第57回全日本大学駅伝 中央大学・藤原正和監督 レース後インタビュー
━━出雲後の選手の調整については、疲労を抜くことをメインで?
「両方いましたね。ちょっと(疲労を)抜きすぎたなっていう子はつけましたし。こっちが思っているよりも、疲労を抜きながらやっても全然最後でちゃんと抜けるなっていうところもあったので、そこの塩梅をちょっと変えたって感じです」
━━それでも吉居駿恭選手(4年)は仕上がり6割ぐらいという話も聞きますが?
「彼にとっては8月9月、平年よりも各月200kmずつぐらい走行距離が多かったので、人より抜けが悪い。多分、MARCH対抗戦(10000m、11月22日)あたりで動いてくるのではないか。ですので箱根に向けては非常に良い傾向じゃないかなと思います」
━━まだまだ完全に仕上がっている感じではない?
「そうですね、駿恭とか溜池(一太、4年)は、去年までの3年間に比べると4年目がグッと(練習量を増やして)やっているので。そういう意味では1、2年生の方が抜けは早いのではないか。(佐藤)大介(2年)とか岡田(開成、2年)が思ったより抜けが早くて、出雲が良かったので今回はちょっと苦戦した。そのあたりはこれから、もうちょっとやった方がいいのか、本人とよく話したいなと思います」
━━箱根駅伝に向けての強化ポイントは?
「これまでやってきたことは間違っていないというラインには来ていると思います。去年、全日本12位から、2ヶ月間どういう過ごし方してきたかというところが我々にとっては良い勉強になったところがあります。それを踏襲しつつ、前回と違うのは予選会から全日本じゃなくて、出雲から全日本と来た中ですので、どういう風に強化して、疲労を抜いていくかっていうところは、これから個々人でうまく調整しながら、ベクトルは全体で箱根に向けてやっていきたいなと思っています」
━━山区間についてはどのように考えている?
「自信あります」
━━この夏、例年より距離を増やしたということですが、その狙いは?
「箱根で勝ちたい、もうそれだけです。今までと同じことを踏襲していては、絶対に2位で終わるから、箱根に向けて変えるならここだ!っていうことで思い切って全員で覚悟持って変えてきました。その成果がこうやって少しずつ現れてきてるっていう点では、箱根に向けて非常に視界良好かなと思います」
━━大学の特徴であるスピードとの折り合いは?
「それはマネジメントというか、私自身の問題だと思っています。強化するところとポイントと、スピードを活かしながら駅伝もやっていくっていうところは、うまくバランス取りながらやっていけそうな手応えは持ってるので。箱根はやってやりたいと思っています」
━━前日会見に出なかったのは?
「出雲10位のチームが出るところじゃないってお断りをしたんです。出てくれって言われたんですけど、やっぱり他のチームさんが納得いかないでしょうからって。今年ちゃんと優勝あるいは表彰台に乗って、来年はちゃんと出ますからって話をさせていただきました」
━━自信がなかったからとかではなく?
「自信はありましたけど、まあちょっと煙に巻きたいというか。我々が箱根の5区6区を誰も名前を言わないのと一緒で、ちょっとメディアさんを使っていろんな攻勢をかけていかないと、やっぱり駆け引きは始まっていると思いますので。あえて今回は出ませんでした」
━━今回は虎視眈々と狙っていた?
「っていう感じですね。あんまりうちの動向を僕の表情からも読み取られたくなかったので出ないようにしました」
━━青山学院・原監督が「中大がすごく練習している」とおっしゃっていますが?
「我々が原さんのやり方をよく学んできているっていうのも分かっていらっしゃると思うので。勝って恩返ししたいなと思っています」
━━箱根を見据えてる中で、今回の2位という結果はいかがですか?
「全日本と箱根は相関関係がありますので、ここでの結果は箱根に向けて大事な部分だなと思いますから、いい意味で自信を持ってくれたかなと思います。とはいえ、山区間で大きく変わりますから、とにかく山ですね」
━━駒澤との勝負、駒澤を意識した中での箱根でのポイントは?
「往路に関しては、どの大学もほぼ変わらないと思いますので、特に5区6区っていうところで大きく差ができて、そこで抜け出たチームが7、8、9、10区と、うまく流れていくと思います。本当に今年は山、5区6区が大きな勝負の要になってくると思いますので、そこの徹底強化をやっていきたいなと思ってます」