
住所:京都府京都市上京区寺町通広小路上る染殿町680/営業時間:9:00~17:00頃/定休日:無
廬山寺/美しい庭園でも知られる紫式部ゆかりの寺
天慶元年(938)に元三大師良源(がんざんだいしりょうげん)が開基。良源が悪鬼を退散させた故事にちなんだ節分行事の鬼法楽でも有名。紫式部が「源氏物語」を執筆した邸宅跡でもある。
蘆山寺
住所:京都府京都市上京区寺町通り広小路上る北之辺町397/営業時間:9:00~16:00/定休日:2月1~9日
【通り名を覚えれば京都通になれる】
京都の住所にある「上る(あがる)」「下る(さがる)」はどういう意味?
京都の住所表記が長いことにまず驚く。京都市の住所は、京都市の後に中京区や上京区といった行政区が示される。そして、行政区と町名の間に西洞院(にしのとういん)通や東堀川通といった「通り名」が含まれる。例えば二条城の住所は、「京都市中京区二条通堀川西入る二条城町541」で、「二条通と堀川通の交差点から西側」ということになる。
京都は碁盤の目のように通りが整備されいていて、通りと通りが重なる交差点を、北に向かう場合は「上る」、南に向かう場合は「下る」、東西の場合は「東入(いる)・西入る」となる。
地図を見ると左京区は右(東)、右京区は左(西)にある。これは、君主は南に向かって政務を司るという中国古来の考え方に由来する。つまり、御所から見て朱雀大路より左は左京、右は右京と呼ばれるようになった。
京都の人は小さい頃から「通り名」を覚えるという。地元の人やタクシーの運転手などは、「町名ではわからないので、通り名で言って」という人も少なくないという。しかし、郵便などの場合は「通り名」は必要がなく、行政区名町名番地を記入すれば届く。
【京都グルメを堪能】
『喫茶 マドラグ』名店の味を引き継ぐ玉子サンド
古きよき雰囲気がある喫茶店。コロナの玉子サンド990円は、閉店した「洋食コロナ」のレシピを受け継ぐ。ふっくらと蒸し焼きした玉子焼きを挟んだ名物メニューだ。
喫茶 マドラグ
住所:京都府京都市中京区押小路通西洞院東入る北側/営業時間:8:00~ 17:30LO(食事は~17:00LO)/定休日:日・不定
取材・文=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きニストのための京都散歩地図』より
アド・グリーン
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1982年創業の編集プロダクション。旅行関係の雑誌・書籍、インタビューやルポルタージュを得意とし、会社案内や社内報の経験も多数。企画立案から、取材・執筆、デザイン、撮影までをワンストップで行えるのがウリ。