川島町在住竹田彩希さん 地元愛育む子ども食堂に 食べて、学び、遊び交流
川島町在住の竹田彩希(さき)さん(34)=人物風土記で紹介=が川島地域ケアプラザで主宰する「子ども食堂ohanaかわしま」の活動が徐々に広がりを見せる。地場野菜を使ったカレーライスを提供するほか、学習支援や遊びを取り入れるなどして、子どもたちの地元愛を育む運営方針を掲げる。
川島町で生まれ育った竹田さんは、3人の小学生を育てる母親。コロナ禍の影響でここ数年、地域行事や学校行事が減少し、子どもや保護者同士のつながりが希薄化したことに危機感を抱いた。「食事などを通じ、地域が一致団結できる場を設けたい」と子ども食堂の立ち上げを決意した。
「子ども食堂ohanaかわしま」と命名。竹田さんの考えに賛同したボランティアスタッフと共に、5月から月1回の頻度で活動を始めた。
地場野菜で魅力発信
「川島の魅力を地産地消で子どもたちに発信」などがテーマで、提供メニューは決まってカレーライス。「適切な量を食べてほしい」という思いから、白米の量は100g、150g。200gの中から選べておかわりは自由だ。育ち盛りの子どもたちは200gをぺろりと平らげるという。
カレーライスに入れる野菜は川島町や仏向町の農家から無償で提供されたものを使用する。竹田さんは「子ども食堂を支援してくださる皆さんに感謝の気持ちでいっぱい。おいしい野菜が地元でも採れることを多くの人に知ってもらえれば」と話し、食堂の利用者に農家の情報を紹介するなどして恩返しをする。
7月31日に行われた子ども食堂には、過去最多の約40人が参加。この日、初めて顔を合わせたという参加者同士も見られ、カレーライスを頬張りながら交流した。子どもたちは食事前後におもちゃで遊び、友人の輪を広げていた。親子での参加者も多く、「野菜が新鮮でおいしい。ナスなどの野菜を川島町周辺で栽培していることを知り、まちの誇りだと感じる」と話し、地元の魅力を再認識した人もいた。
8月7日を「ohanaの日」という記念日とし、フライドポテトやポップコーンなどの普段の食堂では見られないメニューを子どもに無料で提供。取り組みに特色をつけるなどして、楽しみを創出する。
学習支援なども
同食堂は「夏休み子ども応援プロジェクト」と銘打ち、子どもの夏休み期間中は8月14日を除く毎週水曜日に開催。子どもの参加費は通常100円だが、夏休みは無料で対応している。大人の参加費は「募金」という形式を採用し、その資金は食堂に置くおもちゃの購入代金に充てるという。
さらに、「家だと夏休みの宿題がはかどらない」という子どものために、ボランティアスタッフが勉強を教えるという学習支援を開始。子どもたちは勉強道具を持参し、分からない単元などを教わっていた。竹田さんは夏休み以降の食堂でも学習支援を継続したいといい、大学生などで手伝ってくれるボランティアを探している。
今後は本当に食事を必要としている家族も遠慮なく利用できるよう、ヘルプサインの導入を検討するなどして、より良い運営を目指していく。
次回の食堂は8月21日午前10時から午後2時(食事提供は11時30分から1時)。保土ケ谷区に住んでいない人も参加可。詳細などの問い合わせは竹田さん【電話】090・5535・5397、または記事中の二次元コードから確認を。