おしゃれな巾木はある?種類や選び方、部屋をおしゃれにするポイント
壁と床の境目にある巾木(はばき)。巾木があることによって「なんだか部屋がおしゃれにならない」と感じる人もいることでしょう。巾木はなぜつけなければならないのでしょうか。また、おしゃれな巾木はあるのでしょうか。巾木の役割や種類、おしゃれな巾木の選び方をご紹介します。
そもそも巾木とは?巾木の役割
巾木とは、床と壁の境目につける部材のことを指します。「なくてもよいのでは?」と感じる人もいるかもしれませんが、巾木には役割があります。まずは、巾木の主な役割をご紹介しましょう。
壁と床の隙間をカバーする
「壁と床の隙間をカバーする」というのが、巾木の役割のひとつです。
壁材と床材は気温や湿度によって伸縮するため、床と壁の境目には隙間を設けて施工しなければなりません。その部分に巾木をつけることで、隙間を隠すことができるのです。
同じように天井と壁にも隙間が生じますが、その隙間を隠す部材は廻り縁と呼ばれます。巾木や廻り縁があることにより、隙間が隠れるだけでなく見た目がきれいになるのもポイントです。
壁紙がはがれてくるのを防ぐ
素材にもよりますが、巾木には壁紙がはがれてくることを防ぐ役割もあります。
ソフト巾木のようにクロス職人が施工を担当する場合、壁紙を貼った上に巾木をつけて仕上げます。壁紙の端を巾木が押さえるため、はがれ防止となるのです。
ただし、木巾木のように大工工事として内装よりも先に施工される巾木の場合、壁紙は巾木の上までしか貼られません。施工の順番や方法によってはがれ防止の役目を持たない巾木もあるため注意が必要です。
傷や汚れから壁を守る
足元の壁の傷や汚れを防ぐのも、巾木の役割です。
床と壁の継ぎ目に近い部分は、掃除機や足などがあたって傷や汚れがつきやすい傾向があります。その部分に巾木を設置することで衝撃をカバーし、壁の傷や汚れを防げます。
また、巾木でカバーすることによって壁と床の隙間にごみやほこりが入り込むことを防げ、掃除もラクになるでしょう。
おしゃれな巾木を知りたい!巾木の種類
ソフト巾木や木巾木など巾木にはいくつか種類があり、素材によって特徴や施工の手順が異なります。巾木の種類をご紹介しましょう。
ソフト巾木(布巾木)
ソフト巾木とは塩化ビニルでできた巾木のこと。布巾木やビニル巾木と呼ばれることもあります。色や幅などの種類が豊富で、価格も安価なものが多め。薄くて柔らかいため部屋や柱の角などにも施工しやすく、カッターと接着剤で施工可能です。
クロス職人が壁紙を貼った上からソフト巾木をつけるのが一般的で、壁紙をはがれにくくできるのも特徴。経年劣化で変色することもありますが、部分補修が可能でメンテナンスコストを抑えられる傾向があります。
巾木が薄くてほこりがたまりにくい、水に強いといった点もあり、日々の掃除がラクになるのもソフト巾木の利点でしょう。
木巾木
木巾木はその名の通り、木材でできた巾木です。衝撃に強くフローリングに馴染みやすいといった特徴があります。
ソフト巾木より価格は高めですが、ある程度の厚みがあって表面に溝などの装飾がされたものも。ソフト巾木よりおしゃれで、布巾木などに比べて高級感があるのも特徴です。
しかし木巾木は、大工工事として壁紙よりも先に施工されるため壁紙の剥がれを防げず、交換が大変。厚みがあるためほこりがたまりやすいといったポイントもあります。
無垢巾木
木巾木の中でも無垢材を使っているものを無垢巾木といいます。ソフト巾木や布巾木などに比べて高価になる傾向はありますが、樹種や形状などのアレンジが豊富。天然の木目が高級感を与えてくれ、無垢のフローリングと同じ素材の巾木を選べば部屋に統一感も出せるのが特徴です。
厚みがあるのでほこりはたまりやすいものの、衝撃に強く表面だけがはがれてしまうこともありません。無垢材をコーティングする塗装の種類によっては傷や汚れを直せるため、交換する必要がないといった利点もあります。
樹脂巾木
樹脂巾木は、ABS樹脂でできた巾木のことです。ソフト巾木に比べて色や幅などのバリエーションが少なく、価格も高めではあるものの、高級感があるのが特徴。
ソフト巾木に比べて取り扱いは少な目ですが、細めの樹脂巾木を金属巾木の代わりに使用するケースも見受けられます。
金属巾木
金属巾木とは、アルミやステンレスなどの金属素材のものを指します。
価格が高く交換が大変、色のバリエーションが少ないといったデメリットはありますが、強度が高くほかの素材の巾木に比べて極細のものがあるのが特徴。極細の金属巾木なら、壁と床の隙間を防いで衝撃から壁を守るといった役割はありつつ、壁に馴染みやすく巾木が目立ちません。
巾木を目立たせたくない人や、スタイリッシュな空間にしたい人におすすめです。
おしゃれな巾木選びのポイント
足元に設置される巾木とはいえ、実用性だけでなく、部屋にマッチするデザイン性やおしゃれさも求めたいもの。どのように巾木を選んだらよいのか、ポイントをご紹介します。
馴染ませたいときは巾木の壁や床と色をあわせる
「巾木を目立たせたくない」「巾木を空間に馴染ませたい」というときは、巾木の色を壁や床のどちらかとあわせましょう。
ソフト巾木なら、色や幅が豊富で選択肢が豊富。コストを抑えた施工が可能です。フローリングが無垢材なら無垢巾木がおすすめ。ソフト巾木よりも高級感がある空間になり、木製家具ともマッチするでしょう。
統一感を持たせたいときは建具と色や素材をあわせる
扉や窓、鴨居や敷居といった建具と巾木の色をあわせることで、空間に統一感を持たせることもできます。
「壁や床と巾木を馴染ませてみたもののなんだかしっくりこない」というときは、建具と色をあわせることを検討してみてください。それでもマッチしないと感じるときは、素材を見直してみるのもおすすめです。
アクセントウォールと巾木の色を同じにする
部屋の一部だけ壁紙の色を変えたアクセントウォールを設ける際は、巾木の色とアクセントウォールの色をあわせるとおしゃれ。アクセントウォール部分では巾木が馴染み、ほかの壁紙部分では巾木が良いアクセントになります。
複数の色を取り入れないため、空間に統一感も生まれるでしょう。
あえて目立つ色や素材の巾木でアクセントをつける
あえて巾木を浮き立たせることで、空間のアクセントとして活用することもできます。
フローリングにブラックの金属巾木をあわせてスタイリッシュにコーディネートしたり、ブルーのアクセントウォールに白い巾木をあわせたりと、いろいろなアイデアを出してみて。
巾木の色や素材選び、空間コーディネートを楽しみましょう。
巾木にあわせてモールディングをつける方法もある
部屋をおしゃれにするアイテムは、巾木だけではありません。廻り縁や腰見切り、壁面装飾といったモールディング全体をコーディネートするのもおすすめです。
巾木とフローリングの色をあわせて腰見切りをアクセントにする、巾木と廻り縁の色をあわせつつ廻り縁にはデザイン性を持たせるなど、組み合わせはさまざま。
予算を考慮しつつモールディングの色や幅、デザインや素材など、どのように組み合わせたら好みの空間ができるのか、イメージしてみてください。
まとめ:巾木の選び方で部屋がおしゃれに!
巾木には、壁と床との隙間を埋めて壁を保護するなど、さまざまな役割があります。コンクリート打ちっぱなしの壁のように巾木をつけないケースもありますが、壁紙を使う一般的な壁やフローリングの部屋であれば、巾木を用いるのがおすすめです。
その際、色や素材がおしゃれな巾木を選ぶだけでなく、モールディングや家具なども含めて空間をコーディネートしてみてください。どんな部屋にしたいのかをイメージし、素敵な空間を演出しましょう。