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街のバリアフリー 学生らが実地検証

赤穂民報

バリアフリーマップに必要な情報を集めようと、学生たちが車いすに乗って実施したフィールドワーク=学校提供

 車いす利用者の街歩きに役立つバリアフリーマップの作成につなげようと、関西福祉大学とはくほう会医療専門学校赤穂校の学生らが合同でフィールドワークを実施。実際に車いすに乗って街なかを巡り、目的地までの道路の安全性を検証した。

 将来社会福祉士や作業療法士といった福祉・医療分野の仕事を目指す学生たち35人が5班に分かれて今年5月から6月にかけて行った。両校を起点に駅や公園、店舗などへ移動。商店では車いすに乗った状態で買い物も体験した。

 今月9日に大学であった活動報告会では、各班が気付いたことや改善点などを発表した。溝蓋の穴や踏切のレールに車輪がはまる危険性や歩道にはみ出して駐車している車が大きな支障になったことを指摘。一方、買い物した店で店員が移動をサポートしてくれたり、目線を合わせてお釣りを渡してくれた気遣いについても報告があった。

 関西福祉大学社会福祉学部谷川ゼミ2回生の前田夢仁(むに)さん(19)は「大通りは整備されていても、一本入ると車いすでの走行が難しい道が多いと感じた」と課題を話した。フィールドワークで得た情報は、全国の車いす利用者が情報共有するアプリにアップしたほか、行政機関にも提供を検討するといい、はくほう会医専作業療法学科2年の坂本美怜さん(20)は「今回収集したバリアフリー情報が車いす利用者にとって安心して外出するきっかけにつながれば」と語った。

 今年度で4年目となった両校の職種間連携教育を指導・監修した谷川和昭教授は「車いすユーザーへの共感力を育むだけでなく、問題解決能力や協働力も高まった」とし、はくほう会医専の赤堀将孝・専任教員は「実際に街に出て課題を知ることの大切さを感じてもらえたのでは。これからも生活者の視点を忘れずに取り組んでほしい」と学生たちの今後に期待した。

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