自民党総裁選挙、党に厳しいことを言える人が出てくるかどうかに注目
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、8月26日の放送に政治ジャーナリストの角谷浩一が出演。出馬表明の増えてきた自民党総裁選挙について語った。
鈴木純子(文化放送アナウンサー)「きょう、河野太郎デジタル大臣が出馬を表明。これまでに表明した小林鷹之前経済安全保障大臣、石破茂元幹事長に続いて3人目となります。小泉進次郎元環境大臣も今週中に出馬を表明する方向で調整しており、自民党総裁選挙に向けた活動が本格化します」
長野智子「これまでの顔ぶれを見て、ご感想は?」
角谷浩一「この総裁選挙がなんの総裁選挙か、ということですよ。岸田さんが(出馬を)やめた理由は? 政治改革が物足りない、国民からも言われている、と。改革したら今度は自民党から『けしからん』と怒られた。とにかく変えないと国民の理解を得られない、ということで、『私が退(ひ)けば少し進むんじゃないか』と。そうしたら、そのあと出る人の『任せてください。あなたができなかった、いろんなしがらみがある自民党の政治とカネの問題、解決していきましょう』……という声を岸田さんは期待したんじゃないかと思う」
長野「そうですよね。改革マインドを引き継ぐ、ということで」
角谷「だけど小林さんは安倍派の優秀なやつを復権させてやれ、と言う。石破さんはそもそも裏金議員を公認していいのか、というところに踏み込んだ、党内から嫌われるわな……。最初にああ述べたら『石破はまた格好のいいことを』と。でも言った。この総裁選の意義というのは、こういう人が出てくるかどうか、というのが問われている(ことだと思う)」
長野「次の日にまた引っ込めましたけど」
角谷「次の総理が決めること、と。自分がなるつもりで言ったから間違っていないんだろうけど。揚げ足をとるのはどこにでもいるからね。河野さんはきょうの会見で、裏金をもらった人は返してくれ、と。返納するとナシになるのか、というと、『改革』ではない」
長野「裏金の実態解明もしてほしいし、信頼を取り戻す努力をしてくれないと、いい政策があっても遂行することが難しい。そういう中で自民党に対して厳しいことを言った人には、票を入れるのは議員と党員だから、党員の票は入るかもしれないけど、最後の決選になって2人になったら『こいつ厳しいこと言うから入れたくない』となって、まったく国民の声が届かない選挙になる。このもどかしさ」
角谷「そのとおり。そこの問題をどう乗り越えるか、という問題でね。このあと出馬表明する方もいるだろうけど、表明される予定の方にも疑惑がついているので、大事なのはいま長野さんが言った、その一点なんですよ。国民はもう少しきちんとしてほしいと思っているけど、石破さんを批判するメディアの人ってたくさんいる。この人は面倒見が悪い、と言う。では裏金で『君、物入りだろうから使えよ』と言う人は面倒見がいいの? と」
長野「はい」
角谷「この面倒見のいい人、というのがあたかも錦の御旗のように(なっている)。だから面倒見の悪い石破はダメなんだ、というのがまさに、いまの自民党を表している感じがしてしまうんですね」