「あのね…実はね…」早朝に弱々しく暗い声で電話をかけてきた母の用件とは #母の認知症介護日記 84
アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。
先日、母・あーちゃんは検査中に何度も「眠い」と繰り返していました。いつもと違う行動パターンを取ると「眠い、疲れた」と言うことが多くなったように感じていたワフウフさんは、これはただ単に体力が落ちているのではなく、傾眠傾向(高齢者に多い意識障害の1つ)では? と感じるように。そしてその日、あーちゃんはワフウフさんに、財布を確認していた父から「お金、知らない?」と疑われたことを「失礼よね」と怒りながら話していました。ワフウフさんはそれを聞き、「もしかして、父も認知症……!?」とドキッとしてしまったのでした。
何日も振り回されたのに!
1年半前に脳神経外科で認知症のテストを受けたときのあーちゃんは、ひどく動揺していて、自分が認知症になるはずがないと主張していました。そのころから続けている本や新聞を読む習慣は今も続いていますが、果たして内容が理解できているのかどうか……。今は、何十年も日常的に使っていた膝下ストッキングの存在すら忘れてしまう状態で、ワフウフさん姉妹は認知症が進行していることを目の当たりにしています。
認知症の診断が下る前、一時期被害妄想のような言動が見られたあーちゃん。
※たんたん:ワフウフさん姉妹の父、あーちゃんの夫
しかし、それは長く続くことはありませんでした。
私たちも、あーちゃんの訴えを真に受けることもなく……。
実はあーちゃん、通院が始まる少し前から近所に住むKBさんと、そのお孫さんの文句を言っていました。
たしかに、2人の間に小さなトラブルはあったものの、さすがに無視をされるような関係とは思えず……。もしかして、被害妄想??
ある朝、あーちゃんが弱々しく暗い声で電話をかけてきました。
何日も振り回された年金保険のこと、忘れるわけありません……!
昔から勝手に行動して、問題が起こると「どうしたらいい?」と聞いてくるところがあったあーちゃん。認知症になっても、これは変わっていません。
夫婦の問題に子どもを巻き込まないでほしいです……。
あーちゃんは普段、特に妄想や幻覚に惑わされるようなことはありません。しかし、先日病院に付き添ったときに聞いた、近所に住むKBさんという人から無視されたという話は、どうも被害妄想のような気がしてなりません……。過去にちょっとだけトラブルがあった相手ではあるものの、基本的にはいい人で、今でも体の状態を心配してくれるようなメールを送ってくれます。そんな人が無視なんてするのか……? と思ってしまうのです。
そんなことがあってから数日がたち……。早朝に電話が鳴りました。こんなに朝早くからかけてくるのはあーちゃんしかいないと思って出てみると、予感は的中。第一声から弱々しく暗い声で、なんだか嫌な予感がしてきました。用件としては、今度下りる年金保険のことを父がなぜか知っていて、半分よこせと言われるかも……というもの。
父が年金保険の存在をどうして知っているのか……それは簡単。保険会社の人からの説明を、一緒に聞いていたから。数日にわたり、私たち姉妹を振り回した年金保険の契約のことを、すっかり忘れてしまったようです。父に一緒に聞いてもらったのはあーちゃんの判断なので、私たちを巻き込まないでほしいというのが正直なところです。
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今でも体調を心配してくれるメールを送ってくれる人が、突然無視をするというのは考えづらいので、ご近所さんの件は何かの誤解だと思いたいですね。被害妄想は本人も周りの人も苦しい思いをするので、何度も続くようなら注意が必要かもしれません。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。