ユーモア交え熱弁 遊書家の國富さん 名張
形や書き方にこだわらず、躍動感のある文字や文章をしたためる「遊書」の書家、富峰山として知られる三重県名張市つつじが丘南の國富光輝さん(77)がこのほど、同市内の飲食店で「輝きと道楽の人生のために」と題して講演し、約30人の参加者が耳を傾けた。
企画したのは國富さんと30年来の親交がある市内の建築会社「建美装」の代表、古谷正夫さん。「常に明るく人生を楽しむ生き方について、多くの人に話してほしかった」と開催の動機を語る。
國富さんは岡山県倉敷市に生まれ、小学校高学年から陸上競技の短距離走を始めた。京都産業大学時代、トレーニング中に偶然、同大名誉教授でロサンゼルス五輪金メダリストの南部忠平さんに声を掛けられたのがきっかけで秘書になり、各地の講演会などに付き添った。南部さんから「人の心を打つあいさつの仕方」「人に感動を与える礼状の書き方」など、基本を学んだという。
大学卒業後、大阪の土建会社に就職し、元郵政大臣の服部安司議員の秘書として13年間出向。その後、復帰した会社は倒産したため、リゾート会社や自動車のディーラーに転身。営業経験は全く無かったが、両社で抜群の営業成績を残したという。
「パンフレットは要らない、人の心をつかんでこそ商売につながる」「来店客の目線や第一歩の動きで見込み客かどうかを見極める、これが営業の基本」など、自ら会得した商売のこつをユーモアを交えて熱弁した。
「決して諦めず、感謝の気持ちと夢を持ち、心置きなく人生を楽しむことが大切」と話す國富さん。こうした人生訓を書き留めた「遊書」を、この日の参加者に配った。
参加した一人は「人との出会いで人生が変わる、苦しい経験こそ人生の肥やしになる、など体験に基づく言葉が心に刺さった。今後の営業に生かしていきたい」と話していた。